ハイレベルな低燃費化とウエットグリップ性能を実現新型ブルーアースGT AE51(以下、ブルーアースGT)は、横浜ゴムの低燃費タイヤブランド“ブルーアース”の中で走行性能を重視した新世代フラッグシップモデル。ラベリング制度の転がり抵抗とウエットグリップは57サイズ中31サイズがAA/a、他はA/aをクリアした。ターゲット車種はプリウスクラス以上のセダン、ワゴン。2019年2月から順次リリースする。 現時点でAA/aが31サイズもあるのは、ライバルを見渡してもブルーアースGTしかない。横浜ゴムの低燃費タイヤは、転がり抵抗とウエットグリップともに最高位のブルーアース・ワン EF20があるが、ラインアップは1サイズのみ。新型ブルーアースGTが事実上の旗艦モデルといえる。ブルーアースGTは2012年に登場したブルーアース・エースの後継モデルで、さらに歴史を遡ると、2008年のDNAアースワンや、1998年のDNA ES01に行き着く。国産低燃費タイヤの中で、最も長い歴史と人気を誇る中心的モデルと言っても過言ではない。 旧型のブルーアース・エースは、低燃費タイヤで両立の難しい「走りの力強さ」をコンセプトに開発された。当初のウエットグリップはbだったが、2014年にオレンジオイルを駆使したコンパウンドをさらに改良してウエットグリップaにアップ。今回のブルーアースGTは、ユーザーの要望が高い「ブレーキの利き」「直進安定性」「燃費」を重視してコンパウンドやパターンデザイン、構造までフルモデルチェンジ。ウエットグリップaのまま転がり抵抗を13%低減した。 ご存知の通り、転がり抵抗とウエットグリップの両立は難しい。ブルーアースGTはARTミキシングと呼ぶコンパウンドの新製法を確立。この製法では同じ材料でもウエット制動距離を短縮できるという。さらに接地面内部のベースゴムやサイドゴム、通常は変更しないビード部分のコンパウンドまで改良を実施。歪低減と発熱抑制を形状や構造で徹底追求し、トータルでハイレベルな低燃費化とウエットグリップ性能を実現している。 旧型のブルーアース・エースも剛性を引き上げていたが、ブルーアースGTはさらに“剛”を強調していた。いったいどんなタイヤなのか。箱根ターンパイクを拠点に一般道とワインディングで試乗した。 新旧比較で特長が明らかにまず新旧タイヤをアウディA4で比較する。旧型のブルーアース・エースをデビュー時に国産セダンで試乗したとき、低燃費タイヤとしてはしっかりした印象を受けた。しかし、最新のアウディA4で試乗すると、足回りとタイヤの剛性が微妙にマッチせず、不要なソフトさやダンピング不足を感じる。路面の凹凸でタイヤが変形すると、サスペンションとは別の振動が乗員に伝わってくるのだ。一方、新型ブルーアースGTは明らかにタイヤが固めでマッチングが良化。すっきりと余計な変形がなく、サスペンションを動かす。 走行性能面でも直進安定性が向上して走りやすい。ブルーアースGTは接地面センターとミドル部のブロック剛性をアップした。この部分の接地時の滑りが抑制され、しっかりした手応えと挙動が確保されるわけだ。おそらく摩耗にも好影響を与えるだろう。 ワインディングではナチュラルなハンドリングが楽しめる。ロールは自然でセダンの動きとマッチしたもの。もちろんアドバンスポーツのようなガッチリした剛性とは異なる。アドバン・フレバと同等か、若干上回る剛性の持ち主といったイメージで、乗り心地と走りのバランスは良好だった。 コンパクトよりも少し重量のあるクルマとの相性が良いほかにはメルセデスCクラスとVWゴルフで試乗した。ゴルフのような軽めのクルマでは、当たりの固さが少し気になるシーンが出てくるかもしれない。Cクラスなら許容できる乗り心地で、スポーティなマッチング。コーナリング時はよく粘る。低燃費タイヤでありがちな、タイヤがすぐ鳴くような弱さを示す場面は皆無だった。 今回試乗した路面では、パターンノイズ、ロードノイズ含めて静粛性で気になる点もなかった。国内向けのトヨタ・クラウンとシエンタ、海外向けではトヨタ・カムリとレクサスESの純正装着が決定している。もちろん車種に合わせたチューニングを行っているが、ブルーアースGTの基本性能の高さの裏付けと考えていい。コンパクトカーではなく、少し重量のあるクルマとのマッチングが良い点は記憶しておいてほしい。 サイズ展開【 ブルーアースGT AE51 サイズ展開 】 |
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