既に完売の特別なタイプRリミテッドエディション2020年11月中旬、三重県の鈴鹿サーキットにて、ホンダ「シビック タイプR リミテッドエディション」に編集が試乗しましたので、レポートします。 「シビック タイプR」は1997年のEK9型が初代モデルでデビュー、2017年に5代目となったFK8型が現在のモデルです。今回、2020年モデルとしてシビック タイプRの改良刷新と、既に限定の200台が完売してしまっているリミテッドエディションのモデル追加が行われました。ドライバーが自信をもって操れる操縦感覚と、どこまでも走り続けていたいと思えるタイプRを目指した、と開発責任者の柿沼氏は話しています。 今回のマイナーチェンジはサーキット性能の進化に注力されていますが、エンジン特性に変更はありません。まずエンジン冷却ではフロントグリルの開口部を13%拡大。これによりダウンフォースが減少したため、バンパー下部のエアスポイラー形状を変更することにより、フロントのリフト係数は従来と同等レベルに保たれています。また、ラジエターのフィンピッチが3mmから2.5mmへ変更、放熱性が向上しています。ブレーキはディスクの熱倒れ抑制によるサーキットの連続周回時のペダルストローク変化や踏力変化を抑えるため、新たに2ピースフローティングディスクが採用され、バネ下重量が2.5kg軽量化されています。サスペンションは、フロントの前後剛性が10%、リアの横剛性を8%強化。電子制御可変ダンパーは制御ロジックがタイプR専用に新規開発され、ブレーキングからターンイン、定常円旋回、ターンアウト、直線加速時のそれぞれのシーンでのトラクション最大化のため、4本のダンパーが独立して制御されます。 インテリアは、操作性向上を目指し、アルカンターラステアリングとカウンター入りのティアドロップシフトノブが新たに開発されました。ホンダセンシングも標準装備。サーキット帰りの安心安全な移動に貢献します。 さらに、リミテッドエディションでは、ダッシュボードアウター、ルーフライニング、リアインサイドパネルの防音材などにより-13kg、専用BBS鍛造ホイールで-10kg、計23kg軽量化されています。タイヤはミシュランのパイロットスポーツカップ2を採用。エクステリアはブラックアウトされたルーフ、ドアミラー、ボンネットのインテーク、シフトレバー脇のシリアルナンバー入りエンブレム、を装備。サンライトイエロー2は専用のボディカラーです。 ライバルメガーヌとの世界最速FFの行方は鈴鹿サーキットのピットレーンには3台のサンライトイエロー2のリミテッドエディションが準備されていました。試乗はアウトラップインラップ合わせて4ラップ、うちアタックラップが2ラップで、2セットを走行するスケジュールです。 2017モデルのサーキット試乗時の感覚を思い出しながら速度リミッターがカットされた2020リミテッドエディションでコースインします。1セット目はVSA(ビークルスタビリティアシスト)をONで1アタック、OFFで1アタックを行いました。2017モデルでは組まれていなかったブレーキング後のターンインとターンアウトの制御ロジックが追加されたザックス製可変ダンパーと軽量化されたボディ、BBS鍛造ホイールの組み合わせは、ダンロップコーナー後半のアンジュレーションも安心してアクセルを踏んでいけます。2セット目ではVSCを全カット(スイッチ長押し)でコースインしてみました。気付くと各コーナーでタイム短縮に繋がらないスライド量が増えていたようで、130Rでリアを大きくスライドさせてしまったので、VSCオフの状態に戻して残りのアタックを行いました。2ピース化されたブレーキはアタック後半でも踏力変化が少なく、安心してコーナーに突っ込めます。2017モデルよりアンダーステア、オーバーステアの姿勢コントロールがしやすく、ボトムスピードを高く保ちながら狙ったラインにのせやすいイメージでした。 ホンダはシビックタイプR リミテッドエディションの鈴鹿サーキットでのベストラップを2分23秒993、ルノーは「メガーヌ R.S.トロフィーR」のベストラップを2分25秒454と発表しています。現在のコロナ禍では、ホンダのニュルブルクリンクでのタイムアタックは難しいようですが、今後の両車の世界最速FFラップタイムに注目です。 スペック例スペック例 |
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