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「第4の軽」になり得るか? ありそうでなかったムーヴ キャンバスに試乗

2016-10-18 11:25| post: biteme| view: 388| コメント: 0|著者: 文:佐野 弘宗/写真:篠原 晃一

摘要: 「ありそうでなかった」が最大の売り 車名に“ムーヴ”の接頭語がつくのは、ラインナップ的にはムーヴコンテの実質後継機種であること、そして全高サイズが1655mmというハイトワゴン(=ムーヴ)級であることが根拠 ...

「第4の軽」になり得るか? ありそうでなかったムーヴ キャンバスに試乗

「ありそうでなかった」が最大の売り

車名に“ムーヴ”の接頭語がつくのは、ラインナップ的にはムーヴコンテの実質後継機種であること、そして全高サイズが1655mmというハイトワゴン(=ムーヴ)級であることが根拠だ。しかし、実際のムーヴ キャンバス(以下、キャンバス)はいわば「背の低いタント」と考えたほうが実情に近い。

キャンバスに特別な新技術はないが、存在自体が「ありそうでなかった」という点が最大の売りである。1655mmという全高はダイハツではムーヴとタントの中間という位置づけとなるものの、実寸はスズキ・ワゴンRやホンダN-WGNとほぼ同じ。それでいて、従来はスーパーハイトでの例しかなかった後席スライドドアが与えられている。

軽自動車といえば、既存の技術や部品を使って、あらゆるパターンがそろっている印象があるが、キャンバスのような「スライドドア付きハイトワゴン」というのが今までなかったことは、ちょっと意外でもある。スライドドアは「子供か高齢者の乗降に便利」というイメージが強いが、キャンバスはパーソナル用途を想定しつつも、あえてスライドドアを採用したところが新しい……というか、今までにないニッチな部分である。

子育て期にミニバンなどで一度でもスライドドア車を経験すると、その後にクルマをダウンサイジングしても「スライドドアだけはほしい」という声も多いと聞く。「親とクルマを共用する独身女性」を最大のターゲットにしたというキャンバスは、そのあたりの時代の空気を読んだ商品だそうである。

価格設定は前身のムーヴコンテとほぼ同等。これも「購入資金は親が援助する」というリアルなユーザー像を想定してのものだそうで、軽自動車としては安くはない。さらにいうとサイドエアバッグ(運転席/助手席)は、“○○メイクアップSA-II”という上級グレードのみ。安全性を重視する向きは、実質的に140万円以上のクルマと考えておいたほうがよい。

2トーンカラーはシャレのきいたキャラ商品

ハードウェアのベースはタントだが、リアウィンドウをわずかに前傾させたプロポーションは、いかにも新しい前後対称風。そのぶんリアシートはタントより前に出て、後席レッグルームはせまくなったが、それでも使え切れないくらいに広大。いっぽうで頭上空間はちょうどいい開放感で、タントとはちがい、前席サンバイザーにもシートに座ったまま手が届く。

ホワイトとミントブルーの2トーンを訴求カラーとして、さらに車名も“バス”をもじった造語ということもあって、ネット上では、キャンバスを「VWバスのパクリ」と揶揄する声もある。もっとも、自動車メーカーで商品名を決めるのは、たいがい営業部門である。新規車種の場合、商品名が決まるのは発売直前のケースも多く、エンジニアやデザイナーが最初から“バス”というキーワードでクルマをつくったわけではないだろう。

もっとも、このカラーリングがVWにインスピレーションを得たものであることは間違いない。ただ、あらゆる「○○みたいなクルマ」を、ガチガチに縛られた枠のなかで表現してきたのが、軽自動車の歴史でもある。欧州でもフランスやイタリアで人気のマイクロカー(日本でいう原付カーみたいなもの)にも、こういう「○○風」が多い。ダイハツもこれを海外で売るつもりはないはずだし、少なくともこの2トーンカラーについてはシャレのきいたキャラ商品として、目くじらを立てることもないと思う。

それにしても、キャンバスの2トーンカラーは凝った塗り分けパターンで、かつクオリティも高い。2トーンといえばルーフだけ別色のパターンが一般的だが、ダイハツの場合、そのタイプの2トーンはすでに独自開発のフィルム貼りに移行しつつある。そんなダイハツゆえに、キャンバスでは塗り分け2トーンでより複雑なパターンに踏み込んだわけだ。こうした2トーンカラー技術といい、キャストで見せた3モデル同時展開戦略といい、ダイハツは“少量多品種化”の生産技術で一歩先んじている感はある。

動力性能はタントより活発な印象

キャンバスの走りはまったく穏当である。とりあえず普通に走るタントより低重心となっているうえに、前後スタビライザーも全車標準(4WDは全車フロントのみ)のまま省略していない。技術内容は良心的だ。

よって、タントにあった頭からしなだれかかるようにロールするクセは、キャンバスではキレイさっぱりなくなった。サスペンションは明確に柔らかく、乗り心地も総じて良好。そのぶん意外と早めにフルバンプするが、不安を呼ぶような姿勢にはならない。

エンジンはひとまず自然吸気のみ。車重は意外に重い(ムーヴより約100kg重く、タント比でも10~20kg軽いだけ)のだが、以前に乗ったタントより動力性能は活発に感じられた。開発の軸足を実用燃費向上に移したというエンジン制御と、チョップトップによる空気抵抗低減によると思われる。

中年オヤジにも魅力的に思えるクルマ

冷静に考えれば、総合的な運動性能はもちろんムーヴにゆずる部分は多い。それでも、高速を周囲の流れに合わせて控えめに、そして街中で軽く転がしているかぎりは、ムーヴより高級にすら感じられたくらいだ。スライドドア車はボディサイドに強固なレールを通しているので、ボディ剛性は必然的に高くなる。そのぶん重くもなるが、おとなしく走る日常使いの快適性では、この剛性と重さがメリットになる部分も多い。

まあ、クルマオタクの視点で見ると、パワステがクルマの動きに対してちょっと軽すぎの感があり、カーブでお尻を沈めがちな姿勢制御には一考の余地がある。このあたりの調律は伝統的にスズキのほうが上手い。

また、運転好きの男性にも訴求するドライバーズカーとしての演出はホンダに分がある。……といった重箱のスミをあえて突っつきたくなったのは、子供もおらず、高齢者とも同居していない中年オヤジの私にも、キャンバスはちょっとドキッとするくらい魅力的に思えたからだ。

「第4の軽」にもっとも近い?

たしかに単純な“後席乗降性”でいえば、健康な大人は普通のスイングドアのほうが素早く乗り降りできる。1~2名乗車が基本の使いかたでは、スイングドアのほうが重量も軽くコストも安い。しかし、「後席に大きな荷物を積む」あるいは「駐車したまま、ちょっとした荷物整理や身支度をする」といったケースでは、開口面積が広くて、ドアを開けたままでも危険が少ないスライドドアがじつは便利……という多くの人が無意識に気づいているポイントを、キャンバスは突いている。

とくに、リアシート下に引き出し棚をつけて後席レッグスペースを収納に使わせる発想は、目からウロコだ。なるほど、私も1名乗車でクルマを使うとき、どうでもいい小荷物はリアシート上に、そして転がってほしくない荷物は後席足もとに放り投げることが多い。ただ、引き出し棚のせいで、リアシートを倒してもわずかに段差が残ってしまうが、個人的にはそこはまったく気にならない。

キャンバスをパーソナルカーとして使うなら、メイン荷室はスライドドアを通しての後席になる。わざわざリアゲートを開ける場面など、ほとんど想像できず、極端にいうと、リアゲートはなくてもいい(?)くらいである。

現在、軽自動車の定番スタイルは、ハイトワゴン、スーパーハイト、そしてハッチバックの3種類。一昨年発売されたウェイクが思ったほどの支持は受けていない現時点で、これらに続く「第4の軽」にもっとも近いのはキャンバスでは……と個人的には考える。

1990年代にハイトワゴンを定着させたのはワゴンRだが、その後のスーパーハイトの元祖となったのはタント、そして絶滅しかけていたハッチバックを復権させたのはミライースだった。つまり、近年の軽自動車で骨太なトレンドセッターとなっているのはダイハツである。キャンバスもそれに続くか?

スペック例

【 G“メイクアップ SAII” 】
全長×全幅×全高=3395mm×1475mm×1655mm
ホイールベース=2455mm
駆動方式=FF
車両重量=920kg
エンジン=660cc直列3気筒DOHC
最高出力=38kW(52ps)/6800rpm
最大トルク=60Nm(6.1kg-m)/5200rpm
トランスミッション=CVT
サスペンション=前:マクファーソンストラット式
        後:トーションビーム式
タイヤサイズ=155/65R14
JC08モード燃費=28.6km/L
使用燃料=レギュラーガソリン
車両本体価格=154万4400円


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