“つながるSUV”宣言に驚いたいやビックリ! ここまで大胆にクルマネット時代をアピールしてくるとはねぇ。そう、先日国内デビューし、今回試乗してきた2代目VWティグアンです。このクルマがまだ2代目モデルだってことにもビックリしたけど、小沢が本当に驚いたのは、試乗会場で聞いた「つながるSUV」宣言。 具体的にはスマホをケーブルで繋げば、アップルのCarPlay(カープレイ)、Android Auto(アンドロイドオート)、MirrorLink(ミラーリンク)とすぐに連動可能な「APPコネクト」を全車標準装備したのと、この世代からパサートと同時に入れてきた新モバイルオンラインサービスの「Car-Net(カーネット)」。ハイライン以上のグレードで標準装備するこの装備は、いわばVWが自動車専用に開発したネットサービスで、まさしく“走るスマホ化”の始まり。 音声で地名を入れればGoogle Earth(グーグルアース)と連動してナビで道案内をしてくれたり、最寄りのガソリンスタンドをガソリン価格の安い順に検索できたり、近場の空いてるパーキングを探したり、音声でラジオ番組が呼び出せるのもユニーク。 買ったら毎日使いますか? ってまだよくわからないけど、確実に新しさ&使いやすさあり。こんな風にクルマのスマホ化って進むのか? と気付かせてくれる部分があって、ソイツをVWがリードしてきた事実がまた面白い。だってトヨタが年末に発売したコンパクトSUV「C-HR」がこだわったのは走りとスタイル! ですよ。同じ1000万台グループでもまるで違う戦略と将来目線。この違いがたまりませんわ。 未来的&イイモノ感が漂うインテリアかと言ってティグアンがクルマ本来の味わいに気を使っていないかって全く違います。2013年日本デビューの現行ゴルフから、トゥーラン、パサートと導入してきた「MQB」プラットフォームを使った4作目で、全体の質感はなかなか。 全長×全幅×全高は4500×1840(R-ラインは1860)×1675mmと初代より70mm長く、30mm広くなった一方(R-ラインは50mm)、車高は35mm低く、明らかにカッコいい。ギラギラ感はないし、新型パサート譲りのシンプルな3連ストライプグリルがキモですが、丸みを帯びたフォルムがなかなかクール&ポップ。 インテリアも全面ソフトパッドで覆われてて、パサートほどのプレミアム感ではないけど、ほどよいイイモノ感あり。運転席メーターにしろかなりの未来志向でフルカラーマルチファンクションインジケーター化してあり、スピード&タコメーターは完全グラフィック。サイズ変更やナビ画面との合成も可能でぶっちゃけ、プチアウディSUV! と言っても過言じゃないレベルに。 ビシッ、と伝わる剛性感。でも微妙に気になるところも…肝心の走りだけど、発進するなり全体の剛性感がビシッ、と伝わってきます。さすがはMQBって感じだけど、一方低速でのゴツゴツ感も若干残ってて、ゴルフほどのしなやかさはなく、まだもっと出来るんじゃないの? って感じもあり。 エンジンはこれまたゴルフ譲りの1.4リッター直4TSIターボでピークパワー&トルクは150ps&250Nmの一種類のみ。自慢の6速デュアルクラッチミッションDSGと組み合わされてダイレクト感は十分で、気筒休止システムも付いててJC08モード燃費は16.3km/Lと立派。 しかしDSG独特のトルク変動はやっぱり感じるし、オートホールド機能で止まっていてアクセルで再始動する瞬間が微妙に唐突だったり、まだまだVW特有のクセも残ってます。 とはいえ静粛性は十分で、なにより超広い。ボディが大きくなった分、リアシートは広くなってて身長176cmの小沢でも足元は余裕だし、ラゲッジスペースは初代から145Lも増えて615Lに! これは巨大ステーションワゴン並みで、ライバルSUVの中でもぶっちぎりでダントツ。使い勝手の良さはハンパないレベルです。 360万円スタートの「お買い得プレミアム」戦略振り返ると日本で8年前に出た初代ティグアンは、まさにSUV版ゴルフでした。実際当時のゴルフVがベースで、ボディサイズは今ほど大きくなかったし、デザインはゴルフと全然違ってたけど、どことなくアカ抜けない印象。それだけにその後出たプレミアムなBMW XシリーズやメルセデスSUVの質感に押されてる感もありましたが、これでやっと追い付き、さらにVWらしさも主張できてます。 特に凄いのは価格戦略で、税込360万円スタートでこの使い勝手、この質感はなかなか。なにしろメルセデス・ベンツGLAやBMW X1レベルの値段で、ひとクラス上のSUVクオリティが得られるようなところありますから。 中でも注目はVWがオールイン・セーフティと呼ぶ基本安全&先進安全装備の充実度で、360万円のコンフォートラインで9エアバッグ、プリクラッシュブレーキシステム、ドライバー疲労検知システム、アラウンドビューカメラ、パークアシスト、ACC、ポストコリジョンブレーキシステムなどをすべて標準装備。さらに433万円強のハイライン以上となるとレーンキープアシストやレーンチェンジアシストシステムまで標準装備で、完璧にライバルを凌駕。 これこそ最新VW流のオイシイとこ取り戦略で、品質や装備はプレミアム同等かそれ以上なのに、値段は大衆車ちょい上という絶妙なるポジショニング。大胆な「つながるSUV」戦略と同時に進める「お買い得プレミアム」戦略で新たな時代を築けるか! このあたりが今後のVW復活の命運を握る気がしますな。 スペック【 ティグアン TSI ハイライン 】 |
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