特徴は?東京都心、平日なのに若者でごったがえす原宿を拠点に、マイナーチェンジした「ボルボ V40」に乗った。2013年に日本で発売されたV40は、これまでにパワートレーンが変更されたり、当初硬いと評された足まわりがソフトになったりしたが、4年たった今年、初めてデザイン変更を伴うマイナーチェンジが行われた。 ボディや骨格は変わらない。目に見える変更点はフロントマスクに集中していて、まずヘッドランプユニット内部の構造とデザインが変わった。新型にはフルLEDランプが採用されたほか、「XC90」で初めて用いられたボルボが「トールハンマー」と呼ぶ、横に寝かせた「T」のようなデザインが採用された。 またフロントグリルのデザインが縦格子タイプに変わり、その上に重ねられるボルボのトレードマーク(名前は「アイアンマーク」)が最新の意匠に変更された。グリルの対角を結ぶおなじみの斜め線は健在だが、アイアンマークの矢印がその対角線と同じ角度を向くようになった、というのも一応報告しておこう。 第一印象は?これらの変更はいずれも細かいがどれも効果的で、パッと見でも「ああ新しくなったな」と感じられる。全体的にXC90や今後登場する「S90/V90」あたりに印象を近づけたような変更となっている。 今、ボルボ各モデルは、日本導入されたばかりのXC90を皮切りに順次新しいプラットフォームを使った新世代モデルに切り替わっている。V40はフルモデルチェンジのタイミングがまだ当分先(おそらく3~4年先)だが、とりあえず顔つきを新世代に切り替えておこうというのがボルボの思惑だ。 インテリアは外観よりもわかりやすく変わった。シートに部分的に織り込んだファブリックを用いたテキスタイルシート「シティ・ウィーブ」が新たに導入された。写真を見ていただければわかるように、身体に接する部分を中心にクルマのシートではあまり見かけないざっくりした素材のファブリックがあしらわれている。見た目に美しく、レザーシートとは違って温かい印象を受ける。新型V40で最も気に入ったのがこのテキスタイルシートだ。 まとめると?1.5リッター直4ガソリン直噴ターボを搭載した「T3 モメンタム」というテスト車で、適度に混雑した都心を流すように試乗した。車重1480kgのV40に、ターボとはいえ1.5リッターエンジンじゃ物足りないと思いきや、ストップアンドゴーの繰り返しでも痛痒なく走らせることができる。6ATのギアリングも適切なのだろう。 今回のマイナーチェンジではパワートレーンや足まわりに特筆すべき変更は加えられていないそうだが、以前乗ったT3よりも乗り心地は向上しているような気がする。現代のクルマはハイテク技術を駆使して生産されているはずだが、それでも発売直後のモデルよりも生産開始から数年たったモデルのほうがいろいろと出来がよいというケースはままあること。だからクルマは面白い。 また2014年、V40は歩行者やサイクリストまで検知可能な自動ブレーキを含む10の先進安全機能を全グレードに標準装備とした。今回はそれに加え、これまでオプションだった歩行者エアバッグが全車に標準装備した。従来オプション設定されていた装備を後から標準装備とし、購入意欲を高めるこうしたやり方は、V40がモデルサイクルの後半に入ったことを意味する。 最初よくても急速に見飽きてしまうデザインがあるなかで、V40の基本デザインは4年たってもまだまだ新鮮。ハッチバック(ボルボは「ショートワゴン」と呼ぶが)の傑作デザインだと思う。装備面でお得になったこのモデルを今から買っても十分に幸せになれるような気がする。オススメのボディカラーは往年のアマゾン(1956~70年にかけて生産されたセダンで)にも設定されたという薄い青の「アマゾンブルー」。これにテキスタイルシートを組み合わせたい。 スペック・価格・燃費【 V40 T3 モメンタム 】 |
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