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GR86とロードスター990Sでワインディングへ。カーブの数だけ言葉を交わすことができる

2022-6-10 11:45| post: biteme| view: 980| コメント: 0|著者: 文:山田 弘樹/写真:市 健治

摘要: いま最もリアリティのある2台 トヨタ「GR86」と、マツダ「ロードスター990S」。この2台は、いま最もリアリティのあるスポーツカーだ。それは現実的に“手が届く”というリアリティであり、“等身大で操れる”という ...

GR86とロードスター990Sでワインディングへ。カーブの数だけ言葉を交わすことができる

いま最もリアリティのある2台

トヨタ「GR86」と、マツダ「ロードスター990S」。この2台は、いま最もリアリティのあるスポーツカーだ。それは現実的に“手が届く”というリアリティであり、“等身大で操れる”というリアリティである。

マーケットもその価値には当然気付いており、両者の販売は非常に好調。GR86は昨年デビューしたばかりということもあるが、発売以来ほぼ月販1000台をコンスタントにクリア。多い月では1800台をマークしている。

ロードスターも、現行モデルのデビューから7年という歳月にもかかわらず、未だに月販1000台を売り上げており、昨年12月のマイナーチェンジでさらに拍車が掛かっているという。

というわけで今回bty編集部とともに、この2台をワインディングに連れ出しその魅力を深掘りすることにした。

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先代から大きく進化したGR86

GR86を走らせて真っ先に感じるのは、乗り味のシッカリ感だ。それはボディ剛性の高さと置き換えてもよく、ここが先代トヨタ86から大きく進化したポイントである。

ちなみにプロトタイプの試乗では、クローズドコースということもあったが、リアサスペンションのセッティングがかなりオーバーステア方向にしつけられており、その印象ばかりが強く残った。

無論、オーバーステアをも積極的に操れることはGR86のセリングポイントだとは思ったけれど、同時に雨でも降ろうものならかなり手強いだろうな、という印象を持ったのも事実。

しかし市販モデルでは、これがどっしりとした印象に変わっていた。もしかしたら、クローズドコースに行けばまたシビアな一面を見せるのかもしれないが、少なくとも荷重領域が低いワインディングを走る限りリアタイヤの接地性も安定しており、ワンランク上のスポーツカーへと成長したと感じた。ここにはCピラー部分をつなげたインナーフレーム構造のメリットが大きく出ている。

こうした動的質感の高さは、インテリアの質感とも上手にシンクロしている。必要以上のゴージャス感や、流行りのインフォテインメントによるエンタメ感は全くない。

しかし水平基調ですっきりとしたデザインのインパネがもたらす視界の良さと、センタートンネルに挟まれた適度なタイト感がスポーツカーらしさを見事に盛り上げてくれる。小径ステアリングを握って脇を締めたドラポジをがっしりとしたシートが支える、これだけで気分がアガるのだ。

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どう? 楽しいでしょ!? と語りかけてくる

相変わらず、フロントの入りは抜群にいい。兄弟車であるスバル「BRZ」は、操作性とバネ下重量の軽減を目的にナックル(タイヤやブレーキを取り付ける転舵部品)をアルミ製に置き換えたが、GR86は敢えて先代と同じ鋳鉄仕様とした効果がきちんと出ている。

ブレーキングでフロントタイヤに荷重を乗せていくと、GR86は確かな手応えでその力を受け止め、ハンドルを切ればグイグイ曲がっていく。いや、曲がりすぎると言ってもいいくらいだ。

そしてここから、GR86の世界が始まる。

「曲がりすぎるならアクセルを踏めばいいんだよ」
「そのために最初からトルセンLSDを標準装備しているんだから」
「アクセルを踏み出すポイントが早くなってしまうというのなら、もう少しだけステアを遅らせればいい」
「スロットルで水平な姿勢を保ったまま、出口が見えたら徐々にアクセルを開けていくのもアリだ」

そんな風に、GR86との対話が生まれるのだ。カーブの数だけ言葉を交わすことができるから、いつまでも走り続けていられる。

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2.4リッターとなった水平対向4気筒エンジンは、ベストな正常進化を果たしたと思う。額面だけで見れば235PS/250Nmの出力は世界のスポーツカーたちと比べて平凡だ。それこそトヨタ86がデビュー当時ライバル視していたポルシェ「ケイマン」などは、いまや「718ケイマン」へと進化して、ベーシックモデルでも300PS/380Nmの出力を得ている。

しかし、こうしたライバルと正面切って戦わなかったからこそ、GR86はオンリーワンのハンドリングを得た。ターボ化してインタークーラーを搭載すればその分重心高は上がり、後輪だけで高出力を受け止めようとすれば、リアタイヤが太くなってそのバランスが崩れる。

そういう意味で言うと718ケイマンがミドシップなのは理にかなっているが、ハイパワーなマシンが欲しければトヨタには「GRスープラ」があるのだ。

もっともターボ化をしなかった最大の理由は、環境性能とコストだろう。それでも先代トヨタ86に対してGR86は30PS/45Nmの出力向上を果たし、スポーツカーとしてはパワー感がやや物足りないという印象をきちんと払拭してくれた。

実際GR86を走らせて、遅いとは感じない。むしろパワーを使い切って走らせるには十分過ぎるほどであり、だからこそ自然吸気エンジンの扱いやすさに価値が出る。7500rpmからレッドゾーンに突入するエンジンは高回転でもサージングせず、トップエンドまできちんと回せる。トルクピークは2500rpmと低い回転で発生させているから、ショートシフトでも加速が鈍らない。

GR86を走らせていると、「どう? 楽しいでしょ!?」と無邪気に言われているような気持ちになる。開発ドライバーの思いが、そこにはポジティブに込められているような気がする。お世辞でも何でもなく、ここまで前向きに作られたスポーツカーはなかなかない。

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990kgのアイデンティティ

登場から実に33年の歳月が流れたロードスター。その楽しさは、今さら特筆する必要のないほど誰もが知るところであるけれど、新手の「990S」が登場したことで、確かにその魅力を今一度再確認するのは面白いことだと思う。

まず990Sという新グレードだが、大事なことを話しておくと、これは走りのグレードではない。名前は勇ましく、その足下にはRAYS製の鍛造アルミホイールやブレンボのキャリパーといったレーシーなパーツが付いているからより一層ややこしいのだが、その目的はロードスターが一番大切にしている“軽さ”を得るためなのだ。

ちなみにマツダの開発陣から聞いた話だと「990S」というネーミングは、あるロードスターオーナーからの“いただきもの”なのだという。そのオーナーは最もベーシックな「S」グレードに自作のカッティングシートで、「990S」というペットネームを付けていた。それは正しく「S」グレードの車重を意味しており、オーナーはここにロードスターのアイデンティティを感じていたわけだ。

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そしてこれに感銘を受けたマツダは、そのネーミングをもらい受け「990S」の名前で新グレードをラインナップした。リアスタビライザーもトルセンLSDも、フロアトンネルをつなぐ補強ブレースもないATベースのシャシーからさらに遮音材を取り除き、前述したホイールとブレーキ・キャリパーでさらにバネ下重量の軽減を図ったわけだ。

こうした軽量化を施したにもかかわらず、カタログ表記が「S」グレードの車重と変わらないのは主要諸元の表記上5kg以下の重量差は切り捨てになってしまうから。たとえば車重が994.9kgでも、990.0kgでも「990kg」という表記になってしまうのだという。

そんな僅かな差にすらこだわって軽量化を推進したマツダは、相当な軽量化オタクであり走りオタク。つまりクルマ好きである。それと同時にブレンボの対向4ピストンキャリパー+大径ローターが、純正の片押しキャリパー+ノーマルローターよりも軽いことには筆者も驚かされた。

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“幸せ感”が込み上げる

さて、そんな990Sをワインディングで走らせると、いきなり“幸せ感”がフワッと込み上げてくる。

クラッチをつないでアクセルを踏み出せばプルル……と軽く身もだえしながら発進。オーバードライブのない6MT(6速のギア比が1.000なのだ)の小刻みなギア比で加速をつないでいくと、ほどよい中速トルクが背中を押して、シフトアップの度にまるで水泳の息継ぎをするように、自分のリズムで楽しく走ることができる。

1.5リッターの排気量を持つこの直列4気筒「SKYACTIV-G」は、小排気量ターボの潮流に迎合せず自然吸気エンジンの可能性を追い求めた、マツダの執念といえるエンジン。惜しむらくはその回り方があまりにクリーミー(摺動性が高い)過ぎ、エモさに欠けることか。クルマ好きから名機と呼ばれることはないかもしれないが、走らせるほどにジワジワと、その精緻さや完成度の高さが五感に伝わってくる。

1t切りの車重に合わせた足周りは、ふんわりとしなやかだ。ベーシックな「S」グレードに比べややスプリングレートを高め、逆にリアダンパーの伸び側を緩めたセッティングは、ロードスターらしい適度な“ヒラリ感”。それでもコーナーで姿勢が落ち着いているのは、セッティングの絶妙さに加えて「KPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)」が縁の下で機能してくれているおかげか。

KPCはロードスターのジオメトリー特性を使った制御技術で、コーナリング中に後輪の内側へブレーキを僅かに掛けることで、サスペンションの伸び、すなわち車体の浮き上がりを抑えてくれる。

総じて990Sは、最もロードスターらしい走りができるグレードに仕上がっている。ただ、走りに速さを求めてしまうとそのスイートスポットからはちょっとずれてくる。ロール剛性は相対的に低く、アグレッシブな走りを求めるならターンインでのフラつき感や、ロールスピードの速さにもっとシッカリ感が欲しいと感じるドライバーはいるだろう。

しかし、冒頭でも述べた通り990Sはスポーツモデルではない。そういう走りを求めるならば、やはりビルシュタインダンパーやリアスタビライザー、LSDを備えた「RS」や、パーティーレース用の「NR-A」を選んだ方が目的としてはピュアである。

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人馬一体の到達点

では990Sがただフワフワと楽しく走るだけのロードスターなのかといえば、そうじゃない。言ってみればこれは、人馬一体の究極の形なんだと筆者は思う。

990Sは走らせるほどに、巧く走るのが難しいクルマだと感じる。フロントサスペンションのバウンスをきちんとブレーキで落ち着かせ、美しくコーナーに入っていきたいのに、ロールがピターッと収まらないと、「おまえヘタだなぁ」とロードスターに言われているような気持ちになる。

でもそれが全く苦痛じゃなくて、むしろ楽しい。「へへへ、すんませんね」なんて呟きながら、次のコーナーで「もういっちょ!」となる。やっぱりGR86同様に、いつまでも走り続けていたくなるのだ。

そして、こうした走りの追求が普通にワインディングを走っているだけでもできるのは、990Sが軽さを求めたからだ。ナビや遮音材といった快適装備を省いたことで、価格が289万3000円に抑えられたのもいい(NR-Aは277万7500円と、もっと安いのだけれど!)。

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そろそろ行動に移すべき時なのだ

GR86はトヨタ86から“もっともっと前に進もう!”と、アグレッシブにスポーツカーとしての進化を求めた。対してロードスター990Sは、“ロードスターらしさとは何か?”という問いを突き詰めたスポーツカーなのだと思う。

簡単に言ってしまえば、GR86はいま走りたくてしかたがない、若くてフレッシュなオーナーに向いている。もちろん気持ちが若い、元気なベテランドライバーにも乗って欲しい(笑)。対してロードスター990Sは、ビギナーからベテランまで楽しませてくれる懐の深さが魅力だ。だからちょうどお互いが、うまくユーザー層を棲み分けているのではないかと思う。

ともあれ、2025年当たりからさらに厳しさが増す環境性能問題に対し、この2台がそれを乗り切れるかはひとつの分岐点となるだろう。仮にロードスターがモーターとバッテリーを積んだら、あと100kgの重量増は免れないという。即ちモデルチェンジである。

煽るつもりは全くないが、内燃機関搭載のピュアスポーツカーが欲しいなら、そろそろ行動に移すべき時なのだ。その背中を押して欲しいというのなら、私はいくらでも押してあげたい。

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