生産を日本に移管。サイズ展開も大幅に拡充グッドイヤーから最新のオールシーズンタイヤ「ベクター4シーズンズ・ハイブリッド(Vector 4 Seasons Hybrid)」がデビューした。日本市場において、いまだ認知度の低いオールシーズンタイヤを強力にプッシュするための新たな戦略として、欧州から輸入していたベクター4シーズンズの生産を日本に移管。13~18インチ、全44サイズとラインアップを倍近くに増やして、軽自動車から大型セダン、ミニバン用まで対応サイズを幅広く拡充した。名前に加えた「ハイブリッド」は、日本と欧州の技術融合を意味する。性能や機能は今まで実績のある欧州品と合わせるようチューニングしている。 グッドイヤーは1977年に世界初のオールシーズンタイヤを発売したメーカーで、開発の歴史は最も長い。現在は世界中で数多くのオールシーズンタイヤをリリースしている。従来のベクター4シーズンズは2008年から輸入を開始。2012年に10サイズを追加して23サイズをリリースしていた。 ニーズは高まっていたが、欧州生産では欧州車にマッチするサイズが中心で、取り寄せにも時間がかかった。新型は生産を住友ゴム工業の国内工場に移管してデリバリーを強化。これで装着可能車種が大幅に増えるだけでなく、品薄時にも入荷時間が短縮され、需要にスピーディかつタイムリーに対応できる。履いてみたいと思っていたユーザーには間違いなく朗報だ。 冬場の性能を重視したオールシーズンタイヤオールシーズンタイヤは欧米ではごく一般的で広く使われている。履き替え用のリプレイス市場でもサマータイヤ並に種類が豊富で人気も高い。一方、日本ではまだ知っている人が少なく、なかなか普及しない。少し前のオールシーズンタイヤの性能が中途半端で、不評だったことが一因と考えられる。最近ではコンパウンドやパターンの改良が進み、信頼性が高まりつつある。 しかし、当然どれでもいいわけではない。選ぶときの注意すべきポイントを知っておきたい。オールシーズンタイヤは四季を通じて幅広い路面状況に対応するため、目標性能が非常に多岐にわたる。そこで、タイヤによって重視した部分が異なるのだ。オールシーズンタイヤとして一般的なSUVやクロスオーバー車が履く純正タイヤは、耐摩耗性や静粛性、ドライ&ウエット性能などを重視している。冬期性能は浅雪のグリップを確保する程度で、どちらかというとサマータイヤに近い。 一方、ベクター4シーズンズ・ハイブリッドは、外観からもわかるとおり、太く深く刻んだV字型の溝が大きな特徴だ。センター部には細かいサイプを数多く刻むなど、雪や氷のグリップを得るための工夫が各所に見られる。ショルダー部は剛性の高いブロックを配置して夏場の高速性能を確保しているが、タイヤ全体としては冬場の性能を重視したことが、はっきり把握できる。 降雪地区以外ではメリットを感じられるはず実際に様々な路面で試乗してみると、ベクター4シーズンズ・ハイブリッドのバランス感覚がよくわかる。例えば冬期にゲレンデへ向かう道。ドライ、ウエット、浅雪、凍結、圧雪など多種多様な路面状況が待ち受ける。 安全マージンを十分に取った速度域で走る一般道では、スタッドレスとほとんど同じ感覚で走行可能。ワインディングでも、しっかりした剛性とグリップが感じ取れ、安心感は高い。とくにシャーベット状の湿雪は、太い溝のおかげで走りやすい。2WDで急坂発進といった厳しい条件でなければ、圧雪路も十分な性能を発揮してくれる。 唯一、凍結箇所のグリップだけはスタッドレスに及ばない。とくにサイプが少ないショルダーブロックに荷重が乗るような場面、下りのコーナリングやブレーキング、凍結しやすい日陰や橋の上、トンネル内などは十分に注意が必要だ。この点だけ把握しておけば、サマータイヤが走行不能に陥る降雪時も走れるわけだからメリットは大きい。 関東以西では年に1~2回の降雪で大騒ぎになるが、そんな場合でも問題なく走れる。夏タイヤにチェーンを組み合わせるより安全で実用的。冬タイヤとして認証されており、残溝が50%以上あれば冬タイヤ規制やチェーン規制(全車チェーン規制を除く)も走行できる。降雪地区の冬期は凍結が多くなるためスタッドレスタイヤへの交換が必須だが、夏タイヤとしてベクター4シーズンズ・ハイブリッドを履いておけば、春先や秋口の突発的な降雪時もスタッドレスへの交換が不要になる。効率のいい使い方でメリットを感じるユーザーは多いはずだ。 Vector 4 Seasons Hybrid サイズラインアップ■13インチ ■14インチ ■15インチ ■16インチ ■17インチ ■18インチ |
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