コンセプトは「より最後まで使える長持ち」新型エナセーブEC204は、低燃費タイヤをフルラインアップするダンロップ・リプレースタイヤの中で、最もベーシックなモデルになる。とはいえ、ラベリング制度の転がり抵抗は全サイズがライバルより上の“AA”をクリアするなど、低燃費タイヤに力を入れる同社の最新モデルらしい特徴を備えている。 新型エナセーブEC204の開発コンセプトは「より最後まで使える長持ち」。旧型のエナセーブEC203は耐摩耗性を大幅に改善し、ロングライフ化と転がり抵抗低減を両立したスタンダード低燃費タイヤとして人気を獲得した。今回の新型はそれよりさらに耐摩耗性を高め、長持ちするよう改良を進めたという。 偏摩耗の抑制を徹底追求具体的にどんな改良か。ダンロップの廃タイヤ調査によれば、センターの主溝は残っているのにショルダー部が摩耗したため交換された廃タイヤが約63%に達した。たしかに車両装着時はアウト側ショルダー部の摩耗が最も気になる。これはつまりショルダー部の摩耗を抑え、センター部と同じタイミングで摩耗末期を迎えれば、さらに長く使えるタイヤが多いことが予測できる。 もちろん安全を重視してスリップサインが出る前に交換するユーザーも少なくない。その場合でもショルダー溝がより残っているほうが、ウエットグリップや耐ハイドロプレーニング性能が有利なのは明らかだ。そこで、エナセーブEC204は非対称デザインのトレッドパターンを新たに開発。接地面内の溝比率を4%減らしてブロックを拡大し、ショルダー部の剛性を向上。偏摩耗の抑制を徹底追求した。 もうひとつの注目ポイントが、サイズによってデザインを使い分けた点だ。旧型は175以下が4リブだったが、新型は205以下を4リブに変更。これで主要サイズである195や205が3本溝の4リブ・パターンデザインになり、剛性が向上。多くのユーザーがロングライフ性能を実感できるよう工夫している。 新旧エナセーブとル・マンVを比較試乗トヨタ プリウスで195/65R15サイズの新旧エナセーブと、ル・マンVを比較試乗した。旧型エナセーブEC203は若干ベタッとした接地感が気になるが、低燃費タイヤとして気になる固さもなくスムーズに乗れる。新型に乗り換えるとまず静粛性向上に気づく。パターンノイズ、ロードノイズともに静かになった。ブロック剛性を高めると一般的にノイズは悪化しがちだが、新型は接地面の丸みを増してノイズ低減と耐偏摩耗性を両立したという。これは意外なメリットだと思った。乗り心地も柔軟性と当たりのソフトさがある。一方、コーナリングで荷重をかけたときの手応えはしっかり感が増し、ショルダー剛性アップの効果が感じ取れる。 市街地重視なら高コストパフォーマンスちなみに市場で快適性の評価が高いル・マンVとの比較では、40km/h以下の低速時の凹凸吸収性にEC204はメリットを感じるものの、静粛性や中高速域の乗り心地はル・マンVに軍配が挙がる。市街地重視ならコストパフォーマンスの高そうなエナセーブEC204もアリ、という印象だ。メーカーのテスト結果では、耐摩耗性を旧型比で16%向上した。ここで注意したいのが空気圧。空気圧が減るとショルダー部が摩耗しやすくなって新型の改良効果が薄れてしまうため、適正空気圧を保つことがメリットを引き出すコツといえる。ダンロップは空気入りタイヤの実用化から130周年を迎え、空気圧点検を啓発する動画サイトを公開中だ。 |
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