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ランエボ譲りの動作に感心。三菱の味を突き詰めたSUVエクリプスクロス

2018-4-24 12:10| post: biteme| view: 385| コメント: 0|著者: 文:佐野 弘宗/写真:菊池 貴之

摘要: 世界的ブームの市場に挑む世界戦略商品 エクリプスクロスは三菱にとっては、ひさしぶりの新型車である。海外では2015年に新型パジェロスポーツが発売されているが、国内向けとなると13年から14年にかけてデビューし ...

ランエボ譲りの動作に感心。三菱の味を突き詰めたSUVエクリプスクロス

世界的ブームの市場に挑む世界戦略商品

エクリプスクロスは三菱にとっては、ひさしぶりの新型車である。海外では2015年に新型パジェロスポーツが発売されているが、国内向けとなると13年から14年にかけてデビューしたeKワゴンとeKスペースにまでさかのぼる。ただ、細かいことをいうと、これらの軽自動車は日産との合弁事業。三菱単独の国内向け新型車という意味では、12年秋の2代目アウトランダー以来、約5年半ぶりということになる。

ご承知のように、エクリプスクロスは三菱周辺が騒がしい時期に開発された。開発スタート時点ではさすがにリコール問題は終息していたが、15年には新型車(おそらく次期RVR)の社内的なトラブルによる開発延期が発覚し、翌16年に例の燃費データ不正問題が起こった。結局のところ、その燃費データ不正問題を直接的なキッカケに、三菱は事実上のルノー日産の傘下に入るが、その1年後には今度は日産が、最終組み立て工場で長年にわたって完成車検査(の一部)を無資格者実施していたことが明るみに出た。

そんな三菱ひさびさの新型車は、世でいう“コンパクトSUV”に属する。日本でコンパクトSUVというと、もうひとまわり小さいBセグメントベースの日産 ジュークやマツダ CX-3、ホンダ ヴェゼルあたりが想起されがちだが、エクリプスクロスの車格はそれよりも上級。Cセグメントの骨格設計を土台としつつ、前後オーバーハングを切り詰めて、軽快でパーソナル、かつスポーティな存在感を売りにするタイプである。

エクリプスクロスに似た成り立ちとサイズ感をもつSUVをあげると、国産車ではトヨタ C-HR、輸入車だとジープ コンパスにジャガー Eペイス、ボルボ XC40などがある。つまり、最近デビューしたばかりの最新鋭車がズラリと揃う。エクリプスクロスとは、まさしく今が旬の世界的ブームの市場に挑む世界戦略商品というわけだ。

クーペ風スタイルの本格SUV。厳しい台所事情がうかがえる一面も

エクリプスクロスのプラットフォームは、既存SUVのアウトランダーやRVRのそれと基本設計を共用して、ホイールベースも共通となっている。今回新しく投入された大物コンポーネントは、現時点では1.5リッターのガソリンターボエンジンだけといってよく、昨年のお披露目時に公表されたディーゼルも今のところ発売されていない。

もっとも、プラットフォームの刷新、しかもエンジンと同時刷新となれば、いかに大メーカーといえども簡単な事業ではない。ただ、エクリプスクロスにも使われるGSプラットフォームは、もとをただせばダイムラークライスラー提携時代に設計開発されて、三菱では2005年の初代アウトランダーから連綿と使い続けられているものだ。こうして長い空白期間の後に登場する新型世界戦略車でも、そんなプラットフォームが再登板……という現実には、三菱の厳しい台所事情がうかがえて、少しばかりしんみりした気持ちになるのも事実である。

そんなエクリプスクロスは、ご覧のようにリアウインドウが強く傾斜したクーペ風のスタイリングを売りとする。「乗降性や実用性を犠牲にしてもデザインを優先した」と開発陣は断言するが、それと同時に「走破性などの機能は“SUVの三菱”として妥協しなかった」とも語る。最低地上高やアプローチ/ディパーチャーアングルなども、本格SUVといえるアウトランダーとほぼ遜色ない。今回は悪路性能を試す機会はなかったが、実際のエクリプスクロスの後席は思った以上に広く、荷室も広くはないが普通のCセグメントハッチバック(の優秀なタイプ)くらいの容量はある。

インテリアも専用デザインだが、兄貴分のアウトランダーよりはモダンで高級。タッチパッドを組み合わせた新開発インフォテイメントシステムがスマホ接続を前提としており、ナビ機能もあえてスマホに依存する設計になっている点は新しい。

ユッタリ系ながらS-AWC効果による旋回動作はマニアック

エクリプスクロスは、RVRとアウトランダーの間にあった小さなスキ間に、あえてねじ込まれたスポーツクーペデザインのSUVである。前記のとおり世界的に大ブレークする可能性はあるものの、クルマの設計思想としてはニッチな企画で、開発陣も表向きは「各部を割り切った」と語っている。にもかかわらず、実際にできあがったエクリプスクロスは非常に真面目というか、随所にカタブツっぽいところが、良くも悪くも三菱らしい。

最近はSUVを名乗りつつも、走りとギンギンなスポーツカーテイストを売りにするタイプも少なくないが、エクリプスクロスはその見た目とは裏腹に、意外なほど大人っぽい。パワステもアウトランダーよりはクイック化されているそうだが、絶対的にはさほど速いわけではなく、操舵力も明らかに軽めの設定である。

そのほかにもリバウンドスプリングやダンパーの高応答バルブ、強化型ブッシュなど、俊敏なスポーツカーテイストを想起させる新規部品も少なくなく、ロール剛性を高めて左右方向にはあまり傾けないシャシーはいかにも現代的である。しかし、全体のチューニングは印象的なほど柔らかく、ほどよく上下動を許容するマイルド系の調律である。

このように表層的なクイックさはないエクリプスクロスだが、微小な操作にもきっちり正確に反応する所作にはちょっと感心する。またシャシーそのものはユッタリ系ながら、左右トルク配分制御機構をもつS-AWC効果なのだろう、旋回中も積極的にスロットルを踏む運転をすると、水を得た魚のように曲がるようになるのがマニアックである。

ランエボを思わせる積極的な曲がりに感心

マツダ、スバル、トヨタなど、最近は「自分たちの走りとはなにか」を追求する商品づくりをアピールする日本メーカーが多い。聞けば、今回のエクリプスクロスの開発でも、三菱のあるべき走りを再定義して「ブレーキングからハンドリング、そしてアクセルワークにおける“味”にこだわり、“コーナーでの車体姿勢はこうじゃないといけない”という三菱の味を突き詰めた」のだそうだ。

言われてみると、スロットル操作に対するヨーの出方などには、あのランエボを思わせる味を感じないでもない。新開発の1.5リッターターボはそれ単体では十二分にトルキーだが、正直にいうと、エクリプスクロスの高いシャシー性能の前にはまったく物足りない。こうしてエンジンを完全に支配下に置きつつも、ランエボを思わせる積極的な曲がりを演出する調律にはちょっと感心した。

この自然吸気2.4リッター級のエンジントルクでも微動だにしない操縦安定性には、印象的なほどがっしりとした車体剛性も寄与しているはずである。いかにも重厚な剛性感や静粛性は、いい意味でたっぷりと質量がかけられているGSプラットフォームならではの美点だろう。その分、昨今のクルマとしてはウエイトが重めなのは否定しないが、少なくとも乗り心地や剛性感の面では、その重さはメリットになっているように思える。

エクリプスクロスはその乗り味やデザイン、そして車内インフォテイメントシステムなど、限りあるコストの中でも「三菱のクルマとはなにか」を真面目に問いかけながらつくられたのは間違いない。

三菱グループ資本下では最後のモデルで“開眼”!?

ところで、今回はひさしぶりに三菱の担当技術者の方々にお会いしたが、彼らの名刺の肩書が“PD=プログラムダイレクター”や“CPS=チーフプロダクトスペシャリスト”、“CVE=チーフビークルエンジニア”など、ことごとく日産と共通化されていたことは興味深い。

ただ、エクリプスクロスの開発作業そのものは日産との資本提携前にほぼ完了していたそうだから、このクルマはおそらく“三菱グループ資本下でつくられた最後の三菱車”として後世に記憶されることだろう。

今後の三菱車は、日産に準じて再編された組織体系で開発されて、骨格モジュールや大物コンポーネンツがルノーや日産と共用化されていくことになる。今回採用された新開発インフォテイメントシステムやS-AWCなどの純三菱製の技術が、今後どうなるかも分からない。

ただ、クルマのデザインや走りの味つけについて、三菱は今回のエクリプスクロスで、どことなく“開眼”したように感じられるのも事実。そこにルノー日産の潤沢な技術資産が加わるようであれば、今後の三菱は意外に期待できそうな気もする。

スペック

【 エクリプスクロス G Plus Package(4WD) 】
全長×全幅×全高=4405mm×1805mm×1685mm
ホイールベース=2670mm
駆動方式=4WD
車両重量=1550kg
エンジン=1.5L直列4気筒DOHC直噴ターボ
最高出力=110kW(150ps)/5500rpm
最大トルク=240Nm(24.5kg-m)/2000-3500rpm
トランスミッション=CVT(8速スポーツモード付)
JC08モード燃費=14.0km/L
使用燃料=レギュラーガソリン
サスペンション=前:マクファーソンストラット式、後:マルチリンク式
タイヤサイズ=前後:225/55R18
価格=309万5280円


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