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ボルボV90クロスカントリーの、SUVでもワゴンでもないカテゴリーが来ている

2017-5-5 10:00| post: biteme| view: 605| コメント: 0|著者: 文:岡崎 五朗/写真:望月 浩彦

摘要: V90ワゴンの優秀なデザインを受け継いでいる SUVの「XC90」、ステーションワゴンの「V90」、セダンの「S90」に続く4機種目の90シリーズが「V90クロスカントリー」だ。V90をベースに地上高を引き上げたモデルで、スバ ...

ボルボV90クロスカントリーの、SUVでもワゴンでもないカテゴリーが来ている

V90ワゴンの優秀なデザインを受け継いでいる

SUVの「XC90」、ステーションワゴンの「V90」、セダンの「S90」に続く4機種目の90シリーズが「V90クロスカントリー」だ。V90をベースに地上高を引き上げたモデルで、スバルの「アウトバック」や「XV」、「アウディ オールロードクワトロ」などと同じジャンル。ボルボ自身も古くからこのタイプを手がけてきた。90シリーズといえばボルボのフラッグシップであり、そのデザイン性や走行フィールはすでに高い評価を獲得しているが、セダンやワゴンはちょっとつまらない、でもXC90だと背が高すぎて立体駐車場に入らないんだよな・・・なんて思っている人にとっては待望のモデルである。

前後のスキッドプレートや高められた全高、チャコール色の無塗装バンパー&フェンダーといった無骨なパーツがSUVテイストをアピールする。世界でもっとも美しいSUVであると僕が思っているXC90は、ほぼすべての外装パーツをボディ同色とすることで、あえて乗用車感覚やプレミアム感を演出している。しかしそれは背の高いSUVフォルムだからこそできる手法であり、V90と同じボディを使っているV90クロスカントリーには通用しない。そこでディテールによってSUVテイストを演出しているわけだが、それでもXC90に勝るとも劣らない美しさを感じさせるのは、なによりベースとなったV90が世界でもっとも美しいステーションワゴンだからだろう。

FFらしからぬロングノーズと余裕のキャビンや荷室

V90クロスカントリーのデザインは秀逸だ。「シンプルなのに豊かで暖かみがある」という典型的な北欧デザインを、洗練された手法で表現しているのがいい。フロント、サイド、リアともにクリーンな造形であり、デザイン要素は決して多くはない。それでいて上質感を感じさせるのは、精密なボディワークと練りに練った面構成の為せる技だ。また、FF系プラットフォーム(V90クロスカントリーは4WD)でありながら、ノーズを長くとったFR車的フォルムに身を纏っているのも特徴のひとつ。フロントタイヤ後端と、フロントドアオープニングラインとの距離はFFベースの4WDとしてはあり得ないほど長い。FF車にFR車のような伸びやかなプロポーションを与えるという手法は最近のマツダ車にも共通する最新トレンドで、スペース効率はやや犠牲になるものの、人が本能的に感じる美しさを刺激するには非常に有効だと思う。

V90クロスカントリーの場合、全長が4940mmもあるため、もとより居住性に不満などあるはずない。大柄な男性が4人乗り込んでもキャビンには十分な余裕が残っているし、カーゴルームには大量の荷物を積み込める。この絶対的な広さに加え、デザインと質感がまた素晴らしい。ウッドとレザーとプラスティックという素材は同じでも、目の前に広がっている世界観は日本車はもちろん、ドイツ車ともまったく違う。メルセデス・ベンツ、BMW、アウディといったジャーマンプレミアムのインテリアにもそれぞれ特徴があるが、V90クロスカントリーのクリーンでオーガニックなインテリアを見てしまうと、ドイツ車のインテリアがどれも似たようなものに思えてくるほどだ。上質なカーペットを敷き詰めたカーゴルームの仕上げも見事。ダンパー付きのラゲッジボードがスッと軽くスムースに開閉する様子などはまさに感動ものである。

T5でも十分なパワー。駐車場を選ぶ1900mm超の車幅

グレード展開は4つ。2L直列4気筒にターボを組み合わせた「T5」と、ターボ+スーパーチャージャーを組み合わせた「T6」に、それぞれエントリーグレードの「モメンタム」、上級グレードの「サマム」を用意する。

今回試乗したのは、スーパーチャージャーのない、ターボのみのエンジンを積むT5だ。T6は低回転域でのターボラグを緩和するためにスーパーチャージャーを加えている。そう考えると、T5ではターボラグを感じるのでは? と予想していた。しかし、実際に試乗してみていい意味で予想は外れた。レスポンスの鈍さはまったく気にならず、アクセルをスッと踏めば即座にトルクが立ち上がって1850kgのボディを軽快に加速させていく。おそらく反応のいいタイプのターボチャージャーを採用しているのだろう。その分、ぶん回していったときのピークパワーはT6に軍配があがるが、事実上、254ps/350Nmというスペックに不足を感じるシーンはない。予算に十分な余裕があり、なおかつスポーツカーのように速いボルボが欲しければT6を選ぶ価値はあるが、僕はT5で十分に満足できた。

V90クロスカントリーはステーションワゴンをベースにしたSUV風のクルマだが、機能はかなり本格的だ。なかでも、200mmあれば本格的と言っていい最低地上高で210mm(V90は155mm)を確保しているのは特筆に値する。つまり、並みのSUVを軽く凌ぐロードクリアランスをもっているということだ。これだけ車高を上げると重心高アップに伴う不安定感が出てきてもおかしくないが、V90クロスカントリーは高速道路でもワインディングロードでも重心の高さをまったく感じさせない。おそらく、左右のタイヤの幅であるトレッドをフロントで35mm、リアで25mm増やしているのが効いているのだろう。ただしこの影響で全幅がわずかに1900mmを超えてしまった。1545mmという全高はすべての立体駐車場に対応するし、運転していて車幅の大きさを感じることもないが、1905mmという全幅が立体駐車場の利用を制限するケースも出てきそうだ。

クロスカントリーはポストSUVの新たなカテゴリーに

走りの部分でいちばん気に入ったのがゆったりとした乗り味だ。V90も非常に快適なクルマだが、V90クロスカントリーはさらに足回りがしなやかで、荒れた路面でのタイヤからの突き上げも小さい。フワフワというほどの柔らかさではないけれど、徹頭徹尾フラット感を保つのではなく、足を適度にストロークさせながら路面を舐めるように走っていく。この優しい感覚がとても気持ちいい。850よりさらに前の、車体が四角かった頃のボルボの乗り味を思い出す人も多いのではないだろうか。

なお、試乗車のリアにはオプションのエアサスペンションが付いていた。エアサスといっても、スイッチ操作で硬さや車高を替えるタイプではなく、重い荷物を積んだときにリアが沈み込むのを防ぐ役割を果たす。V90クロスカントリーどうしで比較試乗していないので言い切ることはできないが、エアサスによって重積載時の沈み込みをカバーできるなら、その分、後輪のスプリングレートを下げることができ、それが優しい乗り味に貢献する可能性は大いにある。

ステーションワゴンをベースに車高を引き上げたクロスカントリー。かつては本格的SUVをラインナップしていないメーカーの苦肉の策という意味合いがなくはなかった。しかしボルボにはいまやXC90があり、XC60がある。本格SUVをもつボルボが、なぜクロスカントリーを続投してきたのか。今回の試乗を通して強く感じたのは、冒頭にも書いた「ステーションワゴン以上、SUV以下」という絶妙な立ち位置だ。「SUVには興味があるけど背が高いクルマはちょっと」とか「ステーションワゴンの使い勝手とSUVスタイルの両方が欲しい」と思っている人に、クロスカントリーは最適なソリューションを提供する。

さらに、空前のSUVブームのなか僕が思うのは、いまSUVを買っている人たちは、いったい次にどんなクルマを選ぶのだろうということだ。セダン、ワゴン、ハッチバック、ミニバン、スポーツカー・・・世の中にはたくさんのジャンルのクルマがあるが、ポストSUVを考えた場合、クロスカントリーのようなクルマは案外有望なのではないか。メルセデスがEクラスベースの「オールテレーン」を投入してくるのも、ひょっとしたらそんな狙いがあるのかもしれない。

デザインのよさやハードウェアの完成度、3つの世界初を含む豊富な安全装備など、V90クロスカントリーの魅力は多岐にわたるが、古くて新しい将来有望なカテゴリーというコンセプトにも大いに注目したい。

スペック

【 ボルボ V90 クロスカントリー T5 AWD サマム 】
全長×全幅×全高=4940×1905×1545mm
ホイールベース=2940mm
車両重量=1850kg
駆動方式=4WD
エンジン=2.0リッター直列4気筒DOHC直噴ターボ
最高出力=187kW(254ps)/5500rpm
最大トルク=350Nm(35.7kg-m)/1500-4800rpm
トランスミッション=8速AT
JC08モード燃費=12.9km/L
使用燃料=プレミアムガソリン
サスペンション=前:ダブルウィッシュボーン式、後:マルチリンク式
タイヤサイズ=前後:235/50R19
車両本体価格=754万円


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