よりマルチな性格を手に入れた新スタッドレス横浜ゴムの新スタッドレスタイヤ、アイスガード6を皆さんより一足先に、雪の北海道で試してきた。はて、そんなテストができるほど北海道に雪が積もっている? と思った方もいるだろう。というのも実はこのテスト、今年の2月に開催されたもの。スタッドレスタイヤの取材は、1シーズン前に行われるのが恒例なのだ。 さて、2月のこの日はかなりの降雪だった。実際に横浜ゴムが北海道に所有するテストコース、TTCH(北海道タイヤテストセンター)に向かった際には、雪が得意なはずの北海道のバスがスタックしてしまったほど。そんなコンディションの中で、アイスガード6の試乗会が開催されたのだった。 今回のアイスガード6でトピックといえば、やはり先代のアイスガード5プラスに比べ、さらに高性能化したことはもちろん、よりマルチな性格を手に入れたところだろう。 氷への“効き”をさらに強化アイスガード6が第一に特徴としているのが、これまでよりも氷上性能が向上したこと。日本のスタッドレスタイヤは、氷上性能の高さに関して世界一であり、とくに冬の北海道の交差点などで発生する極めてミューが低く滑りやすい路面でもしっかりと制動できるだけの性能が求められる。それだけにそもそも氷上性能は高いわけだが、今回は先代よりも制動距離でみて15%短く止まれるようになったわけだ。 そしてこの性能向上を実現しているのが、進化した非対称パターンとプレミアム吸水ゴムの採用。非対称パターンでは、タイヤの内側で氷上性能を高め、タイヤの外側では雪上性能を高める組み合わせとした。併せて滑りやすい路面でもしっかりと食いつくサイプやグルーブが新たに入れられる。またプレミアム吸水ゴムでは、凍結路面に残っているミクロの水膜を新マイクロ吸水バルーンとエボ吸水ホワイトゲルが吸い上げると同時に路面へ密着、そして氷を噛むことで性能向上を果たしているわけだ。 実際の氷上ブレーキテストでも、しっかりと食いつくことを実感させてくれた。また、後日開催されたスケートリンクでの試乗でも、高い制動力やコントロール性を披露したのだった。 氷上性能と反比例しやすいウェット性能も向上氷上性能に次いで注目なのが、ウェット性能の向上だろう。ウェットの制動テストでは従来のアイスガード5プラスに比べて、約5%も制動距離が短くなっている。 そしてこの性能向上に関しても、プレミアム吸水ゴムが貢献している。先に挙げたプレミアム吸水ゴムの採用によってウェット性能も向上しており、結果、氷上性能を高めつつウェット性能も高めることができたのだという。 とくに降雪地域では気温の変化によって、アイスバーンをはじめ、圧雪、氷や雪が溶けた状態、あるいは除雪が済んだ場所でのウェット路面など、実に様々な路面が出現する。そうした中でも今回のアイスガード6は、ウェット性能を高めたことでより高い安心感を手に入れたといえる。 冬のウェット路面は、凍っている場所もあるかも? といった不安を感じつつ走る場合もあるので、その際のウェット性能の向上は何よりも心強い要素といえる。 多様なニーズに応える欲張りな新世代スタッドレスそしてアイスガード6はこの他に、静粛性に関しては従来品よりもパターンノイズを1.8dB低減しており、より静かで快適な環境を作り出せるようになった。そして燃費に関しては、同社の夏タイヤであるECOSと同じレベルで低ころがりも実現しており、従来比で2%ころがり抵抗を低減している。さらに時間が経っても硬くなりにくく、4年後でも性能が発揮できるようなロングライフ化も達成されているのだ。 こうしてみてくると、アイスガード6はまさにこれからの時代に相応しい、マルチな性格を手に入れた新世代スタッドレスといえるだろう。 日本のスタッドレスタイヤは、氷上性能命であることは間違いない。だが、その部分をさらに進化させつつも、リアルワールドで求められるあらゆる性能の向上に加えて、スタッドレスタイヤであっても安心や快適といった領域を追求しているのが今回のアイスガード6。冬のドライブにおける安心や快適を実現してくれるのは、決してクルマだけでなく、優れた性能のタイヤあってこそ、である。 サイズ265/35R19 94Q~135/80R13 70Qの全95サイズ 価格=オープンプライス |
GMT+9, 2025-6-24 03:49 , Processed in 0.051909 second(s), 18 queries .
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