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2020年の実用化を目指す住友ゴムのタイヤセンシング技術はどこがすごいのか

2017-5-28 10:00| post: biteme| view: 486| コメント: 0|著者: 文:竹町 昭男/写真:編集部

摘要: タイヤ空気圧低下警報装置の技術を発展、進化 路面の状況は運転席では正確に把握しにくい。例えば雨の日に、滑りやすい路面が事前にわかったら事故は減らせるだろう。そこで、タイヤのグリップ状況を観察して危険予 ...

2020年の実用化を目指す住友ゴムのタイヤセンシング技術はどこがすごいのか

タイヤ空気圧低下警報装置の技術を発展、進化

路面の状況は運転席では正確に把握しにくい。例えば雨の日に、滑りやすい路面が事前にわかったら事故は減らせるだろう。そこで、タイヤのグリップ状況を観察して危険予知につなげる技術開発が各方面で進んでいる。中でも住友ゴムが今回発表した「SENSING CORE(センシングコア)」は、実用化の可能性が極めて高い次世代タイヤセンシング技術として注目すべき新技術といえる。

センシングコアはタイヤ空気圧低下警報装置のDWS(Deflation Warning System)の技術を発展、進化させたものだ。実は住友ゴムはDWSの開発先駆者で、1997年のトヨタ・シエナ(北米向けミニバン)搭載から累計2500万台以上の採用実績を誇る。

DWSには直接式と間接式があって住友ゴムの方式は後者。主にABSの車輪回転パルスを流用してソフトウェアを組み込むタイプなので、電源や通信システムが必要な直接式に比べて耐久性とコスト面で圧倒的に有利だ。欧米では既にDWSが法律で義務化されたこともあって、純正装着車が拡大している。

既存のセンサー類を活用。タイヤの摩耗や損傷も判別可能

DWSは技術的に難易度が高く、市場に供給できるのは現状で住友ゴムの他2社(コンチネンタル、ナイラ)に限られる。何が難しいかといえば、車輪回転パルスは路面のうねりや凹凸、タイヤのユニフォミティ(均一性)による回転ムラなど不要な情報が混ざって送られてくる。こういったノイズをいかに巧みに取り除き、知りたい情報だけピックアップできるか、という点が難しいのだ。

タイヤの空気圧が抜けると、動荷重半径が小さくなり回転数が高まる。住友ゴムのDWSは、回転数とタイヤ固有振動数の変化を同時に読み取って精度良く空気圧低下を感知する。当初、この方式では自然減のような4輪同時の空気圧減少が検知できなかったが、クルマの舵角とヨーレイトの遅れを比較するように改良。2004年ごろから4輪同時空気圧低下も検知できるように進化している。

センシングコアは、DWSからさらに発展して、路面の摩擦係数(滑りやすさ)やタイヤ個々にかかる車重を識別できる点が新しい特徴だ。将来的にはタイヤの摩耗や損傷も判別可能にするという。既存のセンサー類を活用するため、追加のセンサーやハードウェアは一切不要。ソフトウェアの開発だけで実現できる点が素晴らしい。

冬場の凍結やハイドロプレーニング発生箇所を把握して警告

センシングコアを搭載したレクサスRXのデモンストレーションを見せてもらった。まず3分ほど摩擦係数の高いアスファルトを走行してキャリブレーション(状況を正しく検知するための初期値の調整)を行う。これで、例えばスタッドレスなど、どんなタイヤを装着していても路面の違いが検知可能になる。タイヤ特性はバックグラウンドで継続的に更新され、経時変化にも対応する。

路面の摩擦係数は、車体速度とタイヤ回転速度の差から算出する。乾いたアスファルトの摩擦係数は約0.8で、発進時や制動時の車体速度とタイヤ回転速度はほぼ比例している。そこから摩擦係数0.3程度の滑りやすいウエット路面に入ると、瞬時にタイヤのスリップ率が増加していることがわかる。

摩擦係数0.3というと、敏感なドライバーなら「ちょっとヌルヌルして滑りやすいな」と把握できるだろうが、そういったことに気付かないドライバーも多い。データはノイズが完璧に除去され、左右輪の路面が異なる「スプリットμ(ミュー)」でも大変わかりやすい摩擦円を描いていた。これでハイドロプレーニング発生箇所や冬場の凍結箇所が把握できる。

現時点ではドライバーへの警告が可能で、今後はビッグデータも活用して、事前に滑りやすい路面を後続車が把握できるような危険予知の使い方を目指す。2020年の実用化に向けてカーメーカーと共同研究を進めているという。

タイヤ4輪個々の荷重はタイヤ回転数と固有振動数から判別する。荷重が増えた場合は動荷重半径が減少してタイヤ回転数が上昇すると同時にタイヤ固有振動数の振幅が増える点から検知する。今回は荷重200kgのほぼ正確な検知に成功した。しかし、200kgというとかなり重い。将来的にはもっと軽い荷重でも精度良く把握可能にして、ブレーキやESC(横滑り防止装置)の制御最適化に用いることを目標にしている。

特許技術を持つパンク修理キットも紹介

DWSはランフラットタイヤとの組み合わせでスペアタイヤレス化に不可欠なデバイスだが、住友ゴムはこの分野でもう一つ有益な商品を展開している。パンク修理キットだ。IMS(Instant Mobility System)と呼ばれ、ダンロップテック(住友ゴムのドイツ子会社)が開発。1996年にメルセデス・ベンツSLKが世界初搭載した。国内では軽自動車を中心に普及が進み、現在では7~8割の車両が採用中。住友ゴムは50%程度のトップシェア(同社調べ)を保持しているそうだ。

住友ゴムのIMSはパンク修理材に天然ゴムを活用した点が特徴で、コンプレッサーを収めた小型ボックスに修理材入りのタンクを逆さにしてカチッと組み込める部分が使いやすい。この機構と修理材は特許技術だという。空気と修理材をエアバルブからタイヤに送り込んだ後、10分程度走行するとパンク穴に修理材が浸透。熱と圧力で固まってエア漏れしなくなる。4mm以下の釘穴で釘が刺さったままなら修理可能、そのまま走行して修理工場に向かえる。その後、基本的にはタイヤ履き替えを推奨するが、釘穴が小さければ修理材を除去した上で修復できる場合もある。

IMSは非ランフラットタイヤ車でもスペアタイヤレス化ができるのが重要ポイント。スペアタイヤは通常10kg以上と重く、スペースを取り、使わずに廃棄されるものが非常に多い。約1.5kgと軽量でコンパクトなIMSは資源節約、スペースの有効活用、軽量化による省燃費も期待できる。将来的には降車せずに、あるいは走行中でもIMSが使えたら、と期待したくなるが、現時点でもメリット多大な製品であることは間違いない。


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