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新型Vクラス。和製ミニバンの牙城を崩せるか?

2014-5-12 15:10| post: biteme| view: 724| コメント: 0|著者: 文:川端 由美/写真:メルセデス・ベンツ日本

摘要: 600万円超の豪華和製ミニバンに挑めるか? 最近、都内の高級ホテルの駐車場で黒塗りのミニバンをよく見かける。長らく「クルマ好きにとって、ミニバンなど忌むべきもの」なんて思っていたけれど、あまりにも頻繁に見 ...

新型Vクラス。和製ミニバンの牙城を崩せるか?

600万円超の豪華和製ミニバンに挑めるか?

最近、都内の高級ホテルの駐車場で黒塗りのミニバンをよく見かける。長らく「クルマ好きにとって、ミニバンなど忌むべきもの」なんて思っていたけれど、あまりにも頻繁に見かけるので気にして観察するようになった。たいていはトヨタ「アルファード」か日産「エルグランド」といった大型ミニバンだ。このクラスは最廉価でも300万円以上するのだけれど、豪華装備の最上級グレードともなれば600万円をゆうに越えるプライスタグを掲げる。誰が乗っているんだろう? と不思議に思ってじーっと見ていたら、スライドドアが開いてスーツを着込んだビジネスマンが降りてきた。そう、このクラスの豪華ミニバンの用途は、いわゆる「社長車」や「役員車」なのだ。確かに、後席で移動時間を有効に使うにはいい選択に違いない。

この日本車の牙城を切りくずさんと、メルセデス・ベンツが日本の豪華ミニバン市場に殴りこみをかけるであろうモデルが登場した。新型「Vクラス」だ。私自身、はじめてこのクルマを見たのは今年のジュネーブ・サロンの会場だった。実は、これに先駆けて1月末にミュンヘンでプレビューを実施している。輸入車メーカーにとって新車発表の場はモーターショーであり、日本のような”新車発表会”などまれである。それだけ力が入っている、ということでもある。

1990年代に登場した初代は、欧州で商用車として販売されていた「Vito」をベースに乗用車版として「Vクラス」の車名で登場した。当時のメルセデス・ベンツでは唯一と言っていいFWDモデルであり、搭載されるパワートレインが当初は2.3L 直4+4ATと非力で、後に2.8L V6が追加されたものの、やはりメルセデス・ベンツの乗用車としては異色の存在だった。2代目となるにあたって、乗用車用のコンポーネントを活用すべく、駆動方式がRWDに改められて、車名を「Viano」にあらためた。が、フェイスリフト時にしれっと「Vクラス」へと車名を戻している。”ブレない”ことで定評のあるメルセデス・ベンツとしては珍しいが、アルファベットでクラス分けをしている車名の方がより乗用車らしい。心臓部を3.2L V6に絞り、後輪駆動を採用したことで、記号性の面でもよりメルセデスらしさを得た。

快適かつ乗用車らしいインテリア

3代目となる新型「Vクラス」にとっては、かねてより懸案だった「商用車ベースの乗用ミニバン」というイメージを払拭することが最大の命題である。パッと見た限りでは、その狙いは達成しているように思える。中央にスリーポインテッド・スターが収まる横桟のフロントマスクと眉毛のようなポジションランプは、最近のメルセデス・ベンツに共通する。Cクラス、Eクラスといった同社の売れ筋サルーンと共通の顔立ちにすることで、新型「Vクラス」が乗用車であることを強調しているかのようだ。エクステリア・デザインは、キャラクターラインが強調された躍動感のあるスタイリングになった。「平面的な構成だった2代目に対して、3代目では抑揚のあるフロントビューを採用し、サイドのキャラクターラインを強調して、より立体的でより触感的なスタイリングに仕立てました。また、緊張感のある面を使うことで、見る人の視線を細部まで行き渡らせるようにしました」(ベルトラント・ヤンセン/Vクラス・デザイン担当シニア・マネージャー)

試乗に供されたのは、本国ドイツで発売される4気筒ディーゼルユニット3機種。搭載される3種のエンジンの排気量はいずれも2.1Lだが、出力の違いで「V200 CDI」(136hp/330Nm)、「V220 CDI」(163hp/380Nm)、そして日本市場に導入されるであろう「V250ブルーテック」(190hp/440Nm)だ。日本のポスト新長期規制に対応するためには、尿素SCRを搭載するブルーテックが最適に違いない。

普通の試乗会なら運転席から乗り込むところだが、やはりここはスライドドアを開けて後席へ。最大で3列8人乗りが可能だが、テスト車は、2-3列目が左右独立のシートだった。ウォークスルーなので乗り込んだあとでも車内で席を移動しやすい。2列目を後ろ向きにして、向かい合わせで座ることもできるし、ウォークスルー部分に取り付けられているコンソールボックスは前後にスライドさせられる。アンコの詰まった張りのあるシートはサポート感が高く、長時間座っていても疲れしらずだ。リクライニングもできるし、アレンジしだいで足元を広くすることもできる。

シート付近で電源がとれるようになっており、コンソールボックスからすっと折りたたみ式のテーブルがせり上がってくる。かなり大型で、食事をすることもできれば、パソコンなどを広げてビジネス・ミーティングもできそうだ。先日、新幹線で移動していたら、隣席のビジネスマンの打ち合わせが筒抜けなことがあったが、車内であれば移動中でも機密性を保ちながら打ち合わせができる。

とはいえ、ライバルとなる国産勢も室内の利便性ではなかなかのものがある。しかし、ことインテリアの質感においてはVクラスに軍配があがる。今回はメルセデス・ベンツの乗用車開発陣からもエンジニアが参加して、同社のセダンと比べて遜色ないレベルに仕上げられている。和製ミニバンもよく分析したというだけに、シートアレンジがフレキシブルで使いやすそうだ。荷室にも工夫がある。上下に分割できるパーセルシェルフや、グラスハッチを開ければ小物が簡単に取り出せるなど、実用面も追求されている。

見違えるような走りっぷり

加えて、静粛性と乗り心地がラグジュアリーカーと呼べる領域まで高められていることが特筆に値する。シャシーは先代からのキャリーオーバーであり、前マクファーソン・ストラット、後セミ・トレーリングアームの形式に変わりはないが、ほぼ刷新といえるほどの改良が施されている。CLSと共通のフロントアクスルのロワーアームには補強が施されており、リアは先代までのエアサスを排して、周波数感応式ダンパーを採用した。

ボディの剛性感が大幅に高まったことに加えて、荒れた路面でもリアの足回りがよく追従している印象で、全域で乗り心地が向上している。実は、バイブレーションはエアサスでは減らしにくく、快適性に関しては周波数感応型のダンパーを採用したほうが効果的なのだ。もうひとつ、燃費面への配慮から採用された電子パワステも、乗り味の向上に貢献している。ラック側にモーターを搭載することで頼もしいステアリング・フィールを実現した。

心臓部の2ステージ・ターボ付き2.1Lディーゼルの最高出力は190hpと驚くほどの数字ではないが、440Nmの最大トルクを1400rpmという低い回転域から2400rpmまでフラットに発揮する。エコ、コンフォート、スポーツ、マニュアルの4つの走行モードのうち、エコ以外では、加速時に最高出力が+10kW、最大トルクが40Nmアドオンされる。その結果、V250ブルーテックでは最大150kW/480Nmまで増強がなされる。

パーシャルでアクセルを踏み込んで加速するようなシーンでは、7速化されたATは、エンジン回転数を高める前にすっすっとギアを高めて、燃費走行に徹する。アウトバーンを巡航するシーンで、以前より圧倒的に静粛性が高められていることに気づいた。風切音を低めるといったベーシックな努力に加えて、新しいパワートレインの採用も大きく貢献している。以前の5速ATでは高速走行時にエンジン音の高まりが目立ったが、7速ATの採用によってエンジン回転数を低く抑えて、粛々と走ることができる。それでいて、ひとたびアクセルを踏み込めば、ここぞとばかりにトルクをピックアップして力強い加速をしていく。広い領域でフラットにトルクを発揮するエンジンの特性もあって、加減速時にシフトのアップダウンを繰り返してビジーに感じることもない。

Cd値=0.31まで空力性能を高めたこととあわせて、燃費性能は2代目のV6エンジン搭載比で28%向上し、6L/100kmの燃費性能を達成している。排ガス規制は最新のユーロ6に適合する。日本の規制に適合するかと聞いてみたところ、尿素SCRを後処理装置として採用する「ブルーテック」であれば、日本の厳しい排ガス規制に適合できる見通しだという。

日本への導入が待ち遠しい

北ドイツの古都、ハンブルクを出発して2時間ほどでデンマークとの国境付近に辿り着いた。アウトバーンを降りて、ドイツ鉄道の駅に向かう。ここからはクルマのまま列車に乗って、ズィルトという島に渡るのだ。細長い砂州の上を綱渡りのように列車で走って行くと、小一時間でズィルト島に着いた。想像以上に大きな街があり、島の先端にあるホテルまでは一本道が続いている。

夕暮れが迫る中、最後のドライブを楽しむ。パワーステアリングにはじめてEPSを採用したというが、路面からのインフォメーションがしっかりと伝わる頼もしい操舵感だ。ラック側にモーターを備えることにより、操舵時の違和感を減らした。シーケンシャルで変速できるパドルシフトを使って、スポーティに操ってみたくなる。もちろん、ミニバンの背高ボディでスポーツカーのような走りができるわけではないが、アクセル操作や操舵に対する応答性が高いこともあって、積極的に操ってドライブするのも楽しい。

冬の間に荒れてしまった路面はゴツゴツとした肌をしているが、Vクラスの足回りが路面からの入力をしっかりといなして、心地良い乗り心地を提供してくれる。基本設計は変わらないが、先代と比べると見違えるようだ。開発陣いわく、荷物を積むとリアに荷重がかかるので、さらにリアの追従性が高まるという。

実のところ、ドイツではこのクラスにフォルクスワーゲン・マルチバンが君臨しており、実用性はもちろん、子供の頃にフォルクスワーゲンのバンに触れた世代が高いロイヤリティを保っている。これに対して、スタイリッシュな外観を与えて、内装の質感を高めたVクラスは、マルチバンでは満足できない高級志向の人たちを狙うかのようだ。日本にも当然、大型豪華ミニバンの市場があり、メルセデス・ベンツのブランド力の高さと新型Vクラスの質感の高さがあれば、和製ミニバンの牙城を切り崩せるかもしれない。なによりも、輸入ミニバンの選択肢が限られるだけに、日本への導入が待ち遠しい一台だ。

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