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ライバルを凌ぐパワーと安定感、歴代最速のアウディTT RSクーペが愉しい

2017-6-23 15:00| post: biteme| view: 335| コメント: 0|著者: 文:山田 弘樹/写真:篠原 晃一

摘要: ゾクッとする目覚め 新型アウディTT RSクーペの低い着座位置のコクピットに収まり、小さなステアリングに備え付けられた赤いスターターボタンを見て、ちょっとだけゾクッとして、そのあと嬉しくなった。だってこれ、 ...

ライバルを凌ぐパワーと安定感、歴代最速のアウディTT RSクーペが愉しい

ゾクッとする目覚め

新型アウディTT RSクーペの低い着座位置のコクピットに収まり、小さなステアリングに備え付けられた赤いスターターボタンを見て、ちょっとだけゾクッとして、そのあと嬉しくなった。だってこれ、5.2リッターV10を搭載する兄貴分の「R8」と同じじゃないか。

そしてコイツをプッシュすると、2480ccの排気量を持つ直列5気筒の直噴ターボは“ドルンッ!”とドスの効いたサウンドを一発響かせて目覚めた。最大のライバルであろう「ポルシェ 718ケイマン S」よりも少し獰猛な寝起きである。いや、直接比べるならばまだ718系では姿を現していない「ケイマン GT4」になるのだろうか。

乗り味はちょっと驚くほどハード

今回の試乗ステージは、都会から比較的ツイスティなワインディングまで。豪雨と霧をひと山越えて逃げてきた甲斐あって、路面はドライ。それでもまずは様子を見るために、ドライブセレクトは「オート」のままゆっくりと走り出す。

……ちょっと驚くほどの、ハードな乗り味だ。現代的なハイパフォーマンス・スポーツカーたちが、こぞって上客のために乗り心地の良さをアピールしているのに対して、この新型TT RSはそんなことまったくお構いなし! という雰囲気である。

ただ、その乗り心地を吟味していくと、硬さの中から様々な情報を感じ取ることができた。スプリングレートは、固められているけれどほどほどだ。R8と同じマグネティックライド・ダンパーは、ほどよく伸び側が緩められている。つまりステアリングにはダイレクトに路面からの入力が伝わり、お尻にはシートごしに突き上げがコツコツと響いてくるけれど、クルマそのものは跳ねない。

だからこのゴツゴツ感は、20インチにまで大径化されたピレリP ZERO特有の剛性と、30扁平のサイドウォールによる縦バネが主に作り出しているのだろう。ただ30扁平とはいえ20インチの大径タイヤだから、エアボリュームはそれなりにあるはず。なのにこれだけ反発感があるのは、9Jというリム幅がタイヤを引っ張っているせいかもしれない。

抜群の旋回性能による鮮やかなコーナリング

アクセルを踏み込んでいこう。やはり象徴的なのは、20インチタイヤが作り出すグリップ感だ。

ドライブセレクトには、スターターの反対側に付けられたボタンでイージーアクセスできるようになった。これはハイブーストによる30秒間のスクランブルこそないが、ポルシェでいうところのスポーツクロノのロータリースイッチと似た方式で、ボタンを押すごとに「コンフォート」「オート」「ダイナミック」「インディビジュアル」が選択できる。

選んだのはもちろん「ダイナミック」。すると新型TT RSはダンパーの減衰力を引き締め、EPS(電動パワーステアリング)の抵抗を高めて臨戦態勢に入った。それと同時に400psを発揮するターボエンジンはハイブースト状態となり、7速Sトロニックの変速スピードは先鋭化された。

するとどうだ。さっきまでもてあまし気味だったタイヤには素早く荷重がかかるようになり、徐々にそのフットワークに滑らかさが加わってくる。かなり曲率の厳しいコーナーでも、TT RSは弱アンダーの姿勢を保ったままグルッと旋回し、コーナー立ち上がりからアクセルを踏み込むと、一瞬グッと4輪にトラクションを掛けた後、ターボパワーで伸びやかに立ち上がっていく。

高い安定性が操る愉しさをより多くの人に届ける

新型TT RSのパワー感は、R8にも引けを取らない迫力だった。むしろ全長4190mmのコンパクトなボディで加速している分、TT RSの方が景色の流れが速い気がする。それもそのはず、TT RSのパワー・トゥ・ウェイトレシオは3.75kg/psで、R8の3.13kg/psに肉薄している。

しかしこれが怖さにつながらないのは、TT RSがR8同様、フルタイムでその4輪を路面に食い込ませているからだろう。スタビリティコントロールをアクティブにしたままの状態では、その挙動に不安な要素はひとつもない。コーナーのアプローチでブレーキを残そうが、早めにこれをリリースしようが、リアが暴れる素振りなどまったく起こらない。

それ以前にコイツのポテンシャルを引き出すにはオープンロードは狭すぎて、我々にできることはひたすらに安定して速くコーナーを曲がることだけである。

それでもこのTT RSが魅力的なのは、そうした安定性のなかにクルマ好きをうならせる野性味というものを、ガッツリ表現できているからだと思う。

変速の度に“ヴォッ!”とうなる排気音。旋回Gと加速G、そして強烈な減速Gの素早い移り変わり。これらをクワトロ(4WD)の安定したトラクションのもとで、接地感が高くて芯の通ったステアリングで正確に操る愉しさは、いつ滑りだすかわからない後輪駆動のライバルをビクビクしながら走らせるよりも、素直に伝わってくる。

R8の半値以下と考えると……

実際はライバルたる718ケイマン Sのスタビリティも非常に高く、簡単にオーバーステアが出ることはあり得ない。またあえてフロントサスペンションの剛性を落とし、ミドシップの切れ味をマイルドにしたその操作性の良さによって、多くのドライバーが安心感とともに楽しめるようになっている。

その一方、速度域が上がるほどドライビングに洗練が求められるケイマン(やBMW M2クーペ)に対して、新型TT RSの方が門戸が広く、より多くのドライバーが刺激と興奮を、イージーに味わうことができる。そしてそのドライビングに奥深さが無いというには、あまりに刺激的な動力性能がTT RSには備わっている。

ひとつ問題があるとすれば、アウディTTという素材を「RS」にまで磨き上げると、オプション無しでも1000万円の大台に届いてしまうことだろう。とはいえ見方によっては、R8の半値以下でこの性能が手に入るとも言える。

デイユースでの快適性を多少犠牲にしてまで得た速さと刺激に対して、どれほどのエンスージアストがその対価を支払えるのかは、ボクには想像もつかない。

もっとも、エボリューションされたスポーツカーというのは常にそういう、万人には理解されない孤高のポジションにいることは確かだ。

そしてその答えをよりシンプルに導き出すには、サーキットでライバルと直接対決するのが一番の近道だということは間違いない。いつかそんな幸運に恵まれ、このTT RSを思い切りクローズドコースで走らせてみたいものである。

スペック

【 TT RSクーペ 】
全長×全幅×全高=4190×1830×1370mm
ホイールベース=2505mm
駆動方式=クワトロ(4WD)
車両重量=1490kg
エンジン=2.5リッター直列5気筒DOHC・直噴ターボ
最高出力=294kW(400ps)/5850-7000rpm
最大トルク=480Nm(48.9kg-m)/1700-5850rpm
トランスミッション=7速Sトロニック(デュアルクラッチ)
0-100km/h加速=3.7秒
サスペンション=前:マクファーソンストラット、後:4リンク
タイヤサイズ=前後:245/35R19
JC08モード燃費=11.7km/L
使用燃料=プレミアムガソリン
車両価格=962万円
発表日=2017年3月28日

※テスト車に装着されていた主なオプション
マコウブルーCE(ボディカラー)=15万円
マトリクスOLEDリヤライト=12万円
20インチタイヤ&ホイール=24万円
アシスタンスパッケージアドバンスト(ACCやアクティブレーンアシスト、リヤビューカメラなど)=28万円
セラミックディスクブレーキ(フロント)=66万円
Bang&Olufsenサウンドシステム=13万円
ファインナッパレザーパッケージ=21万円
オプション含む車両価格=1141万円

【 参考:ポルシェ 718ケイマン S 】
全長×全幅×全高=4379×1801×1284mm
ホイールベース=2475mm
駆動方式=MR
車両重量=1355kg(MT)/1385kg(PDK)
エンジン=2.5リッター水平対向4気筒・直噴ターボ
最高出力=257kW(350ps)/6500rpm
最大トルク=420Nm/1900-4500rpm
トランスミッション=6速MT/7速PDK
0-100km/h加速=4.6秒(MT)/4.4秒(PDK ※スポーツクロノパッケージ装着時=4.2秒)
車両価格=813万円(6速MT)/865万4000円(7速PDK)


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