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新型S90/V90に海外試乗。新世代ボルボのフラッグシップの実力にふれた

2016-7-12 09:00| post: biteme| view: 178| コメント: 0|著者: 文:石井 昌道/写真:ボルボ・カー・ジャパン

摘要: ドイツ・プレミアム勢に立ち向かう急先鋒 イギリスのEU離脱で何やらきな臭いことになっている欧州だが、その根本的な理由の一つに、強すぎるドイツへの反発もあるようだ。そもそも工業力が高いドイツも以前はマルク ...

新型S90/V90に海外試乗。新世代ボルボのフラッグシップの実力にふれた

ドイツ・プレミアム勢に立ち向かう急先鋒

イギリスのEU離脱で何やらきな臭いことになっている欧州だが、その根本的な理由の一つに、強すぎるドイツへの反発もあるようだ。そもそも工業力が高いドイツも以前はマルク高にあえいでいたが、ユーロが導入されてからは輸出での利益が膨らみ、経済は絶好調。内需はさほど強くないもののEU域内での経済的な覇権を握るようになった。工業力や経済力で劣る他のユーロ導入国は独自通貨がないゆえ防衛的な金融政策をとれず、格差は広がる一方という構図になっている。

振り返ってみればドイツ車もユーロ導入時あたりからクオリティが飛躍的に高まり販売台数も右肩あがり。とくにプレミアムカーは他国が追いつけないほどの実力と人気を兼ね備えた存在になった。だがここにきて、そのドイツ・プレミアム勢に敢然と立ち向かう勢力もでてきている。その急先鋒がボルボだ。

XC90に続いてSPAを採用した新世代ボルボ

もともとボルボは安全性能へのこだわりや北欧ならではのデザインに定評があるプレミアム・ブランドとして認知されていたが、ドイツ・プレミアム勢に比べるとリーズナブルなプライスタグを掲げたり、ボディサイズや車格を微妙にずらして買い得感を高めるなどしてガチンコ勝負を避けてきたきらいがある。

だが、ブランド力を高めるべくパワートレーンにプラットフォーム、デザインを一新する構想をフォード傘下時代から推し進め、それが最近になって商品に表れ始めた。エンジンはすべてが4気筒2.0L以下で電動化へも対応。

プラットフォームはSPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ)と、そのコンパクト版といえるCMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャ)に集約。どちらもフロントアクスルとAピラー付け根付近までは共通化しつつ、その他はフレキシブルとすることでスケールメリットと多様性・汎用性を両立できるのが特徴。今回試乗したS90/V90は、XC90に続いてSPAを採用した新世代ボルボだ。

エンジンはガソリン3種、ディーゼル2種を設定

実質的にはS80/V70の後継となるS90/V90。新世代ボルボはXC90も含めて90シリーズをフラッグシップ、60シリーズをミドルレンジ、40シリーズをエントリーとポートフォリオを再構築するようだ。

ボディサイズはS90が全長4963×全幅1890×全高1443mm、V90が同4936×同1890×同1475mm。現在日本で発売されているドイツ・プレミアム勢のEセグメントに対してやや大きめだが、次期型のメルセデス・ベンツEクラスも大型化されており、それに比べればさほどの差はない。価格も同等エンジンならば同程度だといい、これまでのように外し技は使わずに真っ向勝負を挑んでいる。

ガソリン・エンジンは直列4気筒2.0L直噴が用意され、T5(FF)はターボで254PS、T6(AWD)はスーパーチャージャー&ターボで320PS、PHEVのT8(AWD)はモーターとのシステム総合で407PS。ディーゼル・エンジンも直列4気筒2.0LでD4(FF)は190PS、D5(AWD)は235PSとなる。

知的で洗練されたスカンジナビアン・デザインを体現

S90はクーペ風のなだらかなルーフラインと、スーパーヨットからインスピレーションを受けた直線的にビシッと通ったキャラクターラインの対比で、優雅でありながら強い存在感がある。

V90は昔のボルボ・エステートと違ってテールゲートが寝かされてやはり優雅だ。そのフォルムから受ける印象、さらにはトールハンマーを象ったLEDヘッドライト、オーバーハングの岩壁のごとくそそり立つフロントグリルなどにはデザイン的な強さがあるが(デザイナーはライオンをイメージしたと言っていた)、いたずらに凝りすぎた面構成などを採っていないのも新世代ボルボの特徴だ。オーバーデザインよりはアンダーステートメント。知的で洗練されたスカンジナビアン・デザインを体現している。

インテリアも、贅沢な素材をクラフトマンシップによって仕上げながら、人中心の考え方で機能を大切にし、さらに最先端技術を融合させるという見事な仕立てとなっている。XC90でも大好評のウッドパネルは、一般的な自動車用の光沢のあるものと違ってナチュラルな風合い。面白いのは、北欧以外のデザイナーが、北欧らしい美点としてこれを用いる発想をしたのだという。欧米の人が明障子の和紙を通した柔らかな光に、日本人以上に感動するのと同じようなことなのだろう。また、ダッシュボードの端から端まで連なるクローム部にまったく継ぎ目がないのがこだわりだという。

日本導入予定のT6 AWDに試乗

今回は日本に最初に導入される見込みのT6 AWDを中心に試乗した。すでにXC90で体験しているが、2.0Lながらツインチャージャーの威力で4.0L NA並となる400Nmもの最大トルクを発揮。より軽量なS90/V90ならばパフォーマンスに不満など抱くはずもない。

発進時から軽量なコンパクトカーのようにスイスイと走り始め、中間加速にもトルクフルゆえの自在感がある。低回転域はレスポンスに優れるスーパーチャージャーが受け持ち、途中からターボが加わってくるのだが、3000rpmあたりでグワッとトルクが盛り上がることがある。躾という意味では完全なフラットトルクにしたほうがいいとは思うが、よくぞこの排気量でこれだけのパフォーマンスを発揮するものだと感心させられる瞬間でもある。

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアはベーシックモデルだとなんとリーフスプリングになる。旧態依然としたイメージのリーフスプリングだが、エンジニアによると省スペースとバネ下軽減の効果は大きく満足いく性能を得られるという。コンポジット素材を採用しているので軽量化効果も大きいようだ。いったいどんな乗り味なのか確かめてみたかったが、試乗車はオプションのエアサスペンション仕様だったのでかなわなかった。

ピレリ共同開発のタイヤが秀逸

S90/V90のシャシー性能で潔いと感じたのが、いたずらにスポーティさを追うことなくリラックスできて信頼のおける操縦性を目指したことだ。今どきの自動車はブランドイメージ向上やキャラクター構築の手っ取り早い手段とばかりに、猫も杓子もスポーティを謳っているが、誰もがそれを求めているわけではないだろう。むしろ日常を快適に過ごせるほうが愛着がわき、末永く付き合いたいと思わせるケースが多いはずだ。S90/V90のアプローチはドイツ・プレミアム勢に対するアンチテーゼという意味合いもあるのかもしれない。

試乗車は255/35R20のピレリP ZEROを履いていたが、その大きさが信じられないほど乗り心地は快適であり、タイヤ内部にスポンジを仕込んで吸音するタイプだったこともあってノイズも極小に抑えられていた。転がっていくときの滑らかな感触や抵抗感の少なさなども秀逸。とてつもなくマッチングがいいことに驚いたが、聞けばピレリと密に共同開発したもので、ボルボとしては初めて承認タイヤの証である“VOL”のマーキングをサイドウォールに刻むことになったという。

低速域ではゴツゴツ感がなく、100km/hを大きく超える速度域まで常に快適。細かく観察すれば、可変ダンパーがソフト寄りのときは路面によって上下動の収まりが今一つで、ハード寄りにすると少しだけゴツゴツっとくるようなこともあり、その中間にもっといいところが見つけられないものか? とツッコミを入れたくもなったが、まったくの新型車としてはまずまずのレベル。試乗車は本格生産前のモデルであり、今後は熟成も進むだろう。

日本上陸はS90が今年10月頃、V90は来年

全体的に快適ではあるが、ワインディングを走らせても鈍重なんてことはなく、しっかりと剛性感のあるボディとしなやかなサスペンションの組み合わせによる素直なハンドリングが楽しめた。個人的な好みとしては、ターンイン時にフロントタイヤが路面をしっかり捉えているような接地感がもう少しだけ強いとフィーリングにピタリと合うと思ったが、それは今後ラインアップに加わるであろうR-Designに期待すればいいのだろう。

むしろ、これぐらい穏やかなほうが新世代ボルボが目指す世界観はわかりやすいかもしれない。クリーンながら抜群の存在感がセンスを感じさせるデザインも含め、ドイツ・プレミアム勢に一泡吹かせる準備は万端だ。

日本への上陸はS90が今年10月頃、V90は来年になる見込み。いずれもガソリン・スーパーチャージャー&ターボのT6から導入が始まり、次いでPHEVのT8。初期ブーストのレスポンスを向上させるパワーパルスが新採用されたディーゼル・ターボのD5は、いろいろとあってちょっと遅くなるようだ。

スペック

【 S90 T6 AWD 】
全長×全幅×全高=4963mm×1890mm×1443mm
ホイールベース=2941mm
駆動方式=4WD
車両重量=1800kg
エンジン=2.0L直列4気筒DOHC直噴 ターボ+スーパーチャージャー
最高出力=235kW(320ps)/5700rpm
最大トルク=400Nm(40.8kg-m)/2200-5400rpm
トランスミッション=8速AT
使用燃料=プレミアムガソリン
サスペンション=前:ダブルウィッシュボーン式、後:リーフスプリング式
※欧州仕様


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