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新型ゴルフはコネクト性能でライバルを圧倒。トヨタの技術者は3~5年遅れを取ったと危機感を強めた ...

2019-12-13 07:00| post: biteme| view: 975| コメント: 0|著者: 文:岡崎 五朗/写真:フォルクスワーゲンAG

摘要: 常にライバルをリードしてきたゴルフにも不安はある 74年の初代デビュー以来、いつの時代も「ゴルフ」はベーシックカーのメートル原器だった。新型ゴルフが登場すると他の自動車メーカーは真っ先にゴルフを購入し、 ...

新型ゴルフはコネクト性能でライバルを圧倒。トヨタの技術者は3~5年遅れを取ったと危機感を強めた

常にライバルをリードしてきたゴルフにも不安はある

74年の初代デビュー以来、いつの時代も「ゴルフ」はベーシックカーのメートル原器だった。新型ゴルフが登場すると他の自動車メーカーは真っ先にゴルフを購入し、走らせ、バラバラにして調べる。その結果、数年後にはゴルフにほぼ追いつくものが出来上がるのだが、新型ゴルフが登場すると再び遠く引き離される。45年間、その連続。そんなアドバンテージはマーケットにも歓迎され、これまで3500万台以上のゴルフが世に送り出されてきた。

ここで、大衆車ではなくあえてベーシックカーという言葉を使う理由に言及しておきたい。僕は大衆車という言葉が嫌いだ。大衆車という言葉には「我慢」とか「庶民はこんなもんで十分だろ」というニュアンスが含まれていて、それに違和感を覚えるからだ。その代表例が先代までのカローラ。新型では見違えるような進化を果たしたけれど、先代はまさに大衆車を地で行く存在だった。

その点、ゴルフは常に「何も足すところがないが、何も引くところもない」というベーシックカーのあるべき姿を追求し続けてきた。モデルチェンジを重ねるにつれ大型化し、装備を充実させ、質感も走りも引き上げてきた背景には「先進国に暮らす人々がいま求める、あるいはいま享受すべきクルマ像とはこういうものだ」というフォルクスワーゲンの確固たる信念があった。大衆車とベーシックカーは、その思想面において別モノである。

さてベーシックカーのメートル原器となることを宿命づけられたゴルフだが、実は8代目となる新型ゴルフ(以下「ゴルフ8」)にはデビュー前から一抹の不安を感じていた。ご存じのように、欧州と中国を中心に電動化の動きが活発になっている。とりわけフォルクスワーゲンはドイツメーカーのなかでもっとも積極的にEVを開発し、売っていこうとしている企業だ。同社の公式発表を読み、経営トップの発言を聞くたびに、おいおい、本当に大丈夫なのか? それってEVと中国と心中しかねない大博打だぞ? と思わずにいられない。

実際、2019年のフランクフルトモーターショーでゴルフのお披露目はなく、代わりにゴルフサイズのEVである「ID.3」が華々しく発表された。しかもその場でフォルクスワーゲンの幹部から「ゴルフとの競合? エンジン車が好きな人はゴルフに乗ればいい」と、超主力車種であるゴルフを軽視するかのような発言が飛び出したのだから穏やかじゃない。ただでさえディーゼルゲート関連の損失がいまだ重くのしかかっているというのに、EVに前のめりな経営陣は電動化への数兆円規模の巨額投資をすることを決定している。となれば既存車種の開発コストは削られ、それがゴルフ8にマイナスの影響を及ぼす可能性は否定できない、というのが僕の見立てだった。

果たしてゴルフ8は電動化という大きな流れのなか、どんな仕上がりを見せてくれたのか。ポルトガルで開催された試乗会のレポートをお届けしよう。

外観はキープコンセプト。ボディサイズもほぼ変わらず

ゴルフ8は、ある一点を除けばあらゆる意味でキープコンセプトだ。その「一点」については後述する。まずは外観から見ていこう。ゴルフ8について書いた僕のFacebook投稿には「ゴルフらしくない」というコメントが多数寄せられた。しかし「ゴルフ以外の何物にも見えない」というのが実車を見ての感想だ。

初代から続く太いCピラーは健在だし、フォルムもスクエア基調。エモーショナル価値を重視した「マツダ3」とは対照的な、このセグメントの王道を行くスタイルだ。薄型化したマトリクスヘッドライトやインバース(凹)を大胆に取り入れたフェンダーからショルダーの面処理が7年分の進化を表現しているものの、ひと目見ただけでゴルフとわかるばかりか、逆に「ゴルフ7」と間違えてしまうほど。むしろもうちょっと変わってもよかったと思ったぐらいだ。

全長×全幅×全高は4284×1789×1456mm(本国仕様)。日本で販売されているゴルフ7は4265×1800×1480mmだから、全長が長くなり、全幅は同じで、全高が低くなったように思える。しかし本国のスペックを調べるとゴルフ7のサイズは4268×1799×1443mm。おそらく日本仕様の全高はシャークフィンアンテナの分がカウントされ1480mmという数字になっているのだろう。

つまり実質的な全高は8のほうが少しだけ高くなっている。まあ、わずかな違いはそれほど大きな問題じゃない。ここで重要なのは、ユーザー平均身長の増大を理由にボディサイズを拡大してきた流れがここに来てついに止まった点にある。むろん、日本のユーザーにとっては喜ばしいことだ。ちなみにホイールベースもゴルフ7と同じ2636mmで、室内と荷室はゴルフ7並みを確保。大人4人が快適に長距離移動できるスペックである。

熟成が進むMQBプラットフォームと新パワーユニット

ホイールベースに変更がないことからも想像できるが、ゴルフ8はゴルフ7と同じく「MQB」と呼ばれるプラットフォームを採用している。2018年のMQB生産台数はフォルクスワーゲングループの約半分にあたる510万台。急速に商品力を増しつつ過去最高益を叩きだしてきたトヨタのTNGAを引き合いに出すまでもなく、いいモノを安くつくるうえでスケールメリットは計り知れないほど大きい。ゴルフ8もこのMQBを使うことで、言い換えればゴルフ7と同じプラットフォームを使うことで、いいモノを安く、を追求してきた。

とはいえ、当然ながらゴルフ7の中身に新しいボディを被せたのがゴルフ8ではない。プラットフォームには7年分の知見が加えられ、エンジンも新しくなっている。ストラット式フロントサスペンションはラバーブッシュ類の配置や特性変更に加え、オプションのDCC(電子制御式可変ダンパー)を備えたモデルではサブフレームの一部をスチールからアルミに変更し軽量化と振動特性を改善。リアのマルチリンク式サスペンションにも熟成が加えられている。

なお、今回試乗はできなかったが、エンジン出力が低いモデルが搭載するトーションビーム式リアサスペンションは設計し直され、軽量化対策や快適性向上を目的とした液体封入ブッシュが採用された。また、DCCは減衰力調整の最適化と調整幅を拡大している。

パワートレーンはゴルフ初の3気筒ガソリンターボから強力なモーターを搭載したプラグインハイブリッドまで計8種類、出力的には90ps~300psと幅広く用意する。日本仕様がどのエンジンを積んでくるかは未定だが、今回試乗したのは1.5Lガソリン直噴ターボに48ボルト駆動するスタータージェネレーターを組み合わせたマイルドハイブリッド「eTSI(150ps)」と、ほぼほぼ新設計した2Lターボディーゼル「TDI(150ps)」の2種。どちらも4気筒で、注目の3気筒やプラグインハイブリッド、シンプルなTSIは用意されていなかった。

最新ライバルをリードする走りだが、もはや圧倒的な差はなし

まずはeTSIに乗る。注目の48ボルト電源システムを使ったマイルドハイブリッドは、燃費の約10%低減(詳細は未発表)が最大のメリット。モーターによる動力性能の上積みもあるにはあるが、なにせ「800-1500rpmで、最長10秒間、最大トルク50Nmのモーターアシスト」というごくごく限られたものなので、アクセルを踏み込んでも「おっ!」という驚きはないし、モーターのみで走行するモードもない。神経を研ぎ澄ましてようやく、低速域でアクセルを軽くスッと踏み込んだときの"ツキ"がわずかにいいかな、と感じる程度である。むしろ体感しやすいのは、アイドリングストップからのスムースな再始動や、巡行中にアクセルオフした際の積極的なエンジン停止、そこからのスムースかつ瞬時の再始動となる。

もちろん、厳しい二酸化炭素排出規制と対峙している欧州メーカーにとって10%の燃費低減は喉から手が出るほど欲しいものだ。しかし、フルハイブリッドの強烈な低燃費に馴染んだ日本人としては正直インパクトに欠ける。まあ、このあたりはマイルドハイブリッド代がいかほどになるかが明らかになってから(今回の試乗会時点では未公表)の判断となるだろう。仮に素のTSIとの価格差が10万円以上あり、なおかつエコカー減税額が変わらないとすれば、日本には素のTSIを入れたほうがいいかもしれない。

新しい2LTDIは、欧州の厳しい規制をクリアすべく尿素を2段構えで噴くなど入念な排ガス対策を施している。先日日本で試乗したゴルフ7のTDIと比べると静粛性が高まり、中高回転域のパワー感もわずかに高まったなという印象。日本ではあまり体感できないが、空力性能向上のおかげで高速域での車速の伸びはなかなかのものだった。

eTSI、TDIともに言えるのは、参りましたというほどのインパクトはないものの、7速DSGとのマッチングを含め、気持ちよさと扱いやすさと静粛性と燃費と動力性能を上手にバランスさせたエンジンだということ。インパクト狙いの人は、この先登場するであろうGTIやPHEVのGTEといった役付きゴルフに注目するといいだろう。

プラットフォームをキャリーオーバーしたとはいえ、走りだすと進化の成果はちゃんと感じられる。なかでもロードノイズの抑え込みと、良路悪路を問わずしなやかでスッキリした乗り心地には確実に磨きがかかっている(ただしオプションの18インチタイヤ装着車は上下の揺すられ感が大きかった)。高速道路でのどっしりしたステアリングの据わりやコーナーでの素直なライントレース性もそう。言ってみれば、ゴルフ7の長所をさらに伸ばしたような乗り味である。先進安全装備もさらに進化した。

とはいえ、正直なところゴルフ7のオーナーに「これは大急ぎで乗り換えなければ!」と思わせるほどの大進化ではないのも事実。「カローラスポーツ」や「マツダ3」、「プジョー 308」など、ゴルフ7に並んだ最新ライバルたちを再び僅差でリードはしたものの、ゴルフ7登場時のような圧倒的な差を痛感させられることはなかった。

ライバルを圧倒したのはコネクティビティの機能

ここまで読んできて、ちょっと退屈だったかもしれない。しかし冒頭で「ある一点を除き」と書いたように、ゴルフ8の真骨頂は別のところにある。それが最新のデジタルコックピットだ。全グレードともメーターは10インチの液晶になり、センターコンソールにはこれも標準で1083×480ピクセルの8.25インチタッチスクリーンが備わる。加えて、お約束だったダイヤル式ライトスイッチはついにタッチパネル化され、オーディオのボリウムやオートエアコンの温度設定までもがスクリーン下のタッチ式スライドスイッチでコントロールする方式になった。

バイワイヤ化されたDSGのセレクターと相まってコックピット周りはかつてないほどスッキリしたが、一方でブラインド操作、とまではいかずともチラ見での操作は難しくなった印象も受けた。それを補うのが「Alexa」を利用した音声認識だというのがフォルクスワーゲンの言い分。たしかに音楽や各種情報サービスへのアクセス&操作、カスタマイズ項目が増えた車両設定などなど、ますます複雑化する機能を運転中に扱うにはこの方法しかない。

ということは頭では理解できるのだが、「Aクラス」や「3シリーズ」がそうだったように、こうした変化はユーザーにガラケーからスマホへの移行と同じぐらいの慣れを要求する。ことに老若男女を対象としたゴルフのようなクルマを一気にデジタル化するとなれば、一部のユーザーから大きな反発を食らう覚悟が求められる。実際、新型カローラは2DINを廃止しディスプレイオーディオにしたが、既存ユーザーのデジタルリテラシーを案じてあれほど単純なロジックにしたにもかかわらず、CDが聴けないとか、使いにくいという声が多数寄せられているという。おそらく日本以外だって同じようなことになるだろう。それでもフォルクスワーゲンは批判を怖れず覚悟を決めて前に進んできた。僕はここに、ゴルフ8の、またフォルクスワーゲンの攻めの姿勢を感じずにはいられない。

実際、ゴルフ8が実装してきた多彩なデジタルサービスは、ID.3をはじめとする今後のフォスクスワーゲン車に水平展開され、欧州最大のユーザー母体を背景とした一大車載ネットワークを形成していく。スマホで解錠すれば、どのフォルクスワーゲンに乗ってもあらかじめアプリに登録しておいた好みのシートポジションが自動的に設定されたり、駐車しているクルマのトランクに宅配サービス業者が荷物を配送してくれたり。その他、ここでは書き切れないほどの新機能、新サービスが紹介された。フォルクスワーゲン グループ ジャパンがどこまで本国と同じサービスを展開できるのかとなると難しいかもしれないが、フォルクスワーゲンはそういうことをゴルフ8で実際に始めようとしている。言い換えれば、そういうサービスを始めるためには、ゴルフという保守的だが沢山売れるクルマのインフォテインメントシステムを大改革せざるを得なかったということだ。

ユーザーが果たしてゴルフのこうした大改革を受け容れるのか受け容れないのか、僕にはちょっと予想がつかない。けれど、中長期的に見れば、クルマがこの方向に向かい、また自動車メーカーのビジネスを大きく左右するようになるのは間違いない。ゴルフ8を見て、あるトヨタのエンジニアは危機感を強めている。「われわれはインフォテインメントシステムの領域で3~5年遅れをとってしまった」と。走り、曲がり、止まるという旧来型のハードウェア領域に関してもはや圧倒的リードという表現は使えないが、「走り、曲がり、止まり、繋がる」という今後の自動車のキーファクターのうち、繋がる=コネクティビティに関しては間違いなくライバルを圧倒したのがゴルフ8である。

最後に、現地で聞いたゴルフ8開発担当者の言葉をお伝えしておこう。「EVがメインに? まあ環境問題が盛り上がっているいまのヨーロッパはトップもそういうことを言わざるを得ないんでしょう。ですが内燃機関はあと25年は使われるし、ゴルフがフォルクスワーゲンの主力車種だという社内認識に一切変化はありません」。

ゴルフ8、日本導入は来年末頃の予定だ。

スペック

【 1.5 eTSI 】
全長×全幅×全高=4284×1789×1456mm
ホイールベース=2636mm
駆動方式=FF
エンジン=1.5L 直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボ+48Vマイルドハイブリッド
最高出力=110kW(150ps)/5000-6000rpm
最大トルク=250Nm/1500-3500rpm
トランスミッション=7速DCT(デュアルクラッチ式)
使用燃料=プレミアム
0-100km/h加速=8.5秒
最高速度=224km/h
サスペンション=前:マクファーソンストラット式
        後:マルチリンク式

【 2.0 TDI】
駆動方式=FF
エンジン=2.0L 直列4気筒DOHCディーゼルターボ
最高出力=110kW(150ps)/3500-4000rpm
最大トルク=360Nm/1750-3500rpm
トランスミッション=7速DCT(デュアルクラッチ式)
使用燃料=軽油
0-100km/h加速=8.8秒
最高速度=223km/h
サスペンション=前:マクファーソンストラット式
        後:マルチリンク式
※欧州参考値


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