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トヨタ86大幅改良を速攻試乗。BRZを上回る質感向上だが課題もある

2016-7-6 19:15| post: biteme| view: 734| コメント: 0|著者: 文:河口 まなぶ/写真:小林 俊樹

摘要: 新しい86はBRZの乗り味に近づいた! 極めて印象的だったのは、「キャラクターを変えたのか?」と思えるようなハンドルから伝わる感触!先日、「スバル BRZ」のビッグマイナーチェンジモデルを試乗して、その滑らかな ...

トヨタ86大幅改良を速攻試乗。BRZを上回る質感向上だが課題もある

新しい86はBRZの乗り味に近づいた!

極めて印象的だったのは、「キャラクターを変えたのか?」と思えるようなハンドルから伝わる感触!

先日、「スバル BRZ」のビッグマイナーチェンジモデルを試乗して、その滑らかなハンドルの感触に驚かされたばかり。ならば「トヨタ 86」はどうか?  と興味津々で走らせたわけだが、なんとビッグマイナーを受けた86、通称「86KOUKI」(この辺りの演出もトヨタは上手いですな)は、BRZのさらに上を行く「しっとり」とした感触を伝えてきたのだ。

ご存知のように86とBRZは登場当初、トヨタとスバルの考え方の違いから、「乗り味走り味」を異なるものとして世に送り出された。この辺りに関しては、なるほど互いに譲れない思想と哲学があるからだろう、と思えた。が、しかし! あれから4年を経て、その間コツコツと改良されてきた2台は今回のマイナーチェンジで、結果的に乗り味走り味が近づいたのだから興味深い。

我々のイメージとしても、BRZよりも86の方が明らかに元気の良さがウリのキャラクターだったが、今回はむしろ大人っぽさすら感じるのだ。

メカは同一、違いはセッティングで結果は…

ちなみに登場当初は、86とBRZではフロントのスプリング・レート等が異なることで、ハンドリングの味付けが顕著に異なっていた。しかし今回、メカニズム的にはほぼ同じものを用いており、スプリングやスタビライザーも同じものを用いているという。

では違いは何かといえば、ショックアブソーバーのセッティングと電動パワーステアリングの制御とのこと。つまりメカは同一ながら調整できる部分でのセッティングが異なるのみということなのだ。

そしてこの点に関しては、トヨタとスバルで開発は共有しておらず、互いの考え方でセッティングしている、というのだから余計に面白い。なぜならそれぞれに開発を行なってきたにもかかわらず、結果的に同じような方向性に落ち着いたからだ。

そもそもBRZは、86と比べたときに乗り味走り味が安定志向であり、落ち着きを感じた。例えば高速道路をまっすぐ走っているときでも、車線変更等でハンドルを切ろうとすると、ハンドルはどっしりと落ち着いていて(それだけに直進性がしっかり感じられて)、手にある程度の抵抗感があってから回る感じだった。

しかし今回のビッグマイナーで、スバルはBRZにさらなる落ち着きを与える一方で、ハンドルは直進から滑らかに動くような味付けとしている。以前のようなどっしり感(=抵抗感)はなくなり、それでも不安感はなく、滑らかにハンドルがスッと回る感じになった。

一方で86は当初、BRZよりもキビキビした感じで、ハンドルを回すとすぐに反応するタイプだった。悪く言えばフロントに落ち着きがない感じも受けたが、それがゆえにクルマの向きがキビキビ変わって楽しさと元気の良さが強く感じられたわけだ。

落ち着きと滑らかな操作感を両立するステアリング

今回のビッグマイナーでは、トヨタは86にもう少し落ち着いた印象を与えるような感覚を盛り込んだ。ハンドル操作に対して、これまでよりも落ち着きを伴いながらクルマが動くようになった。質が上がった感じがある。そしてこちらも、滑らかにハンドルがスッと回るのだ。しかも、BRZ以上と思える滑らかさで。

時を経て、2台は乗り味走り味に、落ち着きを感じさせるとともに滑らかなハンドルの感触を盛り込んだ。これが何を示すのかといえば、走りにおいてより高い質を感じさせる方向性は同じだということだ。以前のBRZのように落ち着き過ぎるのでなく、86のようにキビキビし過ぎるのでもない、クルマを落ち着かせ、優れた感触は伝え、操作した分だけ素直に動かす…そんな方向性に決着したといえるだろう。

ユニークなのは、そこにたどり着くために、トヨタとスバルは同じクルマでありながらも違うアプローチをしてきた点だ。トヨタの場合は特に今回、ニュルブルクリンク24時間レース参戦で鍛え続けてきたことから得たノウハウを、86KOUKIに存分に盛り込んできた。

中でも印象的なのは、空力に徹底してこだわっている点で、ハンドリングの向上にまで寄与させている辺りが実にユニーク。しかも単なるエアロパーツだけでなく、ステアリングコラムやフロントガラス等にアルミテープを貼ることによってボディの帯電をなくし、これによってボディから気流が剥離しにくくするという謎の技術(トヨタは今後これに関して記者発表や説明会を行うという)も用いている。そうした話を聞くと、この辺りの空力がBRZ以上のしっとりとした操舵感を生んでいるのか? とすら思える。

16インチも、17インチ×ザックスも熟成度が高い

話がいきなり核心からになってしまったが、もちろん他にも様々に改良がなされている。最高出力はBRZと同様に207psとなり、最大トルクも21.9kgmへとわずかに増加。あわせてファイナルギアも4.1から4.3へ変更されたことで、加速とレスポンスが向上した。もっとも効果絶大、とは僕は感じなかったが、動力性能的に少し元気な印象を与えることは間違いない。

今回はBRZと違って試乗がショートサーキットのみに限定されたのが残念だが、走りの印象は冒頭の通り、意表を突かれた新鮮な感覚から始まった。

特に最初に試乗したのが、BRZの試乗会にはなかった16インチサイズのタイヤを装着したモデルであるGグレードだったので、余計に「BRZとは違う!」という感じを強く受けたのは間違いない。

このタイヤは17インチのミシュランから比べると当然マイルドな乗り心地であり、限界性能も低くすぐにタイヤが流れていく。しかしそれでも駄目と思わせないどころかむしろ、この味も相当に良い! と思わせるレベルに到達していた。しかも最初に記した通り、ハンドルの滑らかな感触が際立っていて、大人っぽくなったなと素直に感じる。

一方、その後に17インチのミシュランとザックス社製のショックアブソーバーを備えたGTリミテッドを走らせた。先ほどの16インチ以上に粘りがあるが、さらにクルマ全体がGよりもカッチリと感じるのが魅力だ。また、ショックアブソーバーが粘って限界性能を引き上げるため、より落ち着いた印象の乗り味を生み出していたのだった。

86KOUKIは、あらゆる面で「深化」という言葉を使って進化の中身を表現する。そして言葉通り、確かに深みを感じさせる乗り味走り味を手に入れていた。というわけで、BRZ同様に、今回のビッグマイナーチェンジが施された両社のハードウェアに対する僕の評価は極めて高い。

最新トレンドのキャッチアップが物足りない

が、一方で厳しくまとめれば、乗り味走り味やその存在感を含め、確実に深化したと評価できる一方で、商品性として現代のクルマに相応しい進化はイマイチのようにも思えた。これは86だけでなく、BRZにもいえることなのだが、新しい感じは薄い。もちろん、ヘッドライトやテールレンズを始めとして、外装デザインも変更を受けている。エクステリアの空力には相当こだわったと言えるだろう。

ただ、登場が4年前のクルマであり、抜本的な改革をするには難しい作りのためある意味仕方ないとはいえ、例えば安全装備では最近のトレンドである自動ブレーキ等は全く入っていない(入れられない)。また、2012年登場にもかかわらずUSBポートは未だ標準装備されないなど、どこか昭和な感じが漂うのも実際だ。

もちろん装備を増せば増すほど車両重量が重くなり、スポーツカーの本質である走りに影響を与えるのが主な理由だから、86もBRZも本質は簡素であり、それは新型でも変わらない。

例えば後席にアクセスする時にシートバックを前に倒すレバーも、使い勝手を考えたらシートバックの肩にある方が良いのだが、機構的に複雑かつ高コストになるため座面横のままだ。86もBRZも後席にアクセスしたり荷物を入れる時にシートバックを倒そうと思うと、しゃがみこんで座面横のレバーを引く必要がある。せっかくのスポーツカーなのに、使い勝手がスマートではないのが残念だし、そういう部分が改められないのも残念だ。

もっともそれは重箱の隅をつつくようなことと思う方も多いだろう。しかし現代の魅力的なスポーツカーであるならば、そうした部分は真っ先に気にしてほしいし改良して欲しい部分であり、細かな配慮は結果的に全体の進化であり深化に関わっていく。事実世界のスポーツカーたちは、むしろこうした部分をないがしろにせずにきちんと改良なりマイナーチェンジでキャッチアップしていく。

86もBRZもそうなのだが、例えば今時のスポーツカーならアップルのカープレイに対応していても不思議じゃない、けどそうはなっていない…といった具合だ。

細かな変更はコストと重量を嵩ませる原因になる。スポーツカーにとっての大敵である。けれど本質に忠実なスポーツカーであっても、それを使う人が全員原理主義者ではない。その辺りを見越した上で装備レベルは考えるべきだし、そこを見越した上で重量もあらかじめコントロールしたクルマを送り出すのがクルマ作りなのではないかと僕は思う。

ライバルを圧倒するシナジー効果を見せてほしい!

そして最後に記しておきたいのは、やはりトヨタとスバルによる共同開発なのだから、もっとシナジーを出すべき、ということ。

この4年間の改良を見続けて、今回ビッグマイナーチェンジを果たした点には感慨を覚えるのだけど、もしこれが1社の開発によるスポーツカーだったらもう少し広い範囲での手の入れ方や変え方があったのではないか? とも思えてしまう。

現状だと新しくなったけれど、どこか互いの立場を気遣うあまりに、共同で何かする時の本懐に踏み入れてない部分があるように思えてならない。両者の思想や哲学はきちんと盛り込むべきだが、同時に共同だからこそまずは共に一気に前へ進んでしまって、その後に互いの考えを反映する道もあったのではないか?

今回のビッグマイナーチェンジで、トヨタもスバルも86とBRZを大幅に向上させ、深化させ、良いスポーツカーにしたということを、僕は確かに感じ取ることができた。けれどこの向上や深化は僕のような仕事に就く者にとっては大幅かもしれないが、世の中的にそうかと考えると微妙なのが実際だ。これまで86とBRZに乗り倒してきた人にとっては大きな違いに満ち溢れているが、輸入車を含め他の最新モデル等と比べた時、それらを圧倒するだけの何かが確固としてあるか? と考えるとなかなか難しいのが実際だ。

2.0LのFRスポーツカー、という存在そのものの希少さと貴重さがあることはもちろんだし、そこに立脚する走り楽しさ気持ち良さを提供できていることもわかる。が、それは生まれ持って備わった特性であり、今の時代にこのマイチェンを経て何を提供するのか? がもっと明確にあって良いとも思うのだ。そしてその答えは、トヨタとスバルがもっとがっぷり四つに組んで開発する先にあると思える。

僕は86とBRZを誕生当初からウォッチし続けているし、BRZを2台乗り継いだオーナーでもある。だからこそ、あえての厳しい意見なのだが、それはこの2台に未だ可能性を感じているからだ。

そして今後は次期モデルが検討されているとも聞く。ならば余計にトヨタとスバルが共同開発したからこその、我々が想像もできなかった驚きを提供してほしいと切に願うのだ。

スペック例

【 86 GT 】
全長×全幅×全高=4240mm×1775mm×1320mm
ホイールベース=2570mm
駆動方式=FR
車両重量=1240kg
エンジン=2.0L 水平対向4気筒DOHC直噴
最高出力=152kW(207ps)/7000rpm
最大トルク=212Nm(21.6kg-m)/6400-6800rpm
トランスミッション=6速MT
JC08モード燃費=11.8km/L
使用燃料=プレミアムガソリン
サスペンション=前:マクファーソンストラット
        後:ダブルウィッシュボーン
タイヤサイズ=前後:215/45R17
車両本体価格=298万1880円


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