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アルト ワークスに試乗。走りの完成度やターボRSとの違いを詳細レポート

2016-3-8 15:00| post: biteme| view: 666| コメント: 0|著者: 文:佐野 弘宗/写真:篠原 晃一

摘要: ファンの声によって誕生した ダイハツ・コペンやホンダS660に端を発する軽スポーツカー機運へのスズキの回答が、「アルト ターボRS」だった。ターボRSについては、本格軽ホットハッチのひさびさの復活を歓迎するいっ ...

アルト ワークスに試乗。走りの完成度やターボRSとの違いを詳細レポート

ファンの声によって誕生した

ダイハツ・コペンやホンダS660に端を発する軽スポーツカー機運へのスズキの回答が、「アルト ターボRS」だった。ターボRSについては、本格軽ホットハッチのひさびさの復活を歓迎するいっぽうで、MTが用意されなかったことを嘆く声も確実に存在した。

昨年春にターボRSが登場したとき、商品企画担当氏は「MTは絶対にありませんし、“ワークス”の計画もありません」と断言していた。しかし、それから約10ヵ月後、こうしてMTのターボ・アルトが、しかも各部をさらに専用で仕立て直した「アルト ワークス」として追加された。

もっとも、当時の商品企画担当氏の言葉にうそがあったわけではない。ターボRSの開発時に、MTやワークスの具体的な計画が存在しなかったのは本当らしい。ただ、ターボRSの内容が明らかになって以降、「MTはないのか!?」とか「ここはワークスだろって!!」との声が予想以上に多く寄せられたことで、新アルトワークスの企画がスタートした。このクルマはうそ偽りなく、ファンの声によって誕生した……と、スズキ広報氏は明言した。

もっとも、スズキ広報氏は「ターボRSをきちんと作っていたからこそ、ワークスができた」とも付け加えた。なるほど、新アルトワークスではエンジン、変速機、サスペンションにまで新たに手が入れられているが、ターボRSでスポット増し打ちにまで手を染めたボディはそのままである。

好き者がつくった感がそこかしこに

新ワークスが履くタイヤは、165/55R15サイズの「BS ポテンザ RE050A」。つまり、ターボRSと同じものだ。資料によると、スプリングやスタビライザーはターボRSと共通のようだから、ワークスといっても絶対的な限界性能やロール剛性が大幅に引き上げられているわけではない。

シャシーにおける“ワークス化”の内容は、ダンパー減衰力や電動パワステ制御、そしてホイールのリム幅だけを0.5インチ拡大など、なかなかシブいものである。限界性能うんぬんではなく、“姿勢変化の抑制”、“ダイレクト感”、“レスポンス”といった過渡的な部分で独自の味わいを狙っている。さらに、レカロシートもワークスの象徴的な部分だが、この硬くてホールド性の高い専用シートもまた、ダイレクト感やレスポンス感の醸成にひと役買っているはずだ。

エンジンは出力を64psのままに、最大トルクをターボRS比で0.2kg-mアップの10.2kg-mに。この程度のトルクアップなら基本的に制御変更だけで済みそうにも思えるが、そこは極限の高効率をねらった最新鋭エンジンにして、さすがにメーカーの仕事。実際には、ノッキングを回避するために冷却効率を高める(=水温を低めて、燃焼温度を低下させる)という大作業が施されている。

機構面におけるワークス最大のハイライトは、もちろん、ついに5MTが用意されたことだ。2ペダル・ロボタイズドMT(5AGS)も併売するが、5MTはそのAGSとも異なる専用クロスレシオ。そしてAGSも、ターボRSよりさらに変速を速めた専用タイプである。

アルトワークスはこのように、ターボRSを前にマニアが「ここがこうだったら」とつぶやくようなツボを、ことごとく押さえている。なんというか、好き者がつくった感がそこかしこに漂う。

クルマと一体になれる操作フィール

アルトワークスの動力性能は、そもそも軽最強の加速性能を誇っていたターボRSより明らかに鋭くなった。だが、この強烈なピックアップはトルクの上乗せだけでは説明できない。ワークスの5MTは専用レシオだが、従来のAGSより単純にローギアード化されているわけではない。具体的には1~4速がAGSより高く、トップの5速のみが低い。つまり、1~5速を全体でギュッと凝縮したクロスレシオになっていて、加速性能だけを取れば逆に不利なレシオなのだ。

となると、右足にわずかに力を込めるだけで身体をのけぞらせるピックアップは、エンジン制御とスロットル設定によるものだろう。とくにスロットルはこのエンジンと車重(FF車で670kg)にはちょっと極端なくらいの早開けで「ここまで過激でなくても……」と思ってしまった。

ちなみに、AGSのレシオはワークスとターボRSで共通。1~4速が低いAGSとワークス用エンジンの組み合わせなら……と考えると、純粋に動力性能を求める向きはあえてAGSを選ぶ意味もありそうだ。

待望の5MTでなにより感心したのは、シフトとクラッチの操作感と操作性である。レバーのタッチだけなら、S660やコペンのMTも負けないくらいに練られている。しかし、ワークスはステアリングから手を下ろしてピタリの位置にレバーがあり、その操作がコクっと決まり、ペダルもヒール&トゥがドンピシャ。さらにクラッチペダルの操作性とミートポイントが、シフトフィールと文句なしの統一感でまとめられているのだ。

このあたりも「よほどの好き者がやったんだろうな」と、開発担当者の顔を想像したくなる。左足を踏ん張るフットレストがないのが残念だが、ここはアルト自体の基本構造にもかかわる部分なので、さすがの好き者集団も手が出せなかったのだろう。

運転の基本を学ぶのに好適なテキスト

操縦性や乗り心地も、資料から読みとれる地道なチューニング内容から想像するよりも、ターボRSとの違いが明確だ。

全体には、ターボRSよりガッチリと姿勢変化が少ない、水平基調のミズスマシ系の動きになった。わずかな入力でもスムーズに荷重移動してくれるターボRSに対して、ワークスは想定速度が高く、ブレーキングやスロットル操作でよりメリハリを利かせないと“らしい”走りにはなりにくい。漫然とした運転では、逆にターボRSより接地感やリニアリティが後退したように錯覚してしまうシーンもある。

ただ、それ相応の場所でワークスなりの運転をすれば、リニアリティやレスポンスはターボRSよりハッキリと上がっている。同じ軽スポーツでもS660やコペンより圧倒的に軽いので、到達スピードはこれらより明らかに高いが、ステアリングだけに頼った運転では気持ちよく速く走れない。ワークスは、運転の基本を学ぶのに好適なテキストでもある。

すでに公開されている評論の類では、座面が高めの位置に固定されたレカロシートのヒップポイントに対するネガティブな意見も少なくない。なるほど、スポーツモデルとしてはちょっと目線が高めなのは事実で、とくにヘルメットをかぶってサーキット走行をするような用途では、体格によっては困ってしまう人もいるかもしれない。

ただ、アップライトなドラポジ自体は悪いことではないし、身長178cmの胴長体形の私でも、具体的に不都合があるわけではなかった。また、前記の理想的なシフトレバー位置は、このレカロに合わせた入念な調律によるところも大きい。

解決策を探すのも楽しみにつながる

冒頭のスズキ広報氏の言葉にもあるように、10ヵ月という短期間でこのワークスを完成できた背景には、ターボRSの開発ノウハウによるところも大きいのだろう。

ターボRSはいわば“公道でも快適に走れる大人のスポーツアルト”を目指した。その開発途中には過激に走りがちな技術陣を、商品企画担当がたしなめる場面もあったと聞く。そうしたターボRSで蓄積されたアイデアやレシピの引き出しが、今回のワークスに活かされていることは容易に想像がつく。

100km/h以下の公道レベルではゴツゴツと上下しがちなワークスの乗り心地(ただ、とにかくボディが硬いので不快さはない)は、ターボRSの高級感すら漂うフラットネスに及ばないのも否定できない。ターボRSより明らかにレスポンシブで速い身のこなしを活かすには、それ相応の運転も必要だ。

なにを言いたいのかというと、ワークスはターボRSとの差別化のために、あえて過激な仕立てになっている部分もあるということだ。ワークスに乗っていると、山坂道でも5速までフルに駆使できるクロスレシオMTがこのうえない快感である一方で、硬軟を見事にバランスさせたターボRSの完成度にあらためて感心したりもするのだ。

というわけで「叶うことなら、ターボRSにも5MTを!」というベタな結論になってしまいそうだが、私も1台を買うなら、この5MTの快感を味わうためにターボRSではなくワークスを選ぶことになるだろう。価格はターボRSより20万円ほど高いワークスだが、レカロ2脚と入魂の5MTへのお布施と考れば、さほど割高感はない。

ここまで書いてきた細かいツッコミどころについては、自分で解決策を探すのも、この種のクルマの楽しみのひとつでもある。そう遠くない将来に、いろいろなアフターパーツも出てくるだろうし。

スペック

【 アルト ワークス 】
全長×全幅×全高=3395mm×1475mm×1500mm
ホイールベース=2460mm
駆動方式=FF/4WD
車両重量=670kg(FF・5MT)、690kg(FF・5AGS)、720kg(4WD・5MT)、740kg(4WD・5AGS)
エンジン=658cc 直列3気筒DOHCターボ
最高出力=47kW(64ps)/6000rpm
最大トルク=100Nm(10.2kg-m)/3000rpm
トランスミッション=5速MT/5速AGS(シングルクラッチ式AT)
サスペンション=前:マクファーソンストラット式、後:トーションビーム式(FF)、I.T.L式(4WD)
タイヤサイズ=165/55R15
JC08モード燃費=23.0km/L(FF・5MT)、23.6km/L(FF・5AGS)、22.0km/L(4WD・5MT)、22.6km/L(4WD・5AGS)
使用燃料=レギュラーガソリン
車両本体価格=150万9840円(FF)、161万7840円(4WD)


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