アルファ ロメオ×フィアット×アバルト×クライスラー×ジープFCAジャパンは現在、5つのブランドを展開するインポーターだ。アルファ ロメオ、フィアット、アバルト、クライスラー、そしてジープ。個性的なクルマがお好きな諸兄であれば、その字面だけでも心躍っちゃうくらい、魅力的なラインナップを擁している。ま、内輪のハナシをしちゃえばソコで働く広報部諸氏もそのラインナップに負けないくらいに個性的っていうのもあって(笑)、ああ、個性的なクルマには個性的なヒトが寄って来るんやなぁと、常日頃思っている私である。 さて、今回は「それらの中からお好きなクルマを選んでもらって、雪山まで行ってみませんか」というたいそう素敵なお誘いをいただいたのでレポートしたい。 旅の最初の相棒として、我々がチョイスしたのは「アルファ ロメオ 4Cスパイダー」だ。ミッドシップスポーツカー「4C」のオープンモデルである。実は2015年に東京モーターショーで公開されて以来、まだ未試乗だったという個人的な事情もあって、長野までのロングドライブはことのほかに嬉しい。そうして対峙した4Cスパイダーは、果たしてもんのすんごい、ド級オーラをブッ放していた。 色気と毒気が匂い立つ「4Cスパイダー」まずはロー&ワイド、まさに地を這うようなスタイリングのエクステリアである。もちろんモーターショーでは何度も見ていたし、すでに都内を走っている同車を何度も見たことはある。だけど、いざ間近で眺めると、クルマから立ち上るのは筆舌に尽くし難い色気と毒気。まさに「イタリアンデザインここに極まれりを具現化したらこんなん出ましたけど!」である。 実に艶かしい、ボン・キュッ・ボンのボディラインは見ていて照れるくらいにダイナミックであけすけ。丸目のファニーフェイスから左右に大きく張り出した前後フェンダー、そして有機物のようになめらかなリアデザインへと続いている。この連続した曲線の構成が、実に官能的なのだ。こっちが成熟していなければ、太すぎるサイドシルさえも跨がせてもらえない。 ボディサイズは全長3990×全幅1870×全高1190mm。ボディは驚くほど小さいのに、ツンとつり上がったリアエンドがまさに、小生意気なイタリア娘のヒップラインを連想させるようで、女の私だって気後れしちゃうくらいにエッチな感じ。 反して、インテリアは至極レーシーで漢っぽいのもギャップ萌えだ。インパネの計器類はすべてドライバー側に傾けられて情熱的にドライブを促すのはいかにもアルファ ロメオらしい演出。そして、通常であればシフトノブが生えている位置に菱形に配置されたボタンで、ギアを決定する。 刺激的かつスパルタンな走りそしてやっぱり、4Cらしい刺激的なエンジンサウンドを撒き散らしながらのドライブはスパルタンなものだった。 ガッチリ軽量化された4Cスパイダーは、少しでも荒れた路面に入ればひたすらに硬く締まったアシがインフォメーションをダイレクトにドライバーに伝達するし、1.8L直4ターボなんてスペックとは到底思えないくらいにレスポンスの良いレーシングチューンエンジンを搭載しているから、アクセルワークを繊細に調整しなければ、ATなのに挙動がすぐさまピッチング状態に陥ってしまう。 しかし、ある程度の高速域に入った以降は、複雑なワインディングをミッドシップ&リアドライブの本領発揮で鋭くギュンギュンと攻略していくし、峠のタフな登坂ですらも、ありあまるトルクを武器に涼しい顔で駆けぬける。それはまるで一般道でレーシングカートに乗っているかのような、いわば修行にも近い感覚で、やっぱりこの子ってば人と場所を選ぶクルマなのね、と率直に驚いた。 クルマ上級者こそがゾッコンに惚れる屋根だって手動でオープン&クローズだし、かといって高速道路でオープンにしたら凍死するかと思うくらい風は巻き込むしで(なんたって中央道を都内から長野方面に試乗してますから)、800万円オーバーのクルマと思うと驚くほどアナログ。 しかし、しかし! 絶対このクルマでないとイヤ、って人は存在するってことも、同時に理解した。そう、そこがこの4Cスパイダーの魅力なのだけど、その「修行感」がまったくもってイヤじゃないのである。むしろこのクルマの持つアナログ感というものが、現代のクルマ=精密機器のように進化し、かゆいところに手が届くような至れり尽くせりのヤツ、という常識を、軽く斜め上方で裏切ってくれるのだから。 今や販売店で売っている純正のクルマで、ここまで攻略欲をかき立てるモデルがあるだろうか。手を入れて、ガチガチにチューンしたサーキット仕様車でもなければ、こんなに路面との密接な会話を味わえるなんてそうそうない。 あらゆるクルマに乗り尽くし、あらゆる贅沢を知った人なら、絶対にハマる。クルマ上級者こそがゾッコンに惚れちゃうような、魔力を持ったクルマだった。 (とかいうことを思いつつ、他社取材班が乗り出した「アバルト124スパイダー」は、同じオープンモデルでもやけに快適そうじゃないの! お話を聞いたら、まったく寒くもないし風の巻き込みもなかったそうな。おそるべしFCAのラインナップ!) MC実施の「新型グランドチェロキー」は約70万円の値下げも途中、昨年12月に新規オープンした「ジープ甲府」に立ち寄り、「レネゲード」に乗り換えてさらに雪山を目指す。現在ジープブランドはよりプレミアムな方向へのシフトを進めていて、イメージの転換を図っている。そのブランド戦略をいち早く採り入れている販売店のひとつがジープ甲府で、ジープの新しい世界観にご興味のある方は是非お立ち寄りいただきたい。 雪山には、スノードライブを存分に味わえる特設コースが用意されていた。ここで私たちを待っていたのは、新型「グランドチェロキー」だ。マイナーチェンジでフェイスリフトを受け、モダンな顔に生まれ変わった“グラチェロ”は、雪の中に居てますます凛々しい。 2011年以降、2度目のマイナーチェンジとなる今回は、Summitグレードに新色のボディカラーやレザーパッケージが追加されたほか、車線逸脱警報や縦列と並列のパーキングアシストが追加され、なんと約70万円の値下げ。 Limitedグレードは現行モデルよりも3万円ほど値上げされたが、ブレーキアシストやアダプティブクルーズコントロールといった先進の安全装備を追加するなど充実を図っている。エンジンは全グレードにおいて3.6リッターV6エンジンに統一された。組み合わされるトランスミッションは8速ATだ。 都会的な風貌の奥にあるジープの本領ここで感じたのは、グランドチェロキーに設定されているドライブモード「AUTO」の制御のきめ細やかさ! コースは新雪の積もるフカフカなオフロードから、タイヤで踏みつけられた圧雪路まで多岐にわたる路面がランダムに連なる難しい状況だったのだが、わざわざ「SNOW」モードを選ばなくても、いとも簡単にどの路面をも攻略してしまう。ドライバーはアクセルとハンドルに集中していれば、あとは勝手にクルマが前後輪にトルクを配分してくれるというお手軽さ。このあたり、いくら都会的な風貌のグランドチェロキーであってもさすがジープ、の底力なのだ。 車高は上・中・下と3段階に設定できるし、ワシワシと雪上を踏み散らかしながら、もはや走れない道はないんじゃないかと嬉しくなった。 雪景色にも映える「レネゲード」&「500X」雪上コースにはこのコースまでのアシとなってくれた「レネゲード」や、フィアットの小型SUV「500X」も用意されていたが、この2台もまためちゃくちゃ楽しい! パワートレーンを共用する兄弟車であるこの2台は、見た目も違うけど雪上での挙動もちょっと特性が異なるのが面白い。 悪路での絶対的な信頼度はもちろんグランドチェロキーに軍配が上がるが、レネゲードはジープらしくかっちりと雪面を捉えて走る感じで、500Xはドライバーのテクニックにやや頼るような感じ。しかし、どちらも雪景色の中に置けば絶妙に可愛らしい!! あまりのフォトジェニックさに、思わず心がほっこりしてしまった。 都会で、そしてオフロードで、バリエーション豊かに繰り広げられるFCAのラインナップ。これまであんまり興味なかったけど、という方こそ、是非チェックしてみて欲しい。その守備範囲の広さに、きっと驚くはずだから! スペック【 ジープ・グランドチェロキー・サミット 】 |
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