パスワード再発行
 立即注册
検索

新型NSXは初代NSXの進化型じゃない。サーキット試乗で見えた正体とは?

2016-9-15 16:55| post: biteme| view: 319| コメント: 0|著者: 文:清水 和夫/写真:篠原 晃一

摘要: 新型NSXは初代NSXの進化型じゃない! いまから四半世紀以上前に「初代NSX」は誕生した。ホンダとしては1960年代に開発した「S600」以来の出来事だったので、バブルやF1参戦の勢いも後押して、開発チームの熱気は火傷 ...

新型NSXは初代NSXの進化型じゃない。サーキット試乗で見えた正体とは?

新型NSXは初代NSXの進化型じゃない!

いまから四半世紀以上前に「初代NSX」は誕生した。ホンダとしては1960年代に開発した「S600」以来の出来事だったので、バブルやF1参戦の勢いも後押して、開発チームの熱気は火傷しそうに熱かったと記憶している。

ここでは初代NSXには詳しくは触れないが、ハッキリさせておきたいことがある。それは“旧NSXと新型NSXは名前こそ同じだが、技術コンセプトは大きく異なっている”という事実だ。先代は経験の浅い=普通のドライバーでも限界まで操れるスポーツカーを目指して開発された。当時のホンダは「誰でも乗れるスポーツカー」とPRしていたが、私は「誰でも楽しめるスポーツカー」ではないのかと思ったものだ。当時のNSXのベンチマークはフェラーリとポルシェ。どちらのスポーツカーも人間の持つ感性を限界まで研ぎ澄ますことを楽しめるスポーツカーだが、一般の人には乗りこなせなかった。

パワーステアリング、トラクションコントロール、ABS、エアバッグ、小型のゴルフバッグなら格納できるブートスペース(トランク)と安全装備や快適装備も万全だった。スペック的にも欧州のスーパースポーツにひけをとらないパフォーマンスに驚いたものだ。その価格も国産車最高額の800万円であった。

新型NSXは同じ名前を使っているが、中身は大きく異なる。チーフエンジニアのテッド・クラウス氏の言葉を借りると「初代NSXはアコースティックギター、新型NSXはエレキではないセミ・アコースティックギター」だという。ポイントは「電気を使った走り」だ。少し前までの自然吸気の「911カレラ」と、ターボを使った「911ターボ」の関係に似ているかもしれない。新型NSXは初代NSXの進化型ではなく、まったく新しい技術コンセプトを持ったスーパーカーなのである。

進化を続けるスポーツハイブリッドSH-AWD

もっともユニークで先進的な技術は、左右の駆動力配分=トルクベクタリングでスーパーハンドリングを実現した「スポーツハイブリッドSH-AWD」だ。2000年前半からホンダが手掛けてきた「SH-AWD」の進化版で、当時は電磁クラッチでトルクを振り分けていたが、「スポーツハイブリッドSH-AWD」では左右それぞれに配された「ツインモーターユニット(TMU)」で独立制御するため、「e-SH-AWD」と呼んでもカッコいいかもしれない。

「スポーツハイブリッドSH-AWD」はまず、「レジェンド(※2014年に北米で発売された「アキュラ RLX」の4WDグレード~)」のリア・アクスルで実用化された。搭載第2弾となるNSXでは、フロント・アクスルにツインモーターを配置することでハンドリング性能を高めている。モーターで旋回力をアシストする本格的なトルクベクタリングは自動車史でも画期的なことだ。将来はこうした機能にバイワイヤ・ステアリングが組み合わされて、“未来のスポーツカー”へと発展していくはずだ。

一般道路の方がトルクベクタリングを感じられる

ミッドシップ×ハイブリッド×フロントモーターでも駆動する4WDスーパースポーツ、と聞くと「ポルシェ 918 スパイダー」を思い出す。カーボンボディ(918 スパイダー)とアルミボディ(NSX)、V8自然吸気(918 スパイダー)とV6ターボ(NSX)の違いがあるが、新型NSXにもっとも似た技術は1台約1億円のポルシェ 918 スパイダーだったのだ。もっとも918 スパイダーはリチウムイオンバッテリーを大量に搭載したPHEVなので、EV走行も可能な“フル・ハイブリッドのスーパースポーツ”だが、NSXはシャシー性能を高めるためにモーターを使うので、今までの常識的なハイブリッドとは異なる。

サーキットという限界域の走りにおける、NSXのトルクベクタリング性能はどんな印象なのだろうか。不自然さが残ったプロトタイプと比べると、量産型ではフィールが改善されている。とくに「トラック」モード(サーキット専用)ではベクタリングの介入が抑えられるようになり、マシンとの一体感が味わえる。だが欲を言えば、トラックモードでももっとAWDとしての力強いトラクション性能(前に進む加速力)が欲しいとも思った。

実はトルクベクタリングが強めに作動するのは「スポーツ+」モードだ。ターンイン時にアウト側タイヤに配分された駆動トルクでノーズが巻き込んでいく感覚は新しいもので、その瞬間に「トルクベクタリングが効いた!」と感じることができる。この感覚はむしろ一般道路のほうが感じやすいのだ。一方、「スポーツ」モードではもう少し作動が穏やかになる。

横置き自然吸気V6から縦置きV6ターボへの変遷

V6ツインターボは非常に魅力的で、80年代のホンダF1黄金期を思い出してしまった。新型NSXは、開発当初は初代NSXと同じように自然吸気のV6エンジンを横置きにミッドシップする予定だったが、近年のスポーツカーの世界で勃発したパワー競争に追いつくために、ターボで強化したV6を縦に置くミッドシップに変更している。しかも、V6ターボにはモーターを内蔵した9速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)まで組み合わせているため、エンジン×モーターのシステムパワーは、最高出力581psと最大トルク646Nmとなり、ライバルと較べても引けをとらない。

圧巻はローンチコントロールした時の加速力で、まるでロケットのような強烈な加速Gが発生する。まず、9速DCTが機械的に結合される前に、3つのモーターが駆動を開始。そして、ほんの僅かな時間差でV6ターボのトルクが追従する。モーターで発進するときの仕草もエンジン車と違った気持ちよさがある。モーターは無音だが、V6ターボの唸りが耳に聞こえてくる時には、ドライバーは異次元の加速に浸っているわけだ。

自然吸気の先代NSXとはまったく異なるエンジン音だ。レブ・リミットの7500回転までしっかりと回すと、0-100km/h加速は開発陣によれば約3.0秒(※正式データは現在非公表)と、「ポルシェ 911 ターボ」に匹敵する。モータートルクとエンジンのコンビネーションはコーナーの立ち上がりでも有効で、旋回力オタクのNSXだが、実は立ち上がりも鋭い。

新型NSXはアルミコンポジットボディを採用するが、重量は1780kgと重いのが気になるところ。重さでは「日産GT-R」に近いスペックで、日本から出てくるスーパースポーツが揃って重量級というところも面白い。

タイヤのグリップ限界をベクタリングで絞り切る

サーキットの走りをもう少しレポートしておこう。タイヤはサーキットで推奨される「ピレリ P ZERO トロフェオ R」が装備されていた。純正装着タイヤの「コンチネンタル スポーツコンタクト 5P」では、サーキットでのモーター・ベクタリングを活かし切るグリップ性能が足りないのかもしれない。逆に言うと、NSXはロードカーとしての快適性にもこだわっており、スーパースポーツを日常的に使うアメリカのニーズに合わせている。

フロントタイヤが限界に近づくとアンダーステア傾向を示すが、外側のタイヤにモータートルクを与えて旋回モーメントを発生させるので、まるで乾いた雑巾を絞るようなイメージでタイヤが酷使されてしまう。コンチネンタルの剛性ではマッチしなかったのだ。理想を言えば、快適性能と運動性能を両立したタイヤでサーキットも走れるように開発して欲しかった。タイヤを替える必要があるという点は少し理解に苦しむ。結局、モーター・ベクタリングの使い方がまだこなれていないのかもしれないと腹に落としておくが、車体やサスペンションの基本性能をもっと高める必要もありそうだ。

2370万円は決して高くない!

4つある走行モードの中で、ハイブリッドを感じさせるのは「クワイエット」モードだ。また、全体の印象では「スポーツ」モードはバランスが良いと感じたが、サスペンションの硬さやステアリングの手応えは「スポーツ+」モードが良いと思った。どのモードでも、ライバルのスーパーカーよりも明らかにサスペンションはマイルドだ。そのため、ロードカーとしては上質な乗り心地を提供してくれそうだ。それと、試乗車はオプションのカーボンセラミックローターを装備していたので、利きも良くフェードもしないし、完全なバイワイヤーブレーキ・システムなのでABSのペダル振動もなかった。

「もし、電子制御パーツを取っ払い、軽量ボデイにV6ターボを組み合わせたら、きっと昭和のスーパーカーに後戻りするかもしれないが、アドレナリンは出まくるだろう…」なんて妄想するのも面白い。次期「NSX タイプR」は“チューンド・バイ・マクラーレン”でもいいかもしれない。

新型NSXはズバリ「コーナーリングオタク」なのである。そこに最大の価値があることは間違いない。1馬力当たり4万円前後がモダン・スーパースポーツの相場なので、NSX(581ps)の2370万円は決して高くないかもしれない。

スペック

【 NSX 】
全長×全幅×全高=4490mm×1940mm×1215mm
ホイールベース=2630mm
駆動方式=4WD
車両重量=1780kg
エンジン=3.5L V型6気筒 DOHC直噴ツインターボ
最高出力=373kW(507ps)/6500-7500rpm
最大トルク=550Nm(56.1kg-m)/2000-6000rpm
トランスミッション=9速DCT
リアモーター=35kW(48ps)/3000rpm、148Nm(15.1kg-m)/500-2000rpm×1基
フロントモーター=27kW(37ps)/4000rpm、73Nm(7.4kg-m)/0-2000rpm×2基
システム出力=最高出力:427kW(581ps)、最大トルク646Nm(65.9kg-m)
JC08モード燃費=12.4km/L
使用燃料=プレミアムガソリン
サスペンション=前:ダブルウイッシュボーン
        後:ウイッシュボーン
タイヤサイズ=前:245/35ZR19、後:305/30ZR20
車両本体価格=2370万円


さようなら

なるほど

共感した

ありがとう

相关分类

Archiver|携带版|BiteMe バイトミー

GMT+9, 2025-6-25 16:40 , Processed in 0.161740 second(s), 17 queries .

Powered by Discuz! X3.5

© 2001-2025 BiteMe.jp .

返回顶部