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クラウンプロトタイプ試乗 3つのパワートレーン、その走りは?

2018-6-8 23:59| post: biteme| view: 759| コメント: 0|著者: 文:五味 康隆 /写真:篠原 晃一

摘要: ロイヤル・アスリート・マジェスタの作り分けを止めた理由 トヨタの高級車シーンを牽引し続けているクラウンが、間も無く15代目へとフルモデルチェンジをする。ひと足早くそのプロトタイプモデルに試乗できたので、 ...

クラウンプロトタイプ試乗 3つのパワートレーン、その走りは?

ロイヤル・アスリート・マジェスタの作り分けを止めた理由

トヨタの高級車シーンを牽引し続けているクラウンが、間も無く15代目へとフルモデルチェンジをする。ひと足早くそのプロトタイプモデルに試乗できたので、その速報レポートをしていこう。

今回のクラウンはセダンの販売が下火になる中での、生き残りをかけた勝負のモデルと言えるだろう。日本専用の高級車であるクラウンに従来のユーザーが求めるものだけを満たして行くのでは、クラウンのオーナー層と共に歳をとり、時代の変化、価値観の変化に置いて行かれる。開発責任者の秋山氏の言葉を借りるなら、今の時代に求められる高級車としての“いいクルマ”を再定義して、チャレンジしたという。そんな背景から今度のクラウンは代名詞だったロイヤルやアスリート、そしてマジェスタという作り分けを止めて、クラウン一本で今の時代に合う高級車として作られた。

そのような開発陣の意気込みを聞くと、今回の新型クラウンのデザイン変革にも納得がいく。エクステリアは東京モーターショーやオートサロンで展示されたモデルほぼそのままで、改めて見てもシルエットが良い。クーペスタイルのリア周りやフロントタイヤが前出しされたロングノーズなど、今までの日本のセダンにはないエレガントという表現が使えるシルエットがある。

この細身にも感じるプロポーションに加えて、歴代クラウンが大事にしてきたゴルフバック4つを楽に飲み込める余裕の積載力と両立。個人的には今更ゴルフバックにこだわらなくても良いのでは? と思うが、そこはクラウンとしてのこだわりだとも言う。フロントマスクは近年のトヨタらしい押し出し感と威圧感が強い仕上がりで当然賛否があるだろうが、良い子ちゃん顔よりはこのくらいの個性があった方が好きだ。何にせよセダンが漂わすオヤジ臭さが薄まり、オシャレ感が増しているのが好印象。理想をいえば、様々なしがらみから難しいのはわかるが、タイヤとフェンダーの隙間を輸入車、いやレクサス並みに狭くして欲しい。オートサロンで展示されていたTRD(トヨタテクノクラフト)のクラウン コンセプトくらい隙間を少なくすればよりスタイリッシュになるはずだ。

室内ももちろん大きく変わっている。着座位置が若干高く感じるが、座った時の優しく体を包み込むクラウンらしいクッション性の高い座り心地を備えながら、体が沈み込みすぎず的確にサポートするシートの仕上がりが良い。注目はセンターモニターが2つあること。ひとつはスマホのように指先のピンチアウト操作などにも対応するタッチモニターで手の届くセンタークラスターにあり、もう一つはサブ表示モニターで少し離れたダッシュボード中央にある。どのメーカーもモニターの位置は運転中に視線移動が少ない遠方に設置しつつも、そうすると手が届かなくなるのでそのコントロール方法に様々な工夫をしているが、クラウンのUIはシンプルで世代を問わず直感的に操れてるのがいい。

レクサスLSより仕上がりの良さを感じるプラットフォームは

内外装の仕上がりは総じて上々だが、最も気になるのはその乗り味だろう。新型クラウンには3つの動力源が用意されている。最もスポーツ色強い乗り味の仕上げが施されていた2リッターターボと、万能的な2.5リッター+モーターのハイブリッド、そしてマジェスタオーナーも意識して作り上げたという3.5リッター+モーターのハイブリッド。全ての動力源には、ノーマルタイプとスポーツ性を強めた「RS」が用意されている。

※編集部注:6月8日公開時点でグレードなどの詳細は発表されていないため、ノーマルタイプという表現を使っています。ノーマルタイプはこれまでの「ロイヤル」や「マジェスタ」のようなイメージで「RS」はアスリートのようなイメージです。

日本のセダン市場の行方に影響を及ぼすはずの新型クラウンなだけに、期待と不安が入り混じった妙な緊張感を抱きつつ、2.5リッター+ハイブリッドのノーマルモデルで走り出す。最も万能で優等生仕上げの基準車的なポジショニングのモデルだが、ファーストコンタクトはとても良い! 日本専用車でありながらも世界で戦えるクルマとして、その完成度で世界を驚かせたいという想いから、ドイツのニュルブルクリンク北コースで走りを鍛えたという新規TNGAプラットフォームなだけあり、ボディがしっかりしていて無駄な振動を発生せず、足回りではダンパーが効果的に微振動を減衰させている。この転がり感の質は先代ロイヤルサルーンの上質さを大きく超え、今時点でトヨタグループの全ブランドを踏まえてトップの出来栄えと感じる。ちなみにこのFRプラットフォームは、レクサスのフラッグシップであるLSに使用されたものの車幅を、日本専用のクラウンに合わせてナロータイプにした弟分のようなものだが、後出しな分だけ洗練された印象があり、振動特性など素性が良い気がした。

驚いたのはこのような快適性や上質さを持ちながら、気持ちよく曲がること。ハンドル操作への遅れもなく手応えの変化が的確で、リアタイヤの接地感もあり、車両の姿勢変化は穏やかで節度感を備え、プレミアムブランド系の輸入車勢とも比べられる素直なハンドリング特性を持つ。この上質さとスポーツ性が全てのクラウンに共通する乗り味。2.5リッター+ハイブリッドのノーマルモデルにおいて気になるとすれば、うねり路面を乗り越えた先に若干ではあるがフワッとする動きがあることと、旋回時に内輪の伸びが大きくハンドルの切り返しで気を使わないとグラッとしやすいこと。足回りに電子制御ダンパーがつき、タイヤも1インチ大きくなるRSではこの特性さえなくなり、その上で快適性を損なっておらず、その完成度は拍手喝采したいレベル。冷静に考えたらまるでスポーツカーにでも乗ったような細かいレポートを書いてしまうほど、新型クラウンの走りは大幅に進化したのだと改めて感じさせる。

走りを最も意識して仕上げた2リッターターボ

ちなみに2.5リッター+ハイブリッドの動力性能は必要十分であり、2リッターターボの排気音や吹け上がりや3.5リッター+ハイブリッドの強烈加速のような刺激こそないが、その出来栄えは優等生。アクセル操作への反応は、モーターのレスポンスの良さを要所で使いながら的確に応じてくれるし、低速時は当然エンジンが掛からず静かに電動ドライブして新プラットフォームでの上質さを強調する。さらにアクセルを深く踏んだ時にこの2.5リッター+ハイブリッドは思いのほか鋭く力強く加速する。ハイパワーモデルとして3.5リッター+ハイブリッドがあるので2.5リッター+ハイブリッドはいい子ちゃん仕上げだろうとイメージしていたのだが、冷静に考えたらこれでも3.5リッターガソリンエンジン並みの性能を出しているのだ。後に乗る3.5リッター+ハイブリッドへの期待が高まっていった。

走りを最も意識して仕上げたという2リッターターボに乗ったとき、ある想いが浮かんだ! このシャーシでハイパフォーマンスモデルを作ってもらいたいと。そんな考えが自然と出るほど、このプラットフォームの実力は高い。具体的に言うと、まず旋回力が意のまま。動力源としてこの2リッターターボユニットが他よりも軽いこともあり、他の動力源が持っている素直な旋回特性に、軽快感が備わる。これがより意のままに動く感覚ももたらし、走っていて楽しくなってくるのだ。個人的にはもう少しリアのロール剛性を落としてアクセルを深く踏まなくても旋回中にリアに荷重が掛けられるバランスが好きだが、こんな細かい要望を抱けるレベルにこのプラットフォームはある。こう書くとガチガチに足が硬い?とイメージするかもしれないが、ノーマルおよびRSにも共通することで、足回りはしなやかで、旋回中に外輪に荷重がかかっていてもまだ路面のギャップを吸収して乱れない余裕を残しているし、乗り心地も良く、特にRSにおいては見事なまでのしっとり感まで持つ。聞くと2リッターターボのRSだけは、スタビライザーなど姿勢変化を抑制するアイテムも他のRSより強化しているそうだが、それに伴って大きくなりやすい走行振動対策のためにパフォーマンスダンンパーを装着してそれを解消しているという。

ちなみに2リッターターボエンジンは、アクセル操作に対するレスポンス、高回転の伸び感、そしてスポーツ+モードにした際の快音などもあって特に走りが気持ち良く、加えてスムーズな変速まで備えた新型8ATが、しっとり感まで味わわせてくれることを付け加えておこう。強いて気になる要素を挙げるとすれば、エンジン低回転時のトルクが若干か細く感じること。世の優れたターボエンジンはもっと低回転から力があふれ、再加速でのキックダウンが抑えられるなど扱いやすさも備えている。クラウンの2リッターはややシフト変速が忙しいか、力が足りない感覚を抱いた。

路面限定だが、世界と真っ向勝負ができるレベルに仕上がっている

最後にマジェスタオーナーの取り込みも想定した価格上で最上位になるはずの3.5リッター+ハイブリッドにも触れておこう。このモデル、トルクがすごい!! どの回転でも軽くアクセルを踏むだけでスーッと速度が上がり、巡行するような走行シーンで速度コントロールがし易く、走りやすい。しかも2つのモーターを駆使した電気CVTとメカニカルな4速ATの組み合わせにより、疑似的な10段変速を作り出しているレクサスLSに搭載されているのと同様のユニットだが、その変速感なども一層滑らかな感覚を受ける。気になるのは、強くアクセルを踏んだ際のキックダウンを要するような場面で、時折強い変速ショックが発生すること。そしてアクセルを急激にオフにする操作に対して、減速感がついてこないこと。しかし、そんな気になる要素もアクセルを床まで踏んだときの鋭い加速力と速度の伸び感で忘れさせるような速さを持つ。

注目はその動力レベルにこれまたプラットフォームは涼しい顔で対応していること。2リッターターボと比べると旋回の鋭さは薄まるが、素直なコントロール性は健在だし、ハンドルからの手応えが鮮明なので、十分に気持ちよくスポーティに走れる。特に電子制御サスのAVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンション・システム)によって、ブレーキを踏んだ際などの姿勢変化も抑えられ、重さの影響はとても少なく、むしろバッテリー重量がリアタイヤを抑える基礎荷重となり前後バランスが整い、とても良い動きをする。気持ちよく刺激的でスポーティな世界観では2リッターターボだが、適度な刺激と大人なグランドツアラー色まで漂わす懐の広いスポーティな世界観を3.5リッター+ハイブリッドは備えていた。

クラウンとしては1車種だが、3種類の動力がそれぞれ特性とキャラクターが異なることで、まるで3車種のレポートを書かされている感覚になったが、実はまだ走行モードの効果などもっと書きたいことはある。しかしそれらは市販モデルで一般道を試乗した際にレポートが改めてあるはず。しかもその際には、今回触れなかった静粛性についても詳しく述べられるだろう。と言うのも、3.5リッター+ハイブリッドのペダルに伝わる振動を除いて基本静かで穏やかなはず…としか今回は静粛性関連では言えない。なぜなら修善寺のサイクルスポーツセンターという、一つの路面でしか確認できておらず、このような高級セダンは路面が変化したときの音圧変化も含めて穏やかであることが必要となるので、ここだけで書き記すとミスリードに繋がりそうだから。しかしながら今回のクラウンの完成度、世界に打って出ても真っ向勝負ができるレベルに仕上がっており、期待が高まるクルマだ。


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