問答無用のカッコよさ「ミシュラン パイロット スポーツ シリーズ」といえばスポーツタイヤの雄。1999年に「パイロットスポーツ」として登場し、以降ハイスペックスポーツタイヤとして進化を重ねるとともに、公道を走行可能なサーキットタイヤの「カップシリーズ」やカジュアルに走りを楽しむスタンダードシリーズなども生まれ、現在は4つのシリーズにパイロットスポーツの名が使われる。 このほど発売された「ミシュラン パイロット スポーツ5」は、2016年に登場したスタンダードシリーズの「ミシュラン パイロット スポーツ4」の後継モデルに当たる。その走行性能を真っ先に報告するのが重要とは理解しつつ、パイロット スポーツ5の優れた見た目についてまず報告したい。 ミシュランは数年前から、一部製品のサイドウォールにあらゆる方向からの反射を防ぐ効果を狙って細かい凹凸を設け、その部分がより一層深い黒に見える「プレミアムタッチ」という意匠を採用する。 パイロット スポーツ5では、このより深い黒の部分を全周にまとう「フルリングプレミアムタッチ」を採用した。これが問答無用にカッコいいのだ。タイヤは昔からすべての製品が黒く丸いため、トレッドパターンを除くと見た目の差別化を図るのが難しかったが、「プレミアムタッチ」はひと目でミシュランとわかる特徴となった。 同社のユーザー調査の結果によれば、スポーツタイヤの消費者ニーズトップ3は「ドライ/ウェットでのグリップ性能」「ハンドリング/高速安定性」「見た目の良さ」だ。パイロット スポーツ5は前述の通り、見た目の良さはクリアしている。 ドライ/ウェットでのグリップ性能と、ハンドリング/高速安定性の進化ぶりについて、パイロット スポーツ4とパイロット スポーツ5(いずれも純正サイズの225/40R18)を装着した2台のトヨタ「カローラスポーツ」をハンドリングコースとダブルレーンチェンジ区間で交互に試乗して確かめた。 先代、パイロット スポーツ4との違いは?ハンドリング路で徐々にペースを上げながら周回を重ねていくと、パイロット スポーツ5の絶対的なグリップの高さが感じられるようになってくる。パイロット スポーツ4だと、グリップが限界に達しステアリングを通じてゴリゴリとした感触が伝わり、車両が狙いよりも外へ膨らんでしまうペースでも、パイロット スポーツ5ならグリップを保って狙ったラインをトレースできた。 もちろん、さらにペースを上げればパイロット スポーツ5でもグリップの限界に達するが、それは突如やってくるのではなく、やはりゴリゴリとした感触と挙動の変化によって漸進的に伝わるので恐怖感はない。 限界付近よりもずっと手前の、気持ちよいと感じるペースでは、パイロット スポーツ5は先代よりも路面からの入力に対する反応がソフトだ。ひと言で言えば、当たりが柔らかく乗り心地がよい。この日、ハンドリング路はハーフウェットだったため、音の違いはわからなかった。 ダブルレーンチェンジでもハンドリング路で感じた傾向がそのまま現れた。絶対的なグリップ力の向上によって、1回目のステアリング操作に対し、パイロット スポーツ5はよりノーズの入りが鋭い。そして、1回目の操作で生じたヨーが完全に収まる前に逆のヨーを発生させる2回目のステアリング操作では、それによって起こる車体の揺れの収束がパイロット スポーツ4よりもわずかに早いように感じられた。 スポーツタイヤとして人気が高かったパイロット スポーツ4の進化版として、パイロット スポーツ5は体感できる全方向の性能が少しずつ、確実に進化していた。17インチから21インチまで全43サイズがラインアップされ、スポーツタイヤでありながら、タイヤラベリングにおいて「低転がり抵抗(A/a)」(43サイズ中42サイズ)を実現しているのもミシュランらしい。 サイズラインアップ17インチ:9サイズ タイヤ幅:205~285 |
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