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レクサスLCの走りや艶やかな作りこみは、まさに名は体を表すだった

2017-5-2 10:50| post: biteme| view: 760| コメント: 0|著者: 文:吉田 匠/写真:トヨタ自動車

摘要: コンセプトを具現化した“贅沢なクーペ” 2012年デトロイトショーで大きな注目を浴びたコンセプトカー、レクサス「LF-LC」。大胆なスピンドルグリルに始まり、後方にいくほどすぼまるキャビンと幅広く張り出したリア ...

レクサスLCの走りや艶やかな作りこみは、まさに名は体を表すだった

コンセプトを具現化した“贅沢なクーペ”

2012年デトロイトショーで大きな注目を浴びたコンセプトカー、レクサス「LF-LC」。大胆なスピンドルグリルに始まり、後方にいくほどすぼまるキャビンと幅広く張り出したリアフェンダーの対比に終わる、斬新にして繊細、それでいてダイナミックなデザイン。

このデザインスタディの、複雑な曲面や微妙なエッジを組み合わせたボディを、ほぼそのまま市販車にしてしまったといえるのが、レクサスLCである。ちなみにLCとはLuxury Coupe=ラグジュアリークーペの略、つまり、贅沢なクーペ、という意味を持つ。

ボディサイズは日本車のクーペとしては最大級で、全長4770×全幅1920×全高1345mm、ホイールベース2870mm、トレッド前1630/後1635mm。例えばBMW 6シリーズクーペと比べると、125mmほど短く、25mm幅広く、25mm低い、といったところ。シート配置は2プラス2の、定員4人である。

しかもこのボディ、ルーフパネルにはCFRP=カーボンファイバーを使い、両サイドのドアにはインナーにCFRP、アウターにアルミパネルを使用、フロントフェンダーとボンネットはアルミ製といった風に、随所に軽量素材を用いているのもポイントのひとつだ。

新開発シャシーや10段ATのデキも気になる

そのボディを支えるプラットフォームはこのクルマのために新開発されたもので、基本シャシーはスチール製だが、サスペンションはアルミのアーム類を奢った4輪マルチリンクを採用、スプリングは4輪ともコイルで、ダンパーは電子制御可変式を用いている。

ブレーキは、フロントが6ポッドの、リアが4ポッドのアルミモノブロックキャリパーを備える、4輪ベンチレーテッドディスクを採用。要するにシャシーには、エアサスなどの特殊なメカニズムこそ使っていないものの、高度なスペックを配しているというわけだ。

パワーユニットは2種類ある。ひとつは5リッターV8 NAをフロントミドシップに積むモデルで、車名は「LC500」、もうひとつが3.5リッターV6にリチウムイオンバッテリー駆動の電気モーター2基を組み合わせたハイブリッドで、車名は「LC500h」になる。

トランスミッションは前者が新開発の、世界で最も多段な10段ATと組み合わせられ、後者はハイブリッド用の電気式無段変速機を搭載するが、こちらもパドルによって10段階のマニュアルシフトが可能になる。駆動するのはどちらも後輪である。

特別な生産ライン、規格外のプライスタグ

今回は試乗する前に愛知県豊田市の元町工場を訪れ、LCの生産工程を見学した。そこでは、「匠」(といっても私ではない(笑))と呼ばれる高度技術習得者を中心に、これまでクラウンなどの生産に携わってきた作業員が、入念にアッセンブルしていく。

そこにはLC独自の生産方法がいくつかあったが、そのひとつは、通常のトヨタ工場ではラインが流れるなか、一人の作業員が例えば1分という時間で1工程を担当するのに対して、ここでは一人に20分の作業時間を与えてその間ラインを停止し、同一人物が20工程をこなす。そうすることでより愛着を持った熟練作業ができる、ということらしい。

現在の生産台数は一般的なシフトで一日あたり48台、月に20日稼働するので月産960台、もしくはそれプラスαだというから、かなりのバックオーダーを抱えている状況らしい。

そうそう、このLC、プライスも日本車のクーペとしては破格で、LC500の標準モデルおよびLパッケージが消費税込み1300万円、Sパッケージは1400万円、LC500hはそれぞれ1350万円および1450万円、という数字になる。

21インチタイヤを快適に履きこなすセッティング

そこでいよいよ試乗に移るが、コースは元町工場を出発、高速道路と一般道を辿って琵琶湖畔に至り、そこから比叡山ドライブウェイを駆け上がったのち、今度はそこを下って京都市内のホテルを目指す、という行程である。

最初にコクピットに収まったのは、LCのテーマカラーと思われる赤、ガーネットレッドマイカに塗られたLC500だった。シートは特に背中のあたりがよく身体にフィットし、ホールド感に優れるのに加えて、着座位置をかなり低くセットすることができるため、スポーティなドライビングポジションに決まる。

液晶メーターは、LFAのスタイルを受け継ぐシンプルな大径タコメーターを中心にしたもので、スピードはそのなかにデジタル表示される。ちなみにLC500の場合、タコメーターのレッドゾーンは7200rpmから始まる。室内全般の仕上げはもちろん上々。

工場から一般道を少し走って東名に乗り、そこから今度は伊勢湾岸道に入って西を目指すが、レッドマイカのLC500、かなりいい感じで走っていく。メーターパネル左から突き出すドライブモードセレクトは取り敢えず「ノーマル」のままだが、適度にソフトな乗り心地は快適なもので、21インチのミシュランからの突き上げもまったく気にならない。

高速道路でセレクトを「スポーツ」モードにすると、一瞬、脚が若干締まったような印象をうけるが、実はそれはモード名に洗脳された錯覚にすぎない。エンジンやトランスミッションのレスポンスが素早くなって、加速は明らかに活発になるが、実はサスペンションの設定は「ノーマル」と変わっていないからだ。

逆にそれを「コンフォート」に切り替えると、ダンピングは「ノーマル」よりもソフトになるが、だからといってボディがフワフワ上下動するほど柔らかいわけではない。

加速感や奏でるサウンドに表れる個性の違い

車重はLC500で1940kgと、クーペとしてはヘビー級だが、5リッター4カムV8エンジンはNAのまま477ps/7100rpmのパワーと55.1kgm/4800rpmとトルクを生み出すから、10段ATを介して意のままに、しかもスムーズに加速できる。穏やかにスロットルを踏めばマイルドに、深く踏み込めばパワフルに、存在感のあるボディを加速させるのだ。

加速感はドライブモードによっても異なるが、シャープに突き抜けるといった感じよりも、重量感をともなってボディを前に押し出すという印象である。しかもそこに荒々しさのようなものが感じられないのは、エンジンのスムーズさに加えて、10段ATの変速が滑らかなことも一因だろう。

それに加えてもうひとつ、LC500の加速にはサウンドという魅力がある。エグゾーストはバルブの開閉によって排気音をコントロールするシステムを採用、全開に近い加速では後方から“パララララランッ”といった乾いた爆音が奏でられる。とはいえそれが、昨今のイタリアンやブリティッシュほどハイボリュームでないところも、いかにもトヨタらしい。

LC500hに乗り換えたのは、京都に向かう高速の某SAだった。500hは、299ps/6600rpmのパワーと36.3kgm/5100rpmのトルクを発生する3.5リッター4カムV6 NAと、180psおよび30.6kgmの電気モーター2基を組み合わせ、電気式無段変速機にV8同様の10段のマニュアルモードを設定した、ハイブリッドパワートレーンを持つ。

それらによるシステム出力は359ps、対する車重は2020kgだから、パワーウェイトレシオは5.63kg/psとなり、4.07kg/psのLC500と比べるとけっこうな相違がある。それに加えて、基幹となるエンジンのキャラクターの違いも走行感覚に大きな影響を与えているから、加速感はV8のLC500の方が明らかに迫力がある。

モーターのトルクが加わるとはいえ、LC500hの加速感はLC500のそれより明らかに線の細い印象をうける。迫力という点ではV8に及ばないものの、V6エンジンもサウンドのチューンが効いている印象で、“フォーン”という軽い爆音が耳に心地よい。

より好印象なのは「500」、燃費は当然「500h」

シャシーやそのセッティングは、LC500hも基本的にLC500と変わらないとのことだが、実際に乗り換えてみると、パワートレーン以外の部分にも若干の相違が感じられた。その最大のポイントは乗り心地で、LC500よりややスムーズさに欠ける印象をうけた。

具体的には、不整路面を走る際のタイヤから伝わってくる振動が、LC500よりもはっきりと感じられる。表現を変えれば、ボディの剛性がLC500よりほんのわずかだけれど低いのではないか、と感じられたのだ。

その点をボディの開発担当者に尋ねてみたら、パワートレーン配置の違いの関係から、LC500では繋がっているブレースのような部分が、LC500hでは切れているところが一ヶ所あって、ボディ剛性に影響が出るとしたらそこではないか、という答えを得た。

一方、今回の試乗車はいずれも量産前のモデルだというから、クルマのスペックにかかわらず、試乗車同士に若干の個体差があっても不思議はない。というわけで、本当の理由は不明ではあるが、僕が乗った最初の2台に関していえば、V8のLC500の方がより印象がよかった、といえる。

とはいえ燃費に目を配ると、当然ながらLC500h、すなわちハイブリッドの価値は一気に上昇する。どのていど正確な数字なのか保証はないが、メーター内の燃費計に示された中継地点までの数字を参考にすると、LC500の7km/L弱に対してLC500hは10km/L弱と、およそ1.4倍の燃費を示していたのだった。

「スポーツ+」はもっと攻めてもいいのでは?

最後の試乗ステージは、比叡山ドライブウェイのワインディングロードだが、それまでに乗った2台の印象から判断して、僕はV8のLC500を選んでそこに挑んだ。ただし、最初に乗ったレッドマイカとは別の、メイプルスイエローの"Lパッケージ"の個体である。

そのスペックを最初に乗った赤いLC500と比べてみると、Lパッケージは20インチタイヤが標準だが、その黄色い試乗車はオプションの21インチを履いていたから、その点は変わらない。ただし、素のLC500とSパッケージがCFRPルーフなのに対して、Lパッケージはグラスルーフが標準になるから、少々トップヘビーなはずである。

案の定、走り出してみると、最初に乗った赤いLC500より、若干動きが重い印象をうける。スペックによると、車重の違いは20kgだが、それがルーフの材質の違いによるものだとすると頭が20kg重いわけで、コーナリングにはそれなりの影響を与えると考えられる。

そこでいよいよ最後の天王山、比叡山ドライブウェイに攻め込む。ドライブモードセレクトは、最初「スポーツ」を選んでいたが、サスペンションに関しては「ノーマル」と変わらないので、挙動はシャープさに欠ける。そこで、サーキットとスポーツ走行に対応すると謳われた「スポーツ+」に切り替えた。

するとサスペンション、つまりダンピングは明らかにハードになったが、それでもヨーロッパのスーパースポーツのモードを「コルサ」や「トラック」にしたときのように、不整路面でボディがピクピクするほどには硬くはならず、乗り心地も依然として充分許容の範囲にある、角が取れたものだった。

したがって、ステアリング操作やスロットルワークに対するレスポンスは適度にクイックではあるものの、身のこなしのシャープさが際立つという感触までは得られなかった。だからこの「スポーツ+」モード、もっと明確に締め上げるべきではないか、と僕は思った。

「スポーツ+」モードでも依然として脚はしなやかに動くからロードホールディングは良好で、タイトコーナーを攻めても危なげはなく、おそらく電子デバイスの効果もあってアンダーステアも適度なレベルに抑えられている。だから安心してコーナーを攻められるし、狙ったラインを外すこともない。

意図したとおりのクルマに仕上がっている

が、しかし、ちょっと残念だったのは、挙動が重いことだ。タイトコーナーの連続を右に左にコーナリングしていくと、2トン弱という車重の重さをストレートに感じさせられる。電動パワーステアリングのフィールを煮詰めるなどして、実際の車重より軽い感じを出せないものだろうか?

それに加えて、峠の頂から京都に向かって下っていく際には、電子デバイスの介入を感じた。主にタイトコーナーから脱出しようとするときに、LC500は安定した姿勢を保っているにもかかわらず、スロットルが絞られる感触を実感、加速が抑えられてしまうのだ。

一方、高度なシステムが奢られたブレーキは、タイトベンドの連続を下ってもフェードの兆候を示すことはなく、信頼できる武器に感じられた。

もっともLC、コーナーもアップダウンもタイトな比叡山は、あまり向いていないのではないか。走りを煮詰める舞台だったという、もっとゆったりしたカリフォルニアのワインディングロードなら、本来の気持ちよさを存分に味わえるのではないかと思う。と同時に、トルセンLSDを標準で備えるSパッケージにも、乗ってみたいところだった。

比叡山を下りきったところでドライブモードを「ノーマル」に戻し、古都の渋滞のなかホテルを目指す。こういう舞台ではこのクルマ、LC=Luxury Coupeの名に相応しい快適さでドライバーを包み込んで、滑るように走っていく。しかも、イエローというボディカラーのためもあってか、街の人々の視線が熱く注がれているのを、あちこちで感じる。

レクサスの意欲作LC、タイトコーナーが続くワインディングに持ち込むと、すこぶる安定してはいるものの、重さを感じさせるその身のこなしに、筆者のようなスポーツカードライバーは若干物足りないものを感じる。けれどもその一方で、LCの名のとおり贅沢なハイパフォーマンスクーペとして見ると、印象的なボディスタイリングや上質なインテリアを含めて、メーカーが意図したとおりのクルマに仕上がっているように思える。

つまりこのスタイリッシュなクーペのどこに何を期待するかで、レクサスLC500/500hの価値は、大きく変わってくるのではないかと思う。

スペック

【 LC500 】
車両重量=1940kg
エンジン=5.0リッターV型8気筒DOHC
最高出力=351kW(477ps)/7100rpm
最大トルク=540Nm(55.1kg-m)/4800rpm
トランスミッション=10速AT
JC08モード燃費=7.8km/L
車両本体価格=1300万円

【 LC500h 】
車両重量=2000kg
エンジン=3.5リッターV型6気筒DOHC
最高出力=220kW(299ps)/6600rpm
最大トルク=356Nm(36.3kg-m)/5100rpm
モーター最高出力=132kW(180ps)
最大トルク=300Nm(30.6kg-m)
システム最高出力=264kW(359ps)
トランスミッション=電気式無段変速機
バッテリー=リチウムイオン
JC08モード燃費=15.8km/L
車両本体価格=1350万円

【 共通スペック 】
全長×全幅×全高=4770mm×1920mm×1345mm
ホイールベース=2870mm
駆動方式=FR
サスペンション=前:マルチリンク、後:マルチリンク
タイヤサイズ=前:245/45RF20、後:275/40RF20
発売日=2017年3月16日

※試乗車はOPの21インチタイヤ(前:245/40RF21、後:275/35RF21)を装着


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