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マツダ3、スカイアクティブXの価値は数値的なものより唯一無二のフィーリング

2019-12-17 07:00| post: biteme| view: 740| コメント: 0|著者: 文:島下 泰久/写真:菊池 貴之

摘要: 価格差を考えれば性能差は小さいという見方も 待望のスカイアクティブXが、ようやくユーザーの元に届く。当初予定の10月発売からスケジュールが遅れたのは、ハイオクガソリン対応のためだという。エンジン自体はレギ ...

マツダ3、スカイアクティブXの価値は数値的なものより唯一無二のフィーリング

価格差を考えれば性能差は小さいという見方も

待望のスカイアクティブXが、ようやくユーザーの元に届く。当初予定の10月発売からスケジュールが遅れたのは、ハイオクガソリン対応のためだという。エンジン自体はレギュラーガソリンで動くのだが、ハイオクを入れた際に入れた分のメリットが出るように再調整したのである。

率直に言ってスカイアクティブX、パワーやトルクの数値は驚くほどのものではない。それだけに、ユーザーにせめて気持ちよさを感じてもらおうと考えてのことかなと筆者は見ている。スカイアクティブXの最高出力は180ps、最大トルクは224Nm。WLTCモードでの燃費は2WDのATで17.2km/Lとなる。

参考までにガソリン2.0Lの20Sは、最高出力156ps、最大トルク199Nmで、燃費は同じ2WDのATで15.6km/Lである。もちろん悪くはないのだが、70万円弱にもなる価格差を考えれば、差は小さいという見方もできる。では一体、スカイアクティブXでは何が得られるのか。

それを知るためには、まずスカイアクティブXとは一体どんなエンジンなのかを改めて確かめておこう。その技術の根幹にあるSPCCI(火花点火制御圧縮着火)が、そもそも狙ったのはリーンバーン化である。

着火制御の課題をスパークプラグの火花を使って解決

リーンバーンとは燃料に対する空気の割合を多くして燃焼させること。燃料が少なければ当然効率が良いし、吸気の際のポンプロスも小さい。燃焼温度が下がるからNOxも減るといった多くのメリットがあるが、通常のエンジンの理論混合比である14.7:1に対して、倍以上の空気量を持つ混合気はスパークプラグでは点火するのが難しい。燃料が薄いのだから当たり前だ。

そこで目指したのが圧縮着火。ディーゼルエンジンのように、あるいはガソリンエンジンのノッキングのように、混合気を圧縮させて自然に着火させることだ。それが究極の内燃エンジンと言われるHCCI(予混合圧縮自着火)なのだが、問題はうまく望んだタイミングで着火させる制御がきわめて難しいこと。望んだタイミングでだけノッキングを起こすのが困難なのと同じことで、幾多のメーカーが研究してきたHCCIがこれまで実用化されなかったのは、これが理由と言っていい。

スカイアクティブXは、その課題をスパークプラグの火花を使って解決することにした。とは言ってもその火花は混合気を着火させるわけではなく、プラグ先端の周囲に火炎球を作り、これを膨張させる。するとその膨張圧力でまわりの薄い混合気が圧縮され、自着火を起こすというわけだ。着火のコントロールをプラグによる点火タイミングで操れれば、非常に自由度が高まる。圧縮着火の範囲も大きく広がり、効率性を高められるのだ。

スカイアクティブXは直列4気筒2.0Lの直噴ガソリンエンジンに、ルーツ式のスーパーチャージャーを組み合わせているが、これは空気を大量に筒内に送り込むために使われている。更にマツダがM-ハイブリッドと呼ぶ24V電装系を使ったマイルドハイブリッドも搭載。それなりの価格となっているのは、こうした補機類の多さにも依るのだろう。

回転上昇に伴う伸び感、追従する乾いたサウンドも心地よい

さて、ようやく試乗である。この日はAT、そしてMTの両方を試すことができた。まず乗り込んだのはAT仕様だ。

スタートボタンを押すとエンジンは苦もなく目覚め、独特の乾いたサウンドを発しながら安定したアイドリングを刻む。15.0:1という高い圧縮比のわりに静かなのは、エンジンをカプセル化しているから。これは騒音の抑制だけでなく、保温にも繋がっている。エンジンを停止したあともしばらく暖気が残っているから、数時間経った後でも、すぐに理想的な運転状態に入れるのである。

クルマを発進させると、まずはアクセル操作に対するトルクの立ち上がり、ツキがとても良いのを実感する。右足の動きに対してスッと力が得られタイムラグ無しにクルマが前に進む感じ、とでも言えばいいだろうか。

その先の加速も、やはり踏み込みに対してリニアに力が出てきて、なめらかに速度が上がっていく。敢えて比較するならば、2.0Lガソリンのように平板ではなく、もっとレスポンスが良いし、1.8Lディーゼルの過給による後押しとは違って、もっと自然。回転上昇に伴う伸び感、それに追従する乾いたサウンドも心地よい。

続いてMTに乗り換える。カチッとしたタッチのシフトレバーを1速に入れてクラッチを繋ぐと、発進はきわめてスムーズ。低回転域からトルクが速やかに立ち上がり、その先のレスポンスもダイレクトで、意のままになる感覚は更に強い。

伸びやかなサウンドを耳にしながら更に踏み込んでいくと、トップエンドは6500rpmまでしっかり回る。また、加速時だけでなくアクセルオフした時の反応も良くリズミカルに走れるから、自然とペースが上がってしまう。

この走りには、エンジン単体の実力に加えて実はM-ハイブリッドも貢献している。バッテリー容量は1kWhにも満たず、電気モーターのアウトプットも6.5ps、61Nmでしかないから「本当に電気モーター付いてるの?」というくらい存在感は薄いが、実際は発進時にはエンジン回転数を素早く持ち上げ、シフトアップの際には発電制御によって逆に回転数を素早く下げ、更に変速の前後の躍度を整えるなど、きめ細やかな制御で気持ち良い走りを下支えしているのだ。

一番の価値は数値的なものではなくフィーリングにこそある

自分の語彙の足りなさを実感してしまうが、なんとも不思議な感触のパワートレインである。最初に書いた通り、パワーもトルクも驚くほどではないのだが、レスポンスが良いというか、意のままになる感覚が他にあまり経験したことがないほど強い。踏んでも、離しても、アクセル操作に対して常にジャストの反応が返ってくる。この感覚を言葉にするならば………やはり「人馬一体」を置いて他にはないだろう。

マツダはまさにその言葉を旗印にクルマづくりを進めてきて、特にシャシーに関しては、このマツダ3で、そういう領域に到達したと感じている。それに対してガソリンもディーゼルも、既存のエンジンはやや物足りないというか、フットワークの進化に追いついていないと評価していたのが、このスカイアクティブXとの組み合わせは、まさに欠けていた最後のピースがハマッたかのように感じられた。パワーもトルクも有り余るわけでも足りないわけでもない。レスポンスもまさに自然。右足ひとつで速度だったり姿勢の制御だったりを意のままにできる。

スペックは驚くほどのものではないと書いたが、スカイアクティブXの一番の価値は、そうした数値的なものではなく、このフィーリングにこそある。もちろん、もっとリーズナブルであるに越したことはないのだが、この他の何にも代え難い走りの価値はプライスレス。自分でマツダ3に乗るなら迷わず選ぶだろうし、数値的なコストバリューではなく、そういう価値を認めるユーザーが増えてくれたらとも、思わずには居られないのである。

スペック

【 マツダ3 ファストバック X Lパッケージ 】
全長×全幅×全高=4460mm×1795mm×1440mm
ホイールベース=2725mm
駆動方式=FF
車両重量=1440kg
エンジン=2.0L直列4気筒DOHC直噴+スーパーチャージャー
最高出力=132kW(180ps)/6000rpm
最大トルク=224Nm(22.8kg-m)/3000rpm
トランスミッション=6速AT
WLTCモード燃費=17.2km/L
使用燃料=プレミアムガソリン
サスペンション=前:マクファーソンストラット式
        後:トーションビーム式
タイヤサイズ=前後:215/45R18
価格=338万463円


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