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フェラーリGTC4ルッソ試乗。4WSが加わった4WDシステムの実力は?

2016-7-15 00:00| post: biteme| view: 203| コメント: 0|著者: 文:清水 和夫/写真:フェラーリ・ジャパン

摘要: フェラーリ異端の4WDに後継モデルが登場 フェラーリが生まれ変わったみたいだ。今年3月にジュネーブショーで発表された「フェラーリ GTC4ルッソ」の国際試乗会の招待状が届いたのだ。今までのフェラーリは自分達が頂 ...

フェラーリGTC4ルッソ試乗。4WSが加わった4WDシステムの実力は?

フェラーリ異端の4WDに後継モデルが登場

フェラーリが生まれ変わったみたいだ。今年3月にジュネーブショーで発表された「フェラーリ GTC4ルッソ」の国際試乗会の招待状が届いたのだ。今までのフェラーリは自分達が頂点という、ある意味、俯瞰目線だったので、フェラーリを信奉する限られたメディアやジャーナリストのみが試乗会に参加していたが、今回はどちらかというとポルシェ信奉者と思われている私も参加することになったのだ。

ニューヨーク株式市場に上場してから、フェラーリは信者だけでなく株主のためにもいい仕事をする必要が生じたのかもしれない。とはいえ、発表しただけで売れてしまうフェラーリには、信じられないような熱狂的な信者が世界中に生息しているのも事実だ。

そんな信者さえも驚くモデルが、2011年1月にフェラーリ初のシューティングブレーク+四輪駆動車として発表された「FF(フェラーリ フォー)」である。ついにフェラーリも4WDを作るのかと、強烈なオーラを放つ「FF」に驚きとともに惹きこまれたのを覚えている。私もここから信者の一員になってしまったのかもしれない。

FFの後継モデルは、その名前を「GTC4ルッソ」に変えた。60年代に登場した「GTC」の名前を復活させ、4WDの「4」と豪華という意味の「Lusso(ルッソ)」を加えたが、それはGTC4ルッソが最も高級なフェラーリであることを示唆しているからではないだろうか。最も実用的である点も見逃せない。路面や季節を選ばず、オールラウンドな走破性を持っている。フェラーリは多様化した機能すべてに妥協しない性能が高級なのだと言いたいのだろう。

もちろん多くのフェラーリ信者が気にしているのは、先代FFからどう走りが進化したのか、という点だろう。南チロル地方の山岳路を思う存分走ってきたので、その評価は最後に下すことにしよう。

スリークなスタイリングとモダンなインテリア

GTC4ルッソはフェラーリのリアルスポーツカーとは異なり、ファミリーの使用も視野に入れた実用的なパッケージと、スーパースポーツのシューティングブレークという個性をバランスさせている。50年代に始まったフェラーリ・ロードカーのオリジナルはフロントエンジン後輪駆動のFR高級スポーツで、70年代になるとより重量バランスに優れるミッドシップが主流になった。そして最近は、エンジンを前に積むフロントミッドシップが登場し、FFとGTC4ルッソはそこに4WDシステムを組み合わせてきたというわけだ。

標高2300mの特設ディナー会場で同席したデザイナーのエイドリアン・グリフィス(Adrian Griffiths)にGTC4ルッソの話を聞いた。彼は英国人だが、ローバーや英国ホンダで仕事をした後、韓国のKIAに移り、自動車デザイナーの憧れであるフェラーリに抜擢された逸材だ。ブレグジット(英国のEU離脱)に話題が及ぶと、「あの決断は失敗だよ」と母国の行く末を心配してみせた。

ピニンファリーナが去った今、フェラーリのスタイリングは社内デザイナーが担当しているから、グリフィスは相当なプレッシャーを感じているだろう。彼は奇妙奇天烈なシューティングブレークをどうリフレッシュしたのだろうか。

ボディサイズはFFより僅かに大型化しているが、乾燥重量は1790kg(軽量オプション仕様)と変わらない。実車を目の前にした私は、先代よりも洗練されたデザインだと思った。ルーフトップが、よりクーペっぽくスタイリッシュになった。

インテリアも従来のイタリアンクラシックな雰囲気から、テスラまで行かないが、いかにもIT長者が好みそうなモダンなコーディネートに路線変更。モダン&クラシックのハーモナイゼーションはこれからのフェラーリのトレンドとなりそうだ。

助手席の前にエンジン回転とギアポジションが表示されるというエンターテイメントも用意されている。また、センターコンソールに新しいインフォテインメント・システムが装備されiPhoneとリンクするが、カーナビのマップマッチングには改善の余地があると思った。

四輪操舵が加わった独自の4WDシステム

GTC4ルッソの4WDシステム「4RM Evo」を見てみよう。独特なレイアウトは2011年のFFから踏襲されたものである。一般的なFRベースの4WDはギアボックス内からトランスファーを横に出し、そこからドライブシャフトをフロント・デフまで伸ばす。そのためにエンジンの脇や下をデフとドライブシャフトが通る複雑なシステムが多い。メルセデス・BMW・ポルシェ パナメーラまで同じ形式だ。

ギアボックスをエンジン直後ではなく、リア・デフの前に配置する“トランスアクスル”の4WDとしてはスカイラインGT-Rなどがあるが、GTC4ルッソの場合はトランスファーが存在しない。フェラーリはフロントミッドシップというレイアウトを生かし、V12エンジンの前方にクランクシャフト先端を突き出して、そこに電子制御デフを配置したのだ。クランクシャフト後端はトルクチューブを介して後輪側に配置されたギアボックスとリア・デフに繋がっている。

ギアボックスで減速されたリヤタイヤと同じ回転に同期するために、フロントアクスル側は電子制御クラッチでコントロールされる。実際は4速ギアまでの速度範囲で4WDとして機能し、フロントに配分されるトルクは最大で170Nmとなっている。

つまり、前後デフの間にV12エンジンが配置される世界にも類がないFRベースの4WDを作りあげたのだ。これが四輪駆動の歴史の中でもエポックメイキングなメカニズムであることは言うまでもなく、非常にコンパクトで軽量だ。ライバルの4WDと比べても、フェラーリの4WDシステムは約半分の重量で済んでいる。その結果、前後重量配分の最適化とフロントの慣性モーメントを小さくできた。オーバー6リッターの自然吸気V12という大きなパワー・プラントと軽量4WDシステムのおかげで、ダイナミクスは妥協することなく、むしろ4WDのメリットを十分に生かした走りが可能となった。

また、後輪には新たに4WSが加えられ、リヤタイヤは低速では逆位相に動いて最小回転半径を短縮し、高速では同位相に動いて安定性を増す。高速側はターンインの瞬間に逆位相に動いてシャープにノーズをインに向け、次の瞬間は同位相に動いて安定させる位相反転制御も行なっている。私はシャシーのエンジニアに、「位相反転制御式の4WSは1989年の日産R32スカイラインに搭載されたスーパーHICASが元祖ですよ」と教えてあげた。

飛ばしてもゆっくり走っても素晴らしい

結論から言うと、GTC4ルッソの走りと実用性にいっさいの妥協はなかった。それに、エンジン、ハンドリング、乗り心地とすべての点で先代のFFから劇的に良くなっている。世の中の常識を覆したフェラーリの発想は敬服に値する。FRベースの4WDでありながら、前後重量配分ではフロント荷重を50%以下の47%に抑えたこと、さらに重いエンジンを車両中心に近づけたことで慣性モーメントが抑えられ、ハンドリングは他のフロントエンジンのフェラーリとほとんど変わらないダイレクトなものになった。

排気量6262ccで65度のVバンクを持つV12は、FF比+30psの690psを発生し、0-100km/h加速は3.4秒(FF比-0.3秒)で駆け抜ける。最高出力が得られる8000rpmまで回すと、脳天に突き刺さるような刺激が得られる。頭のテッペンからアドレナリンを浴びる感じだ。しかもLusso(豪華)の言葉どおりブン回さなくても十分に気持ちいい。1750rpmで最大トルク697Nm(FF比で+14Nm)の80%が得られるので、スロットルは1センチも踏んでいれば十分で、パーシャルスロットルで扱うときもちゃんと楽しい。エンジンはどこまでも淀みなく回り、振動は極めて少ない。V12はこの世に存在する最高級のパワーユニットだろう。

エンジンとハンドリングだけでなく、乗り心地も極上だ。コーナーも俊敏に走れるし、スポーツ4WDの常識を覆してしまった。まるでウサイン・ボルトがジャケットを着てお散歩しているような贅沢な走りが楽しめる。

GTC4ルッソは絶滅危惧種と揶揄される自然吸気V12エンジンとユニークな4WDシステムだけでも価値がある。こんなスポーツ4WDはフェラーリしか作れないだろう。日本の価格は約3470万円となっている。

スペック

【 フェラーリ GTC4ルッソ 】
全長×全幅×全高=4922mm×1980mm×1383mm
ホイールベース=2990mm
駆動方式=4WD
乾燥重量=1790kg
エンジン=6.3L V型12気筒DOHC直噴
最高出力=507kW(690ps)/8000rpm
最大トルク=697Nm(71.1kg-m)/5750rpm
トランスミッション=7速DCT
0-100km/h加速=3.4秒
欧州複合サイクル燃費=15.3L/100km
使用燃料=プレミアムガソリン
タイヤサイズ=前:245/35ZR20、後:295/35ZR20
車両本体価格=3470万円


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