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ジャガーF-PACE・初試乗。プレミアムSUVの新参者はどんなクルマか?

2016-5-2 10:40| post: biteme| view: 788| コメント: 0|著者: 文:島下 泰久/写真:ジャガー・ランドローバー・ジャパン

摘要: 徹底的にオンロード志向 パリ=シャルル・ド・ゴール空港からチャーター機で2時間弱。生まれて初めて降り立った南欧モンテネグロの地が、ジャガー初のSUVとなる「F-PACE」の試乗の舞台だった。ここは近い将来のブレ ...

ジャガーF-PACE・初試乗。プレミアムSUVの新参者はどんなクルマか?

徹底的にオンロード志向

パリ=シャルル・ド・ゴール空港からチャーター機で2時間弱。生まれて初めて降り立った南欧モンテネグロの地が、ジャガー初のSUVとなる「F-PACE」の試乗の舞台だった。ここは近い将来のブレイクが予想されるリゾート。しかしジャガーの面々が、それだけの理由で試乗ルートを選ぶはずがない。

そう、実際に試乗ルートには大小様々なワインディングロードをはじめ、ありとあらゆる種類の道が用意されており、クルマの実力を十二分に理解し、堪能することができた。F-PACEは、期待を裏切らない“ジャガーにしか作れないSUV”だったのだ。

プレミアムを標榜するブランドにとっては今や、SUVのラインナップはマストな条件となっている。ジャガーだって、それはずっと前から解っていたのだが、そびえ立つハードルは決して低くなかった。何しろ同門にレンジローバーがあるだけに、それと食い合うようなものでは困るというのがひとつ。更には、セダンとスポーツカーだけでやってきたジャガーにとって、SUVの開発にはしっかりとしたリソースが必要だったというのも重大な問題だった。

そこでF-PACEは、まずレンジローバーとは一線を画する徹底的にオンロード志向、スポーティな仕立てのSUVとして生み出されることになった。形状だけの問題ではない。パワートレイン以外の車体の基本部分は、実はレンジローバー車とは一切共有していないのだ。

そうすると尚のことリソースが問題になるが、ジャガーはちょうどXE以降の新世代モデルのために新しい車体の基本アーキテクチャーを開発していた。開発当初からSUVへの使用も視野に入れられた、アルミ製ボディをコアとするこの車体の完成によって、もはやジャガー初のSUVを阻む要素は無くなったというわけである。

最新ジャガーの様式美をSUVで表現

ひと目でジャガーだと判別させるのは、XEやXFと共通イメージの台形ラジエーターグリル、前後のレンズ類といったディテールはもちろん、切り詰められた前後オーバーハング、ノーズの長いプロポーション、シンプルながらも美しい面で構成されたフォルムなど、あらゆる要素の相乗効果によるもの。セダン、クーペでもこだわっているキャビン1に対してロアボディが2というプロポーションの黄金比は継承されていて、そこにデビュー記念限定車の“FIRST EDITION”では実に22インチホイールという大径のタイヤ&ホイールが相まって、相当な迫力を醸し出している。さすがに、タイヤ代は心配になるけれど…。

インテリアも、やはり最新のジャガーの様式に則った造形だ。相対的に低めの着座位置、高めのセンターコンソールなどによって囲まれ感が強調されているのがジャガーらしい。メーターパネル内にアナログ計ではなく12.3インチTFTモニターが内蔵され、計器や各種情報の表示、更にナビゲーションの地図画面を表示できるのは、XFと同様。ダッシュボード中央には10.2インチタッチスクリーンを使ったインフォテイメントシステムの“InControl Touch”が搭載されている。他に便利な機能として、手持ちのスマートフォンを使ってナビゲーションの目的地設定ができたり、車両の施錠/開錠、始動前のエアコンの操作なども可能だ。

コクピット感覚の前席に対して、後席には余裕のスペースが与えられており、大人2人がリラックスして過ごすことができる。背もたれは電動リクライニング式だ。もちろん、これは前側に倒して荷室を拡大することもできるが、後席使用時でも容量は650Lに達するだけに、その機会はそう多くはならなそうだ。

機能装備としては、ウェアラブルなアクティビティキーが用意されたことにも注目したい。このキーは防水で、例えるならナイキの「フューエルバンド」のような腕に巻くタイプ。身につけて、リアゲートの「JAGUAR」の“J”にタッチするだけで、施錠、開錠ができる。サーフィンなどのマリンスポーツ、あるいはスノーボードに興じるシーンを思い浮かべて欲しい。このアクティビティキーがあれば、もはやキーを携帯する場所に悩む必要は無い。文字通り、アクティブにSUVで遊び倒す人にぴったりな装備と言えるだろう。

車体の基本アーキテクチャーはXEやXFと共通と言えるが、それは構造が近いというだけで部品自体も同じというわけではない。より軽量化が推進されたボディは全体の約80%がアルミ製とされ、しかもその多くにリサイクル素材が使われている。ジャガー(と、ランドローバー)のアルミボディが、単に軽量化によって走行中のCO2排出量を減らしているだけでなく、製造の時点から環境負荷を大きく低減しているということは、もっと意識されても良いと思う。

サスペンションも、やはり形式はXEやXFと共通だが、モノはまったくの新規設計だという。電子制御式可変ダンパーのアダプティブダイナミクスは用意されるが、エアサスペンションは設定無し。「無くても十分な快適性と走りを両立できている」と胸を張っていた。

走りの味付けはライバルと異なる

最初に試したのは最高出力380ps、最大トルク450NmのV型6気筒3L・スーパーチャージド・ガソリンエンジンを積む「F-PACE S」をベースとする“FIRST EDITION”。モンテネグロの狭い一般道に出て、まず感じたのはボディの強靭さだ。265/40R22というサイズのピレリP ZEROは、さすがに低速域では路面の荒れやうねりに敏感なところもあるのだが、剛性感たっぷりのボディはそれらをビクともせずに受け止めてしまう。

速度が上がってくると、乗り心地はしなやかさを増してくる印象。適度に姿勢変化を許すが、そうやってタイヤを路面にぴったり接地させながら驚くほどの安定感をもって曲がっていくのが、いかにもジャガーらしい。

ほぼ前後50:50の前後重量配分に加えて、通常はほぼ後輪駆動。必要に応じて瞬時に前後50:50まで駆動力配分を変化させる電子制御式のAWDシステム、そしてトルクベクタリング・バイ・ブレーキングもサポートしてくれているのだろう。ステアリング操作に対する応答性は正確そのもので、意のままになるニュートラルなステア特性を堪能させてくれる。

走りのライバルとして想定した「ポルシェ マカン」の、低重心を活かしてドイツ車らしく姿勢変化を抑えたフットワークとは、まったく方向性は異なる。しかし実力は互角という印象だ。

ジャガーの他のモデルでもお馴染みのパワーユニットは、全域でトルクフルなだけでなくスーパーチャージャーのメリットで抜群のレスポンスを誇る。アクセル操作にリニアにトルクが湧き出るからクルマとの一体感が高く、しかも吹け上がりも豪快。8速ATの制御もますます精度が高まってきている印象で、とにかく気持ちよく走れる。

日本仕様では主力として据えられることになるディーゼルエンジンも魅力的だ。“インジニウム”の名で呼ばれる新開発の直列4気筒2L・ディーゼル ターボエンジンのスペックは最高出力180ps、最大トルク430Nmと、特にトルクが強力。あまり上は回らない印象だが、日常域の力強さでは先に乗った「S」に負けていないし、騒音、振動がよく抑えられているのが嬉しい。しかも、これは車載燃費計の表示だが、山道と郊外の一般道で、なんと4.9L/100km(約20.4km/L)という燃費が出た。日本での使い方でだって、期待していいはずだ。

ジャガーらしさが全開

ジャガーの試乗会の常で、とにかく距離を走らせる試乗ルートは今回、ワインディングロードが中心。1速まで使いたくなるようなタイトなところもあれば、ニュルブルクリンクかと思わせるような速度の乗る箇所もありで、バラエティに富んでいた。

更には、予想していなかったオフロード試乗も用意されていた。確かにF-PACE、滑りやすい路面での低速走行時に、駆動力を制御して速度を一定に保ち、ドライバーをステアリング操作に集中させるASPC(オール・サーフェス・プログレス・コントロール)や、スロットル/トランスミッション/DSCの制御を路面状況に応じて変更するASR(アダプティブ・サーフェス・レスポンス)などを標準装備しているだけに、転げ落ちそうなほどの急勾配を安定して下り、片輪が浮くような場面でも確かなトラクションを発揮。延々と続くグラベルコースでも、安心して先を目指すことができた。聞けば、その開発にはランドローバーのスタッフも関与しているのだという。本籍はオンロード。しかしながらオフでも期待を超えてみせたわけだ。

平たく言えば、走りのスポーティさで「ポルシェ マカン」に比肩し、しかもランドローバー仕込みの走破性をも両立させている。そして後席の広さや荷室容量などのユーティリティ性では、「メルセデス・ベンツ GLC」を凌ぐ。日本ではこのクラス、他には「BMW X3」ぐらいしか設定のないディーゼルエンジンの設定も大きな後押しとなるだろう。価格的にも、ほぼX3とオーバーラップする設定だ。こうした要素ごとに見ても、競争力は十分。それでいて単なる全方位バランス型ではなく、そのいずれの要素を見ても、F-PACEはジャガーらしいという言葉を思わず使いたくなる、独自の個性や特質を宿している。走らせても、使い倒しても、およそクルマと過ごすどんな時間もアクティブなものにしてくれそうな…。

モンテネグロという、何とも魅惑的な新興リゾート地で行なわれた今回の試乗会。しかし、振り返って印象に残っているのは、クルマのことがほとんど。それは、F-PACEがそれだけ存在感の強いクルマだったということである。ここに来て、ようやく日本でのブランド認知度も再浮上しつつあるように見えるジャガー。注目度のますます高まっているSUVカテゴリーへの進出で、一気のブレイクに繋がる可能性、大いにアリではないだろうか。

スペック例

【 ジャガー F-PACE 20d R-SPORT 】
全長×全幅×全高=4731mm×2070mm(ミラー折りたたみ時)×1652mm
ホイールベース=2874mm
車両重量=1775kg
駆動方式=AWD
エンジン=2.0L直列4気筒DOHC・ディーゼルターボ“INGENIUM”
最高出力=132kW(180ps)/4000rpm
最大トルク=430Nm(43.9kgm)/1750-2500rpm
トランスミッション=8速AT
欧州複合モード燃費=5.3L/100km
使用燃料=軽油
サスペンション=前:ダブルウィッシュボーン式、後:インテグラルリンク式
車両本体価格=728万円


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