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テスラに乗ってテスラを作っているロボットの製造工場を見学に行った

2017-8-29 17:30| post: biteme| view: 665| コメント: 0|著者: 文:塩見 智/写真:テスラ・モーターズ・ジャパン、編集部

摘要: 産業用ロボット大手は4強、日本メーカーは2社 2012年7月、アメリカ・カリフォルニア州フリーモントにある巨大な工場を訪れた。かつてGMとトヨタが合弁で設立したNUMMIだった場所だ。その後にテスラ・モーターズ(現 ...

テスラに乗ってテスラを作っているロボットの製造工場を見学に行った

産業用ロボット大手は4強、日本メーカーは2社

2012年7月、アメリカ・カリフォルニア州フリーモントにある巨大な工場を訪れた。かつてGMとトヨタが合弁で設立したNUMMIだった場所だ。その後にテスラ・モーターズ(現在はテスラ)の工場となった。テスラはここで現在も主力モデルとして販売する「モデルS」を生産している。訪れたのは、最初のモデルSが工場を出て、オーナーに引き渡される式典を取材するためだ。

広い場内の半分程度を使って、赤いロボットがモデルSを組み立てていた。EVが量産されるのを見たのはこの時が初めて。エンジンを組み込むセクションがないせいか、場内はクリーンで、オイル臭さも一切なかったのを覚えている。イーロン・マスクは、いつものようにややシャイな表情で自信満々の内容をしゃべっていたような気がするが、何を言っていたかはもう覚えていない。

その後のテスラの躍進ぶりは説明不要だろう。2000年代半ばまでは、当時多数生まれたEVベンチャーのひとつにしか見えなかった同社だが、モデルSをヒットさせ、「モデルX」を追加し、アメリカでは3万ドル台で買える「モデル3」も発売した(日本発売は19年)。今はフロア全体が組み立てロボットで埋め尽くされ、フル生産されているに違いない。

12年当時、工場内で見たロボットのアームにはクーカ(産業用ロボット大手)と書いてあったが、現在は、さまざまなメーカーのロボットを使っているという。一般に産業用ロボット大手は4強と言われる。クーカ、ABB、安川電機、そしてファナック(FANUC)だ。安川電機とファナックは日本企業。クーカはドイツ発祥だがこのほど中国に買収された。ABBはスイス。

JARA(日本ロボット工業会)によれば、15年末の段階で、日本国内で稼働する産業用ロボットの台数は28万6554台で世界最多。中国が25万6463台で肉薄するが、日本は5年前より減っているのに対し、中国は増えているので5年後には逆転されている可能性が高い。次いで米国の23万4245台、韓国の21万458台と続く。全世界で稼働する163万1650台のうち、アジアが88万7397台で54.4%を占め、次いで43万4403台の欧州が26.6%、南北アメリカが27万3607台で14.4%。ロボットの台数からも世界の製造拠点がアジアであることがわかる。

大人しい100Dの加速=4.3秒でもRS3やM3と同等

今回、テスラ・モーターズ・ジャパン(日本法人には依然「モーターズ」が付く)が、取引先である山梨県忍野村のファナック本社工場の見学ツアーを企画した。題して「テスラに乗ってテスラを作っているロボットを作っているファナックの工場を見にいこう」。大人の社会科見学といったところか。本格的にテスラ車を運転するのは初めてだという編集部・Tのドライブで関越道、圏央道、中央道をひた走り、富士山麓の忍野村を目指した。

往路に用いた「100D」はこれまで乗ったどのモデルSよりも乗り心地がよい。すでに12年の発売から5年、14年の日本発売から3年半が経過したモデルSだが、依然として生産精度は高まり、新しいモデルであればあるほど、ボディの剛性感が高く、シャキッとして感じられ、インテリアのクォリティも高い傾向にある。TはずっとモデルSのアクセルレスポンスのよさや乗り心地、回生ブレーキのかかり方などに感心しきり。「ここまでよくできているとは思いませんでしたね」。初めてテスラに乗った人はたいていそう感じる。

運転を代わる。最高出力の高いパフォーマンスモデル(「P90D」とか「P100D」のように頭に「P」が付くモデル)に乗る機会が多く、航続距離の長さを重視したPの付かないモデルに乗ったのは久しぶりだが、はっきり言って力強さはこちらで十分という気がした。どれくらい速さに差があるかというと100Dが0-100km/h加速が4.3秒、P100Dが2.7秒。P100Dになると市販車最速の部類に入るが、要る、そこまで? 4.3秒でも世間一般ではとても速いクルマの部類に入る。だいたい「アウディ RS3」とか「BMW M2」あたりと同じだ。ただし100DはP100Dに対し、いち充電当たりの航続距離が何割も上回るわけではない。P100DがNEDC(欧州の燃費計測モード)で613kmなのに対し、100Dは632km。値段は100Dが1246万8000円なのに対し、P100Dは1767万9000円へと一気に跳ね上がる。

ロボットはモーターとアームの組み合わせである

忍野村のファナック本社工場へ到着した。富士通グループのFA(ファクトリー・オートメーション)部門が1972年に分社化してできたファナック。ファナック=ロボットの企業というのが一般的なイメージだが、ロボット事業は80年代に入ってから始めたそうだ。それ以前は、わかりやすく言うとサーボモーターを生産する企業だった。モーターとロボットというのが直接的に結びつかなかったのだが、解説を担当していただいた、取締役専務執行役員・ロボット事業本部長の稲葉清典・工学博士に「ロボットというのはモーターとアームの組み合わせなのです」と教えられ、ハッとした。

アームとアームの間の関節の部分にモーターがあり、それらを組み合わせて動かすことでさまざまな動きが可能となる。直線的な動きをさせるには最低3軸(関節部分が3カ所)が必要で、そういうロボットを多関節ロボットという。現在は最大で6軸ロボットまで製品化されている。自動車のエンジンと同様、モーターには減速ギアが組み合わされ、回転速度を減じることで大きなトルク(力)を発することができる。例えば、場内には1.7トンの乗用車を持ち上げ、(組み付け作業などがしやすいよう)さまざまな角度に向けることができるロボット「M-2000iA/1700L」(ページトップ写真)が展示されていた。かつては1トン級の重量物を持ち上げるには油圧を用いていたが、角度を0.001度変えるといった精密な動きが可能な電気モーターを使ったロボットに切り替わりつつある。

このほか、パーツをA地点からB地点へと移動させるロボット、めくるめく速さでスポット溶接をこなすロボット、ランダムに流れてくるパーツをつかんで一定の向きに整えるロボット、自動車のボディを圧倒的な速さで塗装するロボットなど、さまざまな仕事を割り当てられたロボットを見学した。かつて人間が大勢で時間をかけてやってきたことをごく短時間で正確にこなす姿を見て、感動するとともに、ある種の怖さ、気味悪さのような印象も抱いた。特に同社が「ゲンコツロボット」と呼ぶパラレルリンクロボットが、ランダムにばらまかれた状態の3色の錠剤を恐ろしい速さで色別に完璧に仕分ける作業を見て、ロボットと人間の能力を比べても意味はなく(圧倒的にロボットの能力が優れているから)、否応なく人間がロボットを活用するしかないのだと感じさせられた。

ロボットも自動運転車両もコネクテッド化が鍵に

「弊社が目指しているのはゼロダウンタイムです」と稲葉博士。すなわちいくら高性能で作業効率が高くても、壊れて止まったら、人間が作業するほうがマシということになる。お客さまに高価なロボットを導入してもらうからには、“壊れない、壊れる前に知らせる、壊れてもすぐ直せる”ロボットでなければならない。壊れる前に前兆を把握できれば、稼働していない時間に対処し、ダウンタイムをなくすことができるというわけだ。このため、ファナックのロボットの多くはネットワーク化されており、その状態を通信によって別の場所で把握することができる。

こうした“コネクテッド”化は、自動運転車両にも必須の考え方とされるが、ロボットの世界も同様。AIがどんどん活用されるようになっているのも同じだ。また自動運転車両にも言えるが、ロボットを通信によってコネクテッドすることによって、ロボットの頭脳、すなわちコンピューター部分のいくらかをクラウドを経由して別の場所に置くことが可能となる。ロボットが置かれる環境は温度が高かったり埃が多かったりと、コンピューターにとって過酷な環境であるケースが多い。コンピューター部分を環境の整った別の場所へ置くことができれば、信頼性が増すし、別々の場所にあるロボットに同時にシステムのアップデートをかけることも可能だ。万一通信に問題が発生した場合に備え、ロボット単体にもコンピューターを残し、スタンドアローンで最低限の判断能力をもたせ、予期せぬ動きを防ぐ必要があるが。

この日、さまざまなデモを見て、ロボットの万能感に圧倒されたが、稲葉博士によれば、現状では柔らかいモノを扱うのが苦手だそうだ。例えば、ケーブルの先を狭い場所の奥にある部分に差し込むような作業は人間に勝てないと聞き、少しうれしかった。

見学を終え、今度はモデル「X 75D」で東京へ向けて走行中に考えた。このクルマの前後車軸それぞれに電気モーターが搭載され、4輪を駆動している。前述したとおり、そのモーターはアームと組み合わせられるとロボットになるのだ。つまり我々は今後ますます高性能コンピューターで制御されたモーターによって移動し、モーターによってあらゆるモノを生産する時代を生きることになるのだ。モーター不可欠時代。モーターさまさま時代。モーターを制するモノが世界を制する…のかもしれない。ま、コンピューターもモーターも電力がないと稼働しないから、結局は電力の時代というべきなのかもしれないが。


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