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市販車ニュル最速タイムを記録した「ウラカン・ペルフォルマンテ」の実力

2017-6-7 17:45| post: biteme| view: 342| コメント: 0|著者: 文:吉田 匠/写真:ランボルギーニ・ジャパン

摘要: 918スパイダーを凌駕する最速ラップ 今や世の高性能車やスポーツカーの総合的な能力を示す最も有効な指標となっている感のある、ドイツ・ニュルブルクリンクの全長20.8kmに及ぶ北コース、ノルトシュライフェのラップ ...

市販車ニュル最速タイムを記録した「ウラカン・ペルフォルマンテ」の実力

918スパイダーを凌駕する最速ラップ

今や世の高性能車やスポーツカーの総合的な能力を示す最も有効な指標となっている感のある、ドイツ・ニュルブルクリンクの全長20.8kmに及ぶ北コース、ノルトシュライフェのラップタイム記録。そこに去年の秋、大きな変化があった。

レーシングカーやサーキット専用車を除いた市販ロードカー部門でこれまで最速の記録は、2013年9月4日にポルシェ918スパイダーがマークした6分57秒というタイムで、これはしばらく破られることはないだろうと言われていた。

ところがそれからおよそ3年後の2016年10月5日、ランボルギーニ ウラカン・ペルフォルマンテなるスポーツカーが、918のタイムをほとんど5秒も短縮する6分52秒01のラップを記録、世界を驚かせたのだった。

では、ウラカン・ペルフォルマンテとはどういうクルマか、という話をする前に、前記録保持車、ポルシェ918スパイダーはいかなるクルマか。パワートレーンは4.6リッターV8と2基の電気モーターによるハイブリッドで、モーターのひとつが前輪を受け持つ4WD。エンジン出力は608ps、モーターを加えたトータルのパワーは887ps。車重1674kgで、パワーウエイトレシオは1.89kg/ps、0-100km/h加速は2.6秒、最高速は345km/hとされる。

最速ラップを成し得た“攻めの4項目”とは?

一方のウラカン・ペルフォルマンテは5.2リッター自然吸気V10という、今や古典的といえるエンジンによる4WDで、パワートレーンに電気モーターは存在しない。エンジンは吸排気系に手を入れ、バルブリフト量を増やすと同時にバルブ自体をチタン製に変更、排気管の配置を変えるなどした結果、ウラカンクーペからパワーで30ps、トルクで40Nmの増強を達成し、640ps/8000rpmと600Nm/6500rpmを絞り出す。

車重は乾燥重量で1382kgと軽く、パワーウエイトレシオは2.16kg/psという値になる。ランボルギーニはペルフォルマンテを仕立てるにあたって4つの項目を攻めているが、エンジンのスープアップと並ぶ、2つ目の柱が軽量化だった。カーボンにレジンを混入したフォージドコンポジット材の採用などによって、40kgの減量を達成している。

それらの結果、ペルフォルマンテは7段DCTを介して0-100km/h加速2.9秒、0-200km/h加速8.9秒、最高速325km/h以上、というパフォーマンスを手に入れている。が、しかし、この動力性能の数値は、ポルシェ918スパイダーには及んでいない。つまりペルフォルマンテは、動力性能以外の部分で、918にラップタイムで5秒もの差を与えているわけだ。

足回りもサーキット向けに徹底チューン

ペルフォルマンテの攻めの項目その3はシャシー、すなわちサスペンションである。4輪ダブルウィッシュボーンのそれに対する強化の手は、スプリング、スタビライザー、ダンパー、それにブッシュにまでおよび、ノーマルのウラカンクーペに比べて垂直剛性が10%、ロール剛性が15%アップ、ブッシュの剛性も50%上がっている。

もちろんダンピングも強化され、オプションで磁気粘性ダンパーが選択可能とされているが、今回われわれが乗った試乗車は全車、磁気粘性ダンパーを装着していた。ホイールはブロンズ色に塗られたペルフォルマンテ専用の20インチ鍛造リムが、これも専用設計のピレリ・Pゼロコルサと組み合わせられる。

ステアリングは電動パワーアシストが標準で、ギア比可変のランボルギーニ・ダイナミック・ステアリング=LDSをオプション装着可能だが、いずれも最大のフィードバックとレスポンスが得られるよう、ペルフォルマンテ専用のセッティングが施されている。

さらにブレーキは、フロントが6ピストン、リアが4ピストンのキャリパーを備える、カーボンセラミックディスクが標準で与えられる。

空力負荷を能動的にコントロールする「ALA」

ペルフォルマンテを開発するにあたり、ランボルギーニが攻めた4つの項目の最後のひとつが、空力を徹底的に洗練させることだった。で、その結果として生み出された手法が、エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ=ALAである。

これは大きくいうと2系統に分かれたシステムで、そのひとつがフロントスポイラーからインナーチャンネルを通じてボディ後部にエアを流す系統、もうひとつがリアのエンジンフードに設けられたエアダクトとペルフォルマンテ専用のリアウィングによる系統だ。

まずはフロントからのエアの流れの話をすると、ハードなブレーキングやコーナリング中にはALAがオフになり、フロントのアクティブフラップが閉じて、主にボディ前部に大きなダウンフォースを与える。結果として、ブレーキング時やコーナリング時の挙動が安定するわけだ。

その一方で、ストレートを加速中などにはALAがオンになり、スポイラーのフラップが開いてフロントの抵抗を減らすと同時に、ボディ内側のチャンネルにエアを導き、それをボディ後方底部にスムーズに流す。結果として空気抵抗が減り、高速での加速や最高速の上昇を促すことになる。

高速コーナーでは「エアロベクタリング」が効果を発揮

リアのエンジンフードに仕込まれたALAは、さらに複雑な作動をする。フード下には4本のダクトがあり、内側の2本はエンジンルームの換気と冷却のために常に開いているが、外側の2本は電子作動フラップで開閉し、リアウィング内のチャンネルに連結している。

ALAがオフのときにはリアのフラップも閉じて、ペルフォルマンテ専用のウィングがノーマルのウラカンクーペの750%増という強烈なダウンフォースを発生、コーナリングおよびブレーキング時のリアのスタビリティを大幅に高める。

一方、加速時にはALAがオンになってリアのフラップが開き、ウィングのインナーチャンネルに空気が流入、それがウィング下に導かれて空気抵抗を削減し、高速での加速とトップスピードの上昇をアシストする、という具合いである。

さらに、リアウィング内側のチャンネルは左右に分かれていて、高速コーナリング時にはクルマが曲がる方向に応じてALAの設定を左右で切り替える。そうすることによって、コーナリングする内側のホイールにダウンフォースを与え、リアの安定とトラクションの増加を図るのだが、これをランボルギーニは「エアロベクタリング」と呼ぶ。

それらフラップやダクトの切り替えはすべて、ランボルギーニ・ピアッタフォルマ・イネルツィアーレ=LPIと呼ばれる電子制御機構が状況に応じて自動的にコントロールするので、ドライバーがスイッチングする必要はまったくない。

なお、これらALA関連のメカニズムについては、ランボルギーニがすでに特許を取得しているという。

いよいよイモラサーキットにコースイン

さて、そのウラカン・ペルフォルマンテを走らせるグローバル試乗会の舞台は、ランボルギーニの本拠サンタガタから遠からぬイモラサーキット。かつてF1サンマリノGPの舞台に使われ、1994年、ウィリアムズ・ルノーF1に乗るアイルトン・セナの命を奪った場所としても知られる高速コースだ。

そこでは、1台のインストラクターのウラカンをジャーナリストの乗る3台のペルフォルマンテが追走するが、「ストラーダ」「スポーツ」「コルサ」の3走行モードを司るANIMA(アニマ)にもペルフォルマンテ専用のセッティングが与えられている。

前後駆動力配分は、通常走行用の「ストラーダ」で50:50、テールスライドなどをエンジョイするのに適した「スポーツ」で40:60、サーキットを安定して速く走ることに特化した「コルサ」では45:55となる。

しかも、ハードコーナリング中の左右リアホイールに作用する「エアロベクタリング」は、コルサ選択時のみ作動するというのも、コルサのキャラクターを示すポイントのひとつだ。

最初にコクピットに収まったのはマットなオレンジの1台で、シートはバックレスト固定のバケットだった。できればもう少しバックレストを寝かせたいと思ったが、チルトの他にテレスコピックも可能なステアリングを調整すると、ドライビングポジションは違和感なく決まった。

Aピラーは決して細いとはいえないが、かなり前方でフェンダーに収束しているためか、意外なほど視界の邪魔にならない。ミドエンジンスーパースポーツの常で、後ろの視界はそれなりだが、左右のドアミラーからの後方視界は悪くない。

ブレーキング時やスピードの伸びにALAの効果を感じる

インストラクターの乗るペルフォルマンテではない標準型ウラカンを、ジャーナリストが乗った3台のペルフォルマンテが1ラップごとに走行位置を入れ替えながら追走、最後のクールダウンを含めて4ラップするのが1スティント。

まず「ストラーダ」で走り始めると、ステアリングやスロットルのレスポンスがマイルドで、コーナーへの進入も脱出も強すぎぬアンダーステアに終始、乗り心地もけっこう柔らかく、安定した挙動を重視する公道用モードであることを感じさせる。

「ストラーダ」から「スポーツ」に切り替えると、ぐっと身が引き締まる感じで、すべてのレスポンスが素早くなる。駆動力配分が50:50から40:60に変わることから、コーナー脱出時には踏み方によってテールがムズムズする感触があって、緊張感がある。だがそれでも、コーナー進入の際のブレーキング時にはクルマの挙動がピタリと安定しているのは、まさしくALAの恩恵だろう。

さらに、サーキットを速く走るためのモード「コルサ」を選ぶと、またまた印象が変わる。身のこなしは「スポーツ」と同様にクイックでありながら、挙動は一段と安定していて、スロットルオフの減速時やブレーキング時はもちろんのこと、スロットルを踏み込んでコーナーから脱出する際にも弱いアンダーステアをキープし、素早く立ち上がっていく。エアロベクタリングも確実に効いているのだろう。

その一方、もうひとつのALAの効果で、高速でのスピードの伸びが素晴らしいことも鮮烈に印象に残った。2カ所で緩く曲がりながら続くホームスタンド前のストレートでは、インストラクターのクルマを追って6速で全開をくれると、自然吸気V10が頭の後ろで刺激的な爆音を奏でながら想像以上の勢いでスピードを上げていき、デジタルメーターの数字は軽く260を超えようとしていた。

安定した挙動とコントロール性の高さに脱帽

そうやって少しずつだがクルマとサーキットに馴染んだ最後のスティント、それまでよりもリラックスしてペルフォルマンテと対話できるようになったところでそのもうひとつの面を味わってみたくなり、ANIMAを「コルサ」から「スポーツ」に切り替えてみた。

そうしてコース前半の頂点に位置する鋭角な左コーナー、Tosa(トサ)を抜けるところでスロットルを深めに踏み込んだら、想像していたよりはっきりと、テールがスーッと流れた。しかしそこであわてず騒がずスロットルを少し緩め、カウンターステアを切ったら、ペルフォルマンテはスムーズに姿勢を回復、本来の方向に向かって加速を始めたのだった。

640ps、パワーウエイトレシオ2.16kg/psのミドエンジンスーパースポーツのテールをスライドさせながらタイトベンドを脱出するなど、普通はまず経験できることではない。たったひとつのコーナーにすぎないけれど、それを見事にやってのけさせてくれたペルフォルマンテの能力の高さには、思わず脱帽させられる思いだった。

イモラでの試乗が終わった時点で、プレゼンで流されたビデオを思い出した。それは開発部門チーフのマウリッツィオ・レッジャーニがノルトシュライフェで最速タイムをマークしたドライバー、マルコ・マペリの労をねぎらうシーンだが、そこでマペリが語ったのは「いや、僕は普通に走っただけで、何も特別なことはしていませんよ」という言葉だった。この言葉、誇張ではなく彼の本音だったに違いない。

ロードカーとしての適性も見事に示してくれた

サーキットでの試乗が終わると、今度はペルフォルマンテを公道に連れだした。いかにノルトシュライフェのレコードホルダーとはいえ、こいつはれっきとした公道用スーパースポーツだからだ。そして実際ペルフォルマンテは、ロードカーとしての適性を見事に示してくれた。

ANIMAを「ストラーダ」にセットして走れば、乗り心地は充分に許容の範囲にあるし、排気音も炸裂しないレベルに抑えられているので、周囲を気にせず市街地を流すこともできる。もちろん、エンジンやトランスミッションが低速走行を苦にしないのは、あらためていうまでもない。

郊外のワインディングロードに出たら、「ストラーダ」のままでも愉しめるが、その気になったら「スポーツ」を試す手もあるかもしれない。ちなみにALAによるエアロダイナミクスは70km/hから効果を発揮するというから、公道上でもその恩恵にあずかることは可能なわけだ。

サンタガタ・ボロネーゼの熱きスポーツカーガイたちが生み出したウラカン・ペルフォルマンテ。それはニュルブルクリンク北コースを他のどのロードカーよりも速く駆け抜ける実力を持ちながら、街中を流すこともできる二面性を備えた驚くべきスーパースポーツだった。日本での税込みプライスは3416万9904円、ウラカンのなかで最も高いが、その価値はあるクルマだと思う。

スペック

【 ウラカン・ペルフォルマンテ(Huracan Performante)】
全長×全幅×全高=4506mm×1924mm×1165mm
ホイールベース=2620mm
車重=1382kg
駆動方式=4WD
エンジン=5.2リッターV型10気筒DOHC・直噴ドライサンプ
最高出力=470kW(640ps)/8000rpm
最大トルク=600Nm/6500rpm
トランスミッション=7速DCT
0-100km/h加速=2.9秒
0-200km/h加速=8.9秒
最高速度=325km/h
サスペンション=前後:ダブルウィッシュボーン式
タイヤサイズ=前:245/30R20、後:305/30R20
欧州複合モード燃費=13.7L/100km
使用燃料=プレミアムガソリン
車両本体価格=3416万9904円


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