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新型フィット試乗。プラットフォームを刷新しなくとも好印象の仕上がり

2019-12-13 11:30| post: biteme| view: 745| コメント: 0|著者: 文:塩見 智/写真:本田技研工業株式会社

摘要: エクステリアデザインのモチーフは柴犬 2001年にデビューして以来、グローバルで750万台以上、日本国内で約268万台を販売したホンダのベストセラーコンパクトカーの「フィット」がいよいよモデルチェンジする。この ...

新型フィット試乗。プラットフォームを刷新しなくとも好印象の仕上がり

エクステリアデザインのモチーフは柴犬

2001年にデビューして以来、グローバルで750万台以上、日本国内で約268万台を販売したホンダのベストセラーコンパクトカーの「フィット」がいよいよモデルチェンジする。この秋に開催された東京モーターショーですでにその姿と仕様は明らかになった。

本来は年内に発売予定だったが、2020年2月へと延期。電動パーキングブレーキシステムの不具合が見つかって生産が止まっている軽自動車のN-WGNと同じ部品を使うことになっていたからだ。ファンと販売現場にとっては辛い待ち時間が発生したが、発売されてしまえば大ヒットするはずだ。それぐらい素晴らしい第一印象を得た。

新型は従来型同様、すべて5ドアハッチバックで、サイズは従来型とほぼ変わらない。パワートレーンは2種類。1.5リッターエンジンと組み合わせられるハイブリッド仕様と、1.3リッターエンジン+CVTのノンハイブリッド仕様がある。幅広いグレードでFWDと4WDを選べる。

筋肉質で男性的なスタイリングだった従来型とは一変し、新型はフェミニンとまでは言わないが、優しい顔つきとフォルムになった。不評だった従来型のボディサイドの稲妻みたいなキャラクターラインはなくなった。デザイナーの白鍾國(ペク・ジョングク)さんによれば「ギュンギュン系からの脱却」だそうだ。エクステリアデザインのモチーフは柴犬。顔つきはハコフグのようでもある。

2モーターハイブリッドはひとクラス上の加速感

プラットフォームは刷新ではなく従来型の改良版。何はともあれテストコースでハイブリッドから試乗する。走らせ始めた瞬間に期待が広がった。Dレンジに入れてブレーキペダルから足を離すと、スルスルと電動車ならではのスムーズなクリープが始まる。

アクセルペダルをゆっくりと踏み増すと、振動は発生しないまま、そして静かなままに速度が上がっていく。しばらくするとエンジンがかかって音と振動が控えめに発生するが、加速自体はシームレスに続く。そのまま望む速度までスムーズに加速することができた。

アクセルペダルのオンオフによる加減速がドライバーの意思に忠実で、心地よい。絶対的な加速力は1.5リッタークラスのコンパクトカーの標準か、やや力強いくらいだが、パワーの出方、収まり方が上質なので、それだけでひとクラス上のクルマに乗っているように感じる。

クラスレスな感じといったほうが適切か。「オデッセイ」、「ステップワゴン」、「インサイト」など、上位車種に展開してきた2モーターハイブリッド「i-MMD」をフィットにも採用したおかげでこの上質な加減速が備わった。

ホンダは2030年ビジョンにのっとって、自らの電動化技術を「ホンダe:テクノロジー」と名付け、従来i-MMDと呼んできたこの2モーターハイブリッドを今後「e:HEV」と呼ぶことにした。まだ浸透していないのでわかりにくいが、つまりホンダe:テクノロジーの象徴的な存在が、同じく東京モーターショーで発表され、20年のどこかで発売されるEVの「ホンダe」ということなのだろう。

価格は高くなるがハイブリッドをおすすめする

フィットに話を戻すと、i-MMDあらためe:HEVは、エンジンで駆動したほうが効率が高い高速巡航時を除く駆動の大部分をモーター駆動とし、エンジンは発電に徹する。加速中に変速をしないため、スルスルとなめらかに、かつ発進直後から力強く加速することができる。素早く望む速度に達するため、ドライバーはストレスを感じにくい。

EVと違って電力を車内に貯蔵していないため、かかる負荷に応じてエンジンで発電する必要があり、走行中にエンジン音は発生する。インサイトはじめ上位車種の場合、遮音のためのコストをかけられるほか、遮音材を配置するスペースにも余裕があるため、エンジン音はほとんど気にならないが、フィットの場合、コスト面でもスペース面でも制限があり、高い負荷をかけると上位車種よりもエンジン音が気になった。

エンジン音そのものの音質は特別悪くもないが良くもないので、遮音されているに越したことはない。けれども、挙動そのものがスムーズなのと、音と振動も従来のフィットハイブリッドに比べれば大幅に低減されているため、過去最高のフィットであることは間違いない。

ノンハイブリッドの1.3リッターにも乗ったが、少なくともパワートレーンに見るべき部分はなかった。高くてもハイブリッドをオススメする。高かった分は燃料代でいくらか回収でき、残りは下取りの高さでまかなえるはずだ。

新型の見どころは居住空間の過ごしやすさ

ただ新型フィットを走らせる心地よさの最大の理由は動力性能の進化ではなく、過ごしやすさ、具体的には視界のよさと乗り心地のよさだと思う。運転席に座ると、他のコンパクトカーよりも明らかにパノラミックな視界を得られる。ワイドスクリーンの劇場にいるかのよう。

Aピラーを前後に2分割したことで、手前側の太いピラーがぐっと乗員側に迫ってきており、その分視界が開けている。前方のピラーは見えるものの細いので存在感がない。加えてダッシュボードを可能な限り低く下げ、さらにステアリングホイール奥のメーターバイザーをなくすなど水平なデザインとしたため、視界のすっきり感が増した。

仕上げにワイパーも乗員から見えない位置に隠した。大げさに言うと新しい乗り物に乗っているかのような印象があり、この視界だけですぐに新型フィットが気に入った。同じAピラー2分割の手法を用いた先代のシトロエンC4ピカソを思い出す。

視界の下に広がるインパネデザインも素晴らしい。2本スポークのステアリングホイールはホンダの過去のベーシックカーを思い出させる。全体としてシンプルなのだが、あるべき位置に各スイッチを配置し、使い勝手を左右する小物入れやドリンクホルダーも省略していない。アートじゃなくちゃんとプロダクトデザインになっている。

リアシートからの視界までよいのはなぜかと不思議に思ってエンジニアに尋ねると、フロントシートのショルダー部分のうち、身体を支えるのに不要な部分を大胆に削ぎ落とした結果だという。ホンダらしさというのは見る人の数だけあってよいのだが、個人的にはニュルで速いナントカタイプRよりもこういう工夫こそが本来のホンダらしさだと思う。

来年2月発売でヤリスとガチンコ勝負

乗り心地はよかった。いろいろ端折って表現するなら、低速でも高速でもソフトな印象。ひとつは足まわり、もうひとつはシートにその理由があるようだ。フロントサス、ボールジョイント、スタビリンクなど、足まわりの徹底的な低フリクション化によって、スムーズな足の動きを得た。

シートについては背もたれの内部の構造を、一般的なSバネ構造(よく見る波打った針金が何列も縦に並んでいるタイプ)から、MAT構造(縦横に構造材が配置され、より全体で体重を受け止めるタイプ)へと変更した。確かに腰から背中にかけてまんべんなく圧がかかっているようで、座り心地がよい。

新型には「BASIC(ベーシック)」「HOME(ホーム)」「NESS(ネス)」「LUXE(リュクス)」「CROSSTAR(クロスター)」という5つのパッケージが用意される。ホームは明るい色のオシャレ家具に囲まれたような内装、リュクスはレザー仕立て、クロスターは流行りのクロスオーバーといった具合に、それぞれネーミングから想起されるような内外装の仕立てになっている。

ネスだけイメージがわかなかったのだが、語源というか由来は「フィット+ネス」だそうで(ダジャレかよ!)、ワンダーコアみたいにシートでギッコンバッタン腹筋を鍛えられるのかなと思ったが、そうではなくあくまでスポーティーなイメージに仕立てたそうだ。結局、奇をてらっていないベーシックかホームを気に入る人が多いのではないだろうか。

新型がプラットフォームを刷新せず従来型を流用したと聞き、あまり期待すべきではないのかなと思っていたが、1時間程度の試乗ではあるが印象はよかった。自動車メディアはプラットフォームを刷新してこそ真のフルモデルチェンジといった見方をしがちで、自分の中にもそういう考えがないとは言えないが、必ずしもそうではないということを9月末に乗ったこの新型フィットと、12月頭に乗ったフォルクスワーゲンの新型「ゴルフ」で知らされ、反省した。

新型フィットは発売がずれ込んだことで、奇しくも最大のライバルであるトヨタ「ヤリス」(同じく20年2月発売)とガチンコ勝負を繰り広げることになった。同年後半には日産「ノート」がモデルチェンジするという噂もある。オリンピックイヤーは国産ハイブリッドコンパクトカーによる熱い販売争いでも記憶される年になるかもしれない。


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