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新型レクサスLSは攻めたデザインと走りの楽しさで再び衝撃をもたらすか

2017-10-10 10:00| post: biteme| view: 460| コメント: 0|著者: 文:石井 昌道/写真:トヨタ自動車

摘要: ジャーマン3が躍進を遂げる一方で… 初代モデルの衝撃を超える、というのが新型LSの開発コンセプトだそうだ。初代LSは日本車ヴィンテージイヤーともいわれる1989年に登場。当時のプレミアムカー市場はドイツ車と、ま ...

新型レクサスLSは攻めたデザインと走りの楽しさで再び衝撃をもたらすか

ジャーマン3が躍進を遂げる一方で…

初代モデルの衝撃を超える、というのが新型LSの開発コンセプトだそうだ。初代LSは日本車ヴィンテージイヤーともいわれる1989年に登場。当時のプレミアムカー市場はドイツ車と、まだ元気だったアメリカ車が牛耳っていたが、新規参入のレクサスLSは、圧倒的な静粛性と快適性、品質の高さで北米を中心に人気となり、レクサスの礎を築いた。ディーラーでのおもてなしの良さも受けて、伝統にそれほど大きな価値を感じない北米マーケットを席巻したのだ。

その後のレクサスの業績とブランドイメージは順調に右肩あがりで成長してきたかといえば、そうとも言い切れない。もちろん成長はしているのだが、おもにドイツ勢、いわゆるジャーマン3などのほうが歩みのスピードが早かったのだ。品質、信頼性の高さはかつての日本車の独壇場だったが、ここ四半世紀で世界中のメーカーがトヨタ生産方式を採り入れたことで優位性としては薄れた。無駄をなくす効率性の高さだけではなく、品質性の高さもトヨタ生産方式の特徴だからだ。

加えて2000年代のドイツ勢はユーロ導入による好景気で設備投資が進み、ハイクオリティなボディ造りや多様なパワートレーンに邁進した。もともとの持ち味であったハイスピード域での走りの良さに磨きをかけるなどしてジャーマン3は躍進を遂げ、レクサスを突き放してきたかっこうだ。

攻めの姿勢が目立つ内外装デザイン

そんな背景のなか生まれてきた新型LSは、とにかく攻めの姿勢が目立つ。近年のレクサスは本質的な走りを磨くべく、ボディ造りのクオリティアップにも目覚め、様々なトライをしてきたが、GA-Lと呼ばれるプラットフォームはその集大成。初採用のLCは高い評価を得ている。

大胆なデザインも近年のレクサスの特徴だが、LSはコンサバティブな正統派セダンの枠に収まることをよしとせず、クーペ風シルエットを採用した。ジャーマン3のようにラインアップが多ければ、遊び心のあるクーペ風にも手が出しやすいが、そうではないレクサス、それもフラッグシップでの採用には葛藤もあったのでは? と疑問を持ったが、開発陣、デザイナーともに、攻めの姿勢を貫いているので迷いはなかったという。

ただし、クーペ風シルエットの採用によって懸念される後席の居住性にはしっかりと配慮がなされている。一般的にクーペはルーフピーク(天井の一番高いところ)が前席上あたりに位置するが、LSは後席頭上にあるので空間の余裕は従来モデルとさほどかわらない。また、サイドウインドーのグラフィックはクーペ風らしく後端が尖ったものとなっているが、ウインドーの分割を増やして4ライトから6ライトにしているので、乗り込むときに開けたドアの先端が邪魔になることはない。

ちなみに6ライトのセダンは採用を決断したときには世界に存在しなかったが、新型ポルシェ・パナメーラが先を越すカタチになったそうだ。大胆さは各部ディテールにも及び、面構成などは複雑だが、全体として見ると意外やシンプルに映るのはデザイナーの技が光るところである。

デザインの攻めに関してはインテリアにも数多く目にすることができる。ガラスを素材に用いた切り子細工調のオーナメント、折り紙のようなハンドプリーツのトリムなどは、オーダーメイドプログラムが進んでいる超ハイブランドでもお目にかかれないアイテム。空間の佇まいとしては航空機のコクピットのようなスポーティなものではなく、伸びやかで広がり感のあるイメージ。近代的なオペラハウスからヒントを得たラップアラウンドな世界観が表現されている。

ダンピングが効いたフラットな乗り心地。静粛性も向上

新型LSの試乗は、初代LSが初めてアメリカの地を踏んだというサンフランシスコ近郊で行われた。走り始めてすぐに、観光地としても有名なゴールデンゲートブリッジを渡ることになったが、ここには日本の首都高速のような目地段差があり、きつめの入力に見舞われる。ドスン、ドスンと20インチのランフラットタイヤが叩かれるが、GA-L採用によって強靱なボディ剛性が確保されているので大入力にもしっかり対応している。しかしながら、勝手に抱いていたLSに対するイメージとは少々違った。乗り心地が想像よりも引き締まった印象なのだ。時を前後して従来型LSにも試乗したが、そちらはかなりソフトタッチで、昭和の時代からトヨタの高級車の特徴だった走る応接間よろしく入力をとにかく丸めてしまおうという乗り味だ。

それに比べれば大きな入力があった瞬間は尖って感じられるが、そこを超えてからはボディの上下動が一発で収まり、乗員が揺さぶられない。低速域ならば従来モデルも快適だが、ある程度速度がのってくるとブワブワとした感覚でかえって不快に感じられる。本質的には新型のダンピングが効いたフラットな乗り心地のほうが快適だろう。とくに高速道路での長距離移動ではメリットが光るはずだ。

直進安定性でも大幅な改善がみられた。中立付近の座りの良さ、微舵域での反応の素直さなどは桁違いに良くなっている。ただ、そこはジャーマン3もハイレベル。凌駕したとまではいかないかもしれないが、少なくとも肩を並べたレベルにはある。

GA-Lは各ユニットを低く配置して低重心化を図るとともに、乗員の座らせ方も理想を追求。LSは従来モデルに比べるとヒップポイントが下がっていて、ステアリングやペダルなどとの位置関係がよく、シートのフィット感もいいので、全体的にロングドライブ向きの特性を得ている。

LSの伝統ともいえる静粛性についても進化がみられた。エンジンルームからの侵入音、風切り音、ロードノイズとも低いレベルに収まっていて、最近著しく静粛性の進化をみせるジャーマン3を凌駕するレベル。ただし、すべてが静かになったなかで、バランス的にはロードノイズが耳につくことがあるのも事実。エンジン音や風切り音は状況的な判断からノイズが増しそうだという予測がつくが、路面の変化によっていきなり大きくなったりするロードノイズは耳障りになりやすいのだ。路面による変化幅がもう少し抑えられれば、ノイズの聞こえ方のバランスがより良くなるように思える。

ワインディングでは従来モデルと段違いの俊敏性を発揮

ハイウェイの後は、LSには少々狭いワインディングロードも走った。ほんのちょっとでもクルマとドライバーのズレがあるとセンターラインをオーバーしそうな状況だったが、LSは実際よりもボディが小さく思える感覚でスイスイとコーナーをクリアしていった。

とくにF SPORTは一体感が高い。スタンダードモデルと比べると専用のサスペンション、アクティブスタビライザーが装着され、リアタイヤが太くなり、リアステア機能や可変ステアリングレシオなどを含めて統合的に制御するLDH(レクサスダイナミックハンドリング)が装着されている。全体的にシャシー性能が強化されていることに加え、リアのグリップ限界があがっていることでよりノーズを機敏に動かしてもバランスがとれる。そのおかげもあって、ステアリング操作に対するノーズの動きが正確に感じられ、綺麗にラインをトレースしていけるのだ。

それに比べるとスタンダードモデルはホイールベースの長さを意識させられることがある。ただし、ステアリングフィールに関してはスタンダードモデルのほうがピシッと締まっていて良好。LDH付きはリアステアとの制御の兼ね合いでときおり手応えが甘く感じられることがあるのが惜しい。それにしてもLSがワインディングロードをこれほどスポーティに俊敏に駆け抜けていくことには驚いた。従来モデルとはまったくイメージがかけ離れているのだ。

高級車に相応しい特性を持つ3.5L V6ツインターボ

ガソリン車の3.5L V6ツインターボ・エンジンはLSから初採用された新規ユニット。LCには残された5.0L V8 NAは477PS、540Nmだが、こちらは422PS、600Nmとなる。つまりパフォーマンスは同等かそれ以上で燃費性能では改善されたダウンサイジング・コンセプトだ。

世界中のトレンドとなっているコンセプトであり、レクサスおよびトヨタでも2.0Lターボはすでにリリース。高性能なタービンを内製するなど技術的には世界トップクラスにあるが、ドライバビリティとなると話は別。今どきの技術を持ってしてもターボラグは消しきれないものだが、長年ディーゼルでターボと付き合ってきた欧州勢の一部優秀なメーカーは、ウエストゲートバルブの働かせ方やトルコンとの連携など細かなノウハウの積み重ねがあってドライバビリティに磨きをかけている。燃費と相反するところもあるので、トータルで良くするのはなかなか難しい作業だ。

新しい3.5L V6ツインターボはそんな背景を鑑みつつ気合いを入れて開発してきたようで、ターボラグをドライバーに感じさせないよう、アクセル操作に対して鋭いレスポンスでグイグイと反応してくる。右足に力を込めれば600Nmの分厚いトルクでモリモリと加速してくれるのが頼もしい。5.0L V8 NAは乾いたサウンドでリニアに加速していくのが楽しいが、LSの3.5L V6ツインターボは控えめな音量でトルクフル。どちらかといえば縁の下の力持ち的な存在であり、高級車に相応しい特性だといえる。

中・高回転までスムーズにパワーの落ち込み感もなく回り、10速ATのリズミカルで小気味いいシフトも楽しめるがレブリミットは6300rpmほど。ハイブリッドではなくあえてガソリン車を選ぶ人はそれなりに走りを楽しみたいと思っているだろうことを考えると、もう少し回ってくれてもいいかと思う。

総合的にはハイブリッドが魅力的に感じる

LCから採用されたマルチステージハイブリッドはV6 3.5L NAエンジンと電気モーターを組み合わせる。従来モデルのV8 5.0L NAのハイブリッドに比べるとエンジン的にはスペックダウンとなるが、有段ギアと組み合わせて10段変速制御となったことで従来以上の駆動力を誇るという。

たしかにアクセルを踏みつけて走らせると想像するよりずっと元気。レブリミットは6600rpmとターボより回るから、なんだか楽しかったりする。ただし、全体的にエンジン回転数が高くなっているのでEV走行の無音状態との落差は少々大きくなったような気もする。だが、絶対的にはハイブリッドのほうが静粛性は高く、重くなる車両重量が乗り心地に落ち着きをもたらすという効果もあった。それなりに走りも楽しめるので、総合的に考えればハイブリッドのほうが魅力的かなとは思う。

新型LSの衝撃は、コンサバティブにまとまることを嫌い、大胆なクーペ風フォルムと凝りに凝ったインテリア・デザイン、かなりドライバーズカー寄りに振った走りにある。とにかく持てる力をフルに発揮して攻めの開発をしてきたのだ。ジャーマン3をキャッチアップするのが目標ではなく、進取の気性に富んでいることこそ、今のレクサスの持ち味。次はどんな大胆な手口で驚かせてくれるのか、楽しみになってきた。


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