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マツダ最後のロータリーRX-8をいま一度味わい、未来へ想いを馳せた

2018-5-6 10:35| post: biteme| view: 990| コメント: 0|著者: 文:山田 弘樹/写真:篠原 晃一

摘要: 踏んだだけ気持ち良くパワーが漲る スターターボタンを押すと「カチカチッ クシュッ!」という鋭い機械音が車内に響き、初爆の後に「グルグル~…」っと、ネコ科の猛獣がノドを鳴らすようなアイドリングが始まった。 ...

マツダ最後のロータリーRX-8をいま一度味わい、未来へ想いを馳せた

踏んだだけ気持ち良くパワーが漲る

スターターボタンを押すと「カチカチッ クシュッ!」という鋭い機械音が車内に響き、初爆の後に「グルグル~…」っと、ネコ科の猛獣がノドを鳴らすようなアイドリングが始まった。久しぶりのロータリーだ。短いシフトノブ(これもローターの形をしている)を1速に押し込んで、待ち合わせたサービスエリアを後にする。丁寧につないだつもりのクラッチだったが、アイドリングスタートを試みるとエンジンは、“ストン”と落ちた……。RX-8よ、相変わらずだなぁ!

気を取り直して再スタート。今度はちょっとだけアクセルを踏み込みながらクラッチをつなぐと、“エイト”はスルスルと路上を走り出した。それでもやっぱり、低速域でトルクが薄く、その動き方はどことなく頼りない。目が覚めたのは、アクセルを踏み込んでからだった。それまで落ち着きのない子供のようだった身のこなしにはピシッと筋が通り、速度を乗せれば乗せるほど、安定感が増して行く。まるでバイクだ!

メーターナセルの中央には、8500rpm(!)まで刻まれたレブカウンター。RX-7からハウジングを受け継ぐ13B「レネシス」ユニット(最高出力235ps)は、自然吸気。かつて280psを発揮した13Bターボのようなロケットフィールがない代わりに、踏めば踏んだだけ、気持ち良くそのパワーを漲らせて行く。

その挙動は「切れ味鋭い」なんてものじゃ…

デビューは今から15年も前の2003年。2012年の生産終了から既に6年を経過しながらも、エイトの走りは新鮮だった。唯一無二のロータリーエンジンを搭載することもあるけれど、それだけじゃない。2000台限定であるこの「SPIRIT R(スピリットアール)」こそ大台を超えたが、当時300万円を切る価格で発売されたスポーツ・セダンのサスペンションにマツダは、ダブルウィッシュボーン(フロント)とマルチリンク(リア)を奢った。そしてこれを、躊躇なく走りに振ったのだ。

その挙動は「切れ味鋭い」なんて生やさしいものじゃなかった。というのもまだ駆け出しの編集部員だったボクは初期型でサーキットを走り、見事にリアバンパーからコンクリートウォールに突っ込んだ経験がある。幸い軽傷だったけれど、当時の上司にはかなり怒られた(笑)。もちろん無茶な走りをしなければ、そんなことにはならないだけのスタビリティをエイトは持っている。しかし無茶したくなるだけの、何か得体の知れないピリピリとした緊張感がこのクルマにはあり、オトコならそこに挑戦したくなってしまうのだ。

突き抜ける回転上昇感がキレッキレのキャラを生んだ

2008年のマイナーチェンジでクロスメンバーが補強され、ジオメトリーはより穏やかな味付けとなったようだが、スピリットアールにもその面影は残っていた。19インチの鍛造ホイールを履き、ビルシュタインダンパーでその足下を固めようとも、その余裕は安定感よりも“曲がる”ことにより多く費やされている。

ハンドルを切るとレスポンスに優れるモノチューブダンパーが素早く反応し、支持剛性の高いダブルウィッシュボーンへと入力を伝える。タイヤも素早くグリップを立ち上げ、高い旋回Gを発生させる。へなちょこな走りはポーン! と跳ね返してしまう反発感。普通に走っている限りはオンザレールだけれど、接地感は決して高いとは言えない。かといってしっかりと荷重をかけて行っても、底が見えない。これがターボじゃなくて、本当にヨカッタよ……と思う。

言い換えればボクはこのロータリーユニット(の気質)が、エイトのシャシーキャラクターをも決めてしまったのではないか? と思う。誰もが手に入れられる価格帯を実現するために、ボディ剛性の向上や車幅の拡大によるアーム長の確保を断念せざるを得なかった、という考え方もできるけれど、やっぱりそれだけじゃない。ヒリヒリとした緊張感を持って、どこまでも突き抜けるように回って行回転上昇感が、まったりどっしりとしたシャシー性能ではなく、キレッキレの走りを選ばせたのではないか。そしてこれこそが、当時まだ今のように洗練されていなかったマツダの“広島気質”なのだと。

ロータリーとFRの復活はあるのか

「少し時代が早かったのかなぁ……」

パワーに頼らず、気持ち良いエンジンとキビキビとしたハンドリングを持つRX-8。狭いながらもリアシートを持ち、観音開きという特殊なキャラクターの4ドア形式を取るこのFRスポーツは、4ドアのグランクーペがまかり通るような現代になら、その個性がもっと多くの人々に認められたのではないか? もっともそこには、ロータリーエンジンに対する環境性能と、燃費性能の問題が立ちはだかったことも事実だ。今もきっとマツダは極秘裏に、その可能性を探っているはずである。

折しもマツダは2017年の東京モーターショーで「ビジョン クーペ」を発表し、その未来にFRクーペの存在を匂わせている。ロータリーエンジンとFRの復活。これを無責任にはやし立てる気はないけれど、期待せずにはいられない。今の時代にあって好調の波に乗るマツダ。彼らが放つ未来のFR“ロータリー”スポーツは、果たしてどんなハンドリングと鼓動を持っているのだろう。

スペック

【 マツダ RX-8 スピリットアール(ベース車:タイプ RS) 】
全長×全幅×全高=4470×1770×1340mm
ホイールベース=2700mm
駆動方式=FR
車両重量=1350kg
エンジン=654cc×2直列2ローター
最高出力=173kW(235ps)/8200rpm
最大トルク=216Nm(22.0kg-m)/5500rpm
トランスミッション=6速MT
サスペンション=前:ダブルウィッシュボーン式、後:マルチリンク式
タイヤサイズ=前後:225/40R19
JC08モード燃費=9.4km/L
使用燃料=プレミアムガソリン
車両本体価格(当時)=325万円


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