パスワード再発行
 立即注册
検索

ドイツの新戦略、48VマイルドHVで走るメルセデスS450の高い完成度

2018-3-26 10:00| post: biteme| view: 985| コメント: 0|著者: 文:山田 弘樹/写真:望月 浩彦

摘要: メルセデスの次世代マイルドハイブリッドはこんな機構 メルセデスの静かな、しかし大いなる一歩が踏み出された。旗艦車種である「Sクラス」に、直列6気筒エンジンと48V(ボルト)のマイルドハイブリッドという“近代 ...

ドイツの新戦略、48VマイルドHVで走るメルセデスS450の高い完成度

メルセデスの次世代マイルドハイブリッドはこんな機構

メルセデスの静かな、しかし大いなる一歩が踏み出された。旗艦車種である「Sクラス」に、直列6気筒エンジンと48V(ボルト)のマイルドハイブリッドという“近代化のメス”が入れられたのである。

直列6気筒のガソリンエンジンといえば、まさに20世紀の集大成というべきプレミアムエンジンの基礎。6つのシリンダーが重なることなく燃焼行程に入るため、クランクシャフトに掛かる負荷が均等化され、パワー効率が最も良く、振動も最も少ないとされている。V型12気筒がスーパースポーツや超プレミアムサルーンで一時代を築き上げたのは、この直列6気筒をふたつ組み合わせたからである。

メルセデスはこの新型直列6気筒エンジンと9段トランスミッションとの間に、インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(ISG)を挟み込んだ。これはスターターとジェネレーター(発電機)を兼ねたモーターを搭載する、マイルドハイブリッドと呼ばれる形式だ。

その美点はいわゆるストロング・ハイブリッドに対して電動系で最大の重量物となるバッテリーを小型化できることであり、メルセデスはここに1kWhの容量を持つリチウムイオン電池を搭載した。またスズキなどはISGをベルト駆動としているが、メルセデスはホンダのIMA同様にモーターをクランク直結とすることで最高出力22PS、最大トルクでは250Nmという大きなトルクを達成したのである。

直6エンジンは極めて合理的な理由で復活した

ではなぜこれまでストロング・ハイブリッドをもラインナップしてきたメルセデスが、これより電気的な出力特性に劣るマイルドハイブリッドを新たに開発したのか?

よりコンパクトなエンジンを求めて20年以上も前にストレート6と決別した彼らが、今度はV型6気筒を捨てて再び復活させた理由。そのひとつは直列4気筒エンジンと同じラインで直列6気筒ユニットを作ることが可能となるからである。生産ラインや部品点数の効率化でコストが抑えられるだけでなく、CO2削減的な観点から見ても環境性能に貢献しているはず。

そしてもうひとつは、環境性能への直接的な効用である。直列エンジンはエンジンの吸気側(コールドサイド)と排気側(ホットサイド)を完全に分離することができ、年々肥大化する補器類、特に排ガス浄化を担う三元触媒の容量を大容量化できるのだ。クルマのボディや車幅が年々大きくなって行くのに対して、エンジンルームは著しく拡大してはいない。となると、Vバンクの間にタービンを2つ配置する隙間にさらに大きな触媒を置くよりは、直列エンジンの片側(即ちホットサイド)に触媒を置く方が、メリットは多そうである。

ちなみに直列6気筒となったそのエンジン全長は、V型6気筒に対してやや長いものの(その数値は公表されていない)、触媒以外にカムシャフトなどの部品点数も少なくすることが可能となり、全長も含めてかなりコンパクトに仕上がったという。もともとクラッシャブルゾーンを確保するという時代の要求から切り捨てられた直列6気筒だが、現在ではレーダーやカメラ技術も発達し、ボディ自体も大きくなったため、メルセデスは復活を決めたのだろう。内燃機関には、まだまだ未来があるという結論なのだ。

低中速での恐ろしい柔軟性は48Vシステムの賜物

さてそんな、新生「S450」のマイルドハイブリッドを走らせた印象はというと、これがまさに往年のSクラスを現代解釈した、素晴らしい出来映えだった。

ISGはモーターのみでの走行ができないため、いわゆるEV/PHEV的なサイレントスタートは期待していなかった。しかしこれぞ直列6気筒効果というべきか、エンジン振動そのものが極めて少なく、さらにSクラスとしての遮音性が行き届いた室内では、意地悪く注意を払ってもそれが気になるレベルにはまったくない。なにせアイドリング回転数は520rpm! と極めて低く、街中ではエンジンストップまで働いてしまうのだから。

アクセルを少し踏み込んだときのゼロ発進加速は、さらに紳士的である。序盤はモーターアシストと電動スーパーチャージャーが連携してその巨体を押し進めているのだと頭では理解しても、その切り替わりは実にシームレス。じっくり走り込めば、プリウスのようにハイブリッドシステムの動作を分析できるのかもしれないが、慌ただしい試乗ではそれもかなわず、極めて低いエンジン回転数だけが、S450の静粛性として印象に残った。街中では全てが1000rpm台で片付いてしまう。低中速での恐ろしいばかりの柔軟性は48Vシステムの賜物なのだろう。

そしてここに、磨き抜かれたエアマチックサスペンションやディストロニック・プラスのアシストが加わると、庶民派の筆者はその完璧な給仕っぷりに身も心も癒やされてしまった。さらにこれが、「乗らされている感」とならないのがメルセデスの憎いところで、そのハンドリングの中核には、「ドライバーズカー」としてのリニアな操縦性がきちんと残されている。

コンフォートモードでは弱められた減衰力設定に対してやや操舵に対する反応が過敏な部分もあるが、ステアリングセンター部分に微妙な不感帯を作ることでこれを上手に相殺し、Sクラスのユーザー層が求めるであろう軽やかな操作感を実現しながらも、穏やかで正確なライントレース性を実現している。モードをスポーツ、スポーツ+と高めて行けばさらにしっくりと馴染んでくる。

面白いのは液晶メーターが「スポーティ」「クラシック」「プログレッシブ」と選べることで、特に黄色い文字盤の「スポーティ」は、往年のメルセデスを彷彿とさせる雰囲気が味わえた。普段まじめな人(クルマ)がこうした遊び心をちょっと出すと、その効果はとても大きい。

エンジン自体はドラマより効率重視のフィーリング

さてようやく直列6気筒のフィーリングとなるが、これはメカニカルなストレート・シックスの鼓動感というよりは、現代的な洗練を帯びた直列6気筒の味わいだった。動弁系の心地よいバイブレーションが微かに伝わり、回転の上昇と共にこれが整って行くというかつてのドラマはなく、そのパワーはひたすらに超効率で発揮されて行く。

この点はV6時代も達成されていた内容だが、高回転域で伸びやかに突き抜けるパワー感、ターボらしからぬその気持ちよさには、唯一直列6気筒の美点を意識させられる。しかしながら日本の法定速度で367psを骨の髄まで味わうには、少しばかりモラルがジャマをする部分もある。

そういう意味では当日帰路で試した「S560 4マチック ロング」の4リッターV型8気筒(469ps)の方が、かえって日常域からそのパワー感やどう猛さを感じることができ、ワクワクとした高揚感や豪傑さが楽しめた。そしてV8を選ぶにしても直6マイルドハイブリッドを選ぶにしても、それをきっちり堪能できるドイツという国の環境には、少しばかりうらやましさを感じた。彼の地では、スピードでさえラグジュアリー性能なのである。

総じてS450は、日本人にとても親和性の高いモデルであると思えた。古き良きSクラスの質実剛健さを内包しながらも、実用域ではモーターと電動スーパーチャージャーが静静と走らせ、先進感だけでなく癒やしも与えてくれる。人柄のよいコンシェルジュにもてなされているような平和な時間を過ごし、ときにドライバーズカーとして鞭を入れることができるキャラクターは、メルセデスというブランドそのものなのではないか。

このマイルドハイブリッドを冒頭で“近代化のメス”としたのは、内燃機関の磨き上げをモーターでアシストすることで、メルセデスがSクラスに相応しい品質と環境性能を保ったからだ。当然、彼らもEVコンバートは視野に入れており、そこへ踏み込んだときは、我々が驚くような成果を見せてくれるはず。それまでは内燃機関の磨き上げがまだまだ不可欠。それをメルセデスという巨人が実行に移したというわけである。

スペック

【 メルセデス・ベンツ S450(ISG搭載モデル) 】
全長×全幅×全高=5125×1899×1493mm
ホイールベース=3035mm
駆動方式=FR
エンジン=3.0L 直列6気筒DOHC直噴ターボ
最高出力=270kW(367ps)/5500-6100rpm
最大トルク=500Nm(51.0kg-m)/1600-4000rpm
トランスミッション=9速トルコンAT
サスペンション=前後:マルチリンク式
タイヤサイズ=前後:245/50R18
使用燃料=プレミアムガソリン
(数値は全て欧州参考値)
価格=1147万円
※試乗車はS450エクスクルーシブ(1363万円)


さようなら

なるほど

共感した

ありがとう

相关分类

Archiver|携带版|BiteMe バイトミー

GMT+9, 2025-6-23 19:37 , Processed in 0.320709 second(s), 17 queries .

Powered by Discuz! X3.5

© 2001-2025 BiteMe.jp .

返回顶部