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812スーパーファストは、最新技術の粋を集めた極上のサラブレッドだった

2017-7-21 09:55| post: biteme| view: 745| コメント: 0|著者: 文:島下 泰久/写真:フェラーリ・ジャパン

摘要: 空気の流れを可視化した凄みのあるフォルム 1950年代、まだフェラーリの多くのモデルが手作りに近いかたちで生産されていた頃の伝統的な車名をひっさげて、跳ね馬の最新フラッグシップが登場した。その名は「フェラ ...

812スーパーファストは、最新技術の粋を集めた極上のサラブレッドだった

空気の流れを可視化した凄みのあるフォルム

1950年代、まだフェラーリの多くのモデルが手作りに近いかたちで生産されていた頃の伝統的な車名をひっさげて、跳ね馬の最新フラッグシップが登場した。その名は「フェラーリ 812スーパーファスト」。ちなみに812という数字は、最高出力800ps、12気筒を意味する。今回はこの最新作をフェラーリのテストトラックであるフィオラノ、そして周辺の一般道で存分に試すことができた。

V型12気筒自然吸気エンジンを長いフロントノーズの下に積み、後輪を駆動する基本レイアウト、そして車両骨格の基本部分は前作「F12ベルリネッタ」から引き継ぐが、そのエクステリアは一新されている。

目をひくのは、まるで空気の流れを可視化したかのようなディテール。エンジンルームに多量の空気を取り込み、効率よく冷却し、ダウンフォースを稼ぎだす。見えないはずの空気の働きを、目に見える形に変えたフォルムは、比類のない凄みを醸し出している。F12ベルリネッタは美しいクルマだったが、実現していたパフォーマンスに対して、やや大人しく見えたという思いもデザイナー陣にはあったようである。

もちろん、すべてのデザインは機能に通じている。床下の3つの可動式フラップ、フラットフロア、大型化されたリアスポイラーなども相まって、ダウンフォースを引き上げつつドラッグの低減を達成しているのだ。

操縦性を高めたコックピット、心臓には超高回転型エンジン

インテリアも完全に仕立て直されている。操作系、あらゆる表示のすべてが手元にまとめられ、ドライバーズシートは操縦に没頭できる環境に。面白いのはダッシュボードのナビシート側に装備されたパッセンジャースクリーンだ。このタッチパネルを使って、オーディオ、空調、ナビゲーションなどの設定が可能なほか、速度計や回転計、「マネッティーノ」のセットアップを表示させることなどが可能になる。

エンジンスタートは、ステアリングホイール左下の赤いボタン。やや長めにプッシュし続けると、勇ましい快音とともにV型12気筒ユニットが目を覚ました。

歓迎すべきことに自然吸気が踏襲されたこのエンジンは、ストロークアップによって排気量が従来の6.3Lから6.5Lに拡大されたほか、350barという高圧の直噴システム、連続可変長インレットダクトの採用など、実に全体の75%を刷新することで、前述の通り最高出力800psと、最大トルク718Nmを獲得している。しかも、この排気量にしてレヴリミットは8900rpmという超高回転型とされているのだ。

控えめに言ってもサイコーなV型12気筒

全体にギア比がショート化された7速F1-DCTの右側パドルを引いてギアを1速に入れたら、いよいよスタートする。吹け上がりの滑らかさは期待通りだが、それ以上に唸らされたのは実用域のトルクの分厚さだ。改めてスペックを確認すると、最大トルクの80%を、すでに3500rpmから発生している。超高回転型エンジンとしては、驚異的なフレキシビリティと言えるだろう。

それも単に粘るだけでなく、どこから踏んでも粒の揃った心地よいサウンドを奏で、しかもそれが回転上昇に応じて断続的に音色を変化させていくのだから堪らない。思わず右足に力を込めると、このV型12気筒エンジンは加速度的に勢いを増しながら回転を高めていき、最後はまさに一気にトップエンドまで駆け上がる。甲高いというよりは、ややミドルレンジが強調されたサウンドが凄まじい音圧で炸裂する様には、陶酔させられるばかり。自然吸気のV型12気筒エンジン、控えめに言ってもサイコーだ。

F1-DCTのマナーは完璧で、しかもアップシフトの所要時間はマイナス30%を実現。AUTOモードもあるが、このエンジンを前にしたら変速をクルマ任せになんてしてはいられない。一定の回転数を下回れば自動でシフトダウンされるから、街中でもMANUALモードでエンジンを思い切り楽しむのが、このクルマの正しい乗り方である。

成熟したテクノロジーが頬を緩ませる

そんなパワートレインの悦楽に思い切り浸れるのは、シャシー性能が飛躍的に高められたおかげに他ならない。F12ベルリネッタはステアリングレスポンスがやや過敏で、それも相まってかリアの安定性にも物足りなさがあった。それが812スーパーファストでは、操舵に対してわずかなサスペンションの沈み込みを意識させつつ意のままにノーズが入っていくし、その際もリアの安定感をしっかり感じることができる。非常にナチュラルで、且つシャープなレスポンスには頬が緩みっぱなしになる。

それを可能にしたのは、まずは後輪操舵機構だ。最大2.15度まで、前輪と同位相に操舵を行なう。更に、フェラーリ初のスポーツEPS(電動パワーステアリング)も貢献度は大きい。通常のステアリングでは、後輪操舵でクルマの向きが更に変わっても操舵感にはフィードバックされないため、掌の感覚と実際の挙動にズレを感じがちとなる。しかしながらEPSならば、電子制御だけに後輪がステアした分を加味した操舵感を自在に作り出すことができる。つまり違和感無しに、よく曲がり、安定感たっぷりな挙動を実現しているのだ。

もちろん、それは緻密なセッティングの賜物であることは言うまでもない。EPSなど今さら珍しくも何ともないが、「新しい技術が世に出ても、私たちはすぐに飛びついたりはしません。フェラーリに採用するに相応しいレベルまで成熟した時、初めて搭載するのです」という開発メンバーの言葉、この走りを味わった後では、ただただ納得するばかりである。

多くの人をより安全に限界域へと誘う

それだけじゃない。812スーパーファストには他にも、EPSを活かした画期的なシステムが搭載されている。目玉と言えるのが、CT OFF(トラクション・コントロール・オフ)モードでの走行中、オーバーステアが出た際には、ステアリングの操舵力をカウンターステアを当てるべき方向に軽く、逆方向には重くすることで、ドライバーに的確なステアリング操作をうながし、コントロールを容易にする制御だ。

実際にフィオラノで試したところでは、リアがスライドしたところで自然に、必要な分だけのカウンターステアを当てての走行を、容易に楽しむことができた。初めてのコースで、800psのFRマシンで、そんな走りを可能にしたのだから、まったく大したものだと言うしかない。FRである意味、価値が、存分に発揮されたフットワークは、間違いなくこのクルマの最大のハイライトである。

F12ベルリネッタの美点のすべてが継承され、更なる高みに引き上げられた上で、不満をことごとく解消していた812スーパーファスト。進化したV型12気筒エンジンは場面を選ばず扇情的で、シャシーは一般道でもサーキットでも、極上の操る歓びに浸らせてくれた。筆者は正直、F12ベルリネッタでは速さを引き出すのに難儀したが、このクルマならもっとリラックスして限界域に踏み込める。特にフィオラノでは、許されるなら何周もして、その走りの世界を究めてみたいと、すっかり魅せられてしまった次第だ。

 

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スペック例

【 フェラーリ 812 Superfast 】
全長×全幅×全高=4657×1971×1276mm
ホイールベース=2720mm
駆動方式=FR
車両重量=1525kg
エンジン=6.5リッターV型12気筒DOHC
最高出力=588kW(800ps)/8500rpm
最大トルク=718Nm/7000rpm
トランスミッション=7速DCT
0-100km/h加速=2.9秒
最高速度=340km/h
タイヤサイズ=前:275/35ZR20、後:315/35ZR20
欧州複合モード燃費=14.9L/100km(≒6.7km/L)
使用燃料=プレミアムガソリン
車両本体価格=3910万円
発表日=2017年5月23日
デリバリー開始日=2017年末


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