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NSXに本格試乗した。看板技術のSH-AWDは諸刃の剣か?

2016-3-14 21:00| post: biteme| view: 244| コメント: 0|著者: 文:五味 康隆 /写真:本田技研工業株式会社

摘要: 日本発のスーパースポーツが復活 カリフォルニアの砂漠リゾート地パームスプリングスにまで出かけて、やっと確認できた。新型NSXのカッコ良さは本物だ。この手のスーパースポーツにおいて、視覚に訴えかける官能的な ...

NSXに本格試乗した。看板技術のSH-AWDは諸刃の剣か?

日本発のスーパースポーツが復活

カリフォルニアの砂漠リゾート地パームスプリングスにまで出かけて、やっと確認できた。新型NSXのカッコ良さは本物だ。

この手のスーパースポーツにおいて、視覚に訴えかける官能的な魅力は何よりも大事。もちろん走りの性能は当然だが、駐車場で対面したとき、まずは惚れ惚れする見た目で気分が高揚し、走り出してさらに興奮が増すのはお約束だ。荷物を積めない、快適性や居住性は望めない、その代わりに官能的な見た目と性能がある。NSXは初代から、そんなクルマ=スーパースポーツがしのぎを削る世界に勝負を挑むモデルだった。

ライバルたちの中でも十分な勝機を持っていることは、昨年10月に栃木にあるホンダのテストコースで開発車両を見て確認している。塩見 智氏のレポートでも、そのカッコ良さは保証つきだ。しかし、サーキットやテストコースなどのクローズドコースで見る姿と、街中などの周りにクルマがある状況での印象は違う。スタイルはいいが、まとまりすぎて迫力や存在感に欠けるケースだってあるのだ。

改めて言おう。他のクルマと一緒に走るNSXの姿は、低さと広さがより強調されて、所有欲が刺激されること請け合いだ。官能的な排気音と共に走り抜ける姿に見とれないクルマ好きがいたら、不感症? と聞きたくなるかもしれない。街中ではじめてその姿を見たとき、25年前に登場した初代NSXが、当時のフェラーリ主力モデル・F355と比肩されるカッコよさと性能を備えていたことを思いだした。時代の荒波を乗り越えて、日本発のスーパースポーツカーが復活したのだ。

あと10mm低いシートがほしい

NSXはシート後方にエンジンがあるので荷物スペースはなく、2人で乗る際にはエンジン後方のリアエンドにあるトランクに荷物を積む必要がある。そのトランクが思いの外大きいのは好印象だ。開口部の形状もあって積むことは適わないが、横方向に広がりのある荷室形状と容量だけを見ると、ゴルフバックが収納できそうな十分な空間がある。

コクピットは適度に包まれる感覚とシートのサポート性などにより、スポーツマインドが刺激される…のだが、個人的にはサーキットで目線が自然と遠くに行くように、10mmさらに低く座れるシートの高さ調整幅があったらと思った。

逆に言えば、視点の高さに加えてエンジンが前に無い低いボンネットと、3DQ(三次元熱間曲げ焼き入れ加工)という、加工が難しい硬い鋼板を熱して曲げながら三次元整形する最新工法で細く仕上げたAピラーと相まって、前方視界や見切りが良いのが魅力だ。

乗り心地も予想を上回る快適性を確認できた。最も快適なクワイエットモードでは助手席に女性を乗せても不満は出ないはずだし、若干足回りが硬くなるスポーツモードの街中走行でも鋭い突き上げとは無縁。その背景には輸入車の高性能モデルで採用が増えている、ダンパーオイルに磁性体を添加して、磁力で減衰力を調整する磁性流体ダンパーの存在が挙げられる。日常使いの快適さと同時に高次元なスポーツ性ももたらしてくれるのだ。

慣れを必要とするベクタリング感覚

SH-AWDは左右の前輪をそれぞれ駆動する2つのモーターが、ハンドル操作などに応じてよりクルマが曲がるように、駆動力を左右で可変させるベクタリング効果を発揮する。ワインディングではもっとアクセルを踏み、もっとカーブを曲がりたくなるNSXの官能的な世界感を存分に体感できた。

ただ、運転に慣れている人からすると、最初は曲がり過ぎと感じるケースもあるだろう。特にベクタリングが強く働くスポーツプラスモードで走ると、通常なら反応が鈍くなるようなラフなハンドル操作をしても、操作通りにクルマが反応するので、最後はハンドルを戻す必要があるほどだ。カーブ出口でアクセルを踏んで、フロント荷重を逃がして曲がる量を徐々に減らしつつ脱出しようと思っても、NSXはベクタリングで一生懸命に加速しながら曲がり込み続ける。逆に言えば、それだけハンドル操作に対して忠実にクルマが動いてくれるオンザレール感覚の高さがあるわけだ。

足回りがしなやかに動くから、旋回中の内輪グリップが良く、路面のうねりを越えたときのフワッとした車体の動きも抑えられ、絶えず路面追従性の高い車両姿勢と安定したグリップ力を発揮する。ミッドシップだから動きが神経質かも…なんて心配は無用で、よほど不適切なタイミングで不適切なアクセル操作などをしない限り、リアタイヤは破綻しないし、破綻しそうになっても横滑り防止装置が助けてくれる。まさに誰もが相当に高いレベルで豪快なスポーツ走行が可能だし、アクセルを踏めるので官能的なエンジンサウンドを堪能できる。

しかし、一つだけ忠告しておきたい。自分は運転上級者で、多少タイヤが滑ろうが平常心で操れる…そんな運転レベルの人は、徐々にペースを上げていった方がいい。理想はサーキットなどのクローズドコースで、まずベクタリングと限界時の特性を安全に掴むことだ。これから詳述するが、そのほうが結果として早く深くNSXを乗りこなし、NSXの官能的な世界の扉を開け、自身の運転を“NSXモード”にできるからだ。

速さ重視ならマニュアルよりAT任せで

ピレリのハイグリップタイヤに履き替え走り出したサーキットドライブでは、滅多に雨の降らない砂漠地帯に雨が降ったことで、ドライからウェットまでNSXの様々な特性を確認できた。

まず、高剛性ボディと低重心設計、そしてミッドシップレイアウトに加えて内蔵物全てをできる限りクルマ中央に近づけて搭載する努力により、速度に対する目の慣れを要するほどの速さにまで軽々と到達する運動性能を備える。4つのタイヤを存分に使える42:58の前後重量配分と、強烈なストッピングパワーを発揮するセラミックカーボンブレーキ(筆者注・OP装備になるはず…)による暴力的な減速力をフルに活かすには、コーナーに対して異常接近するまでブレーキを踏まない精神力の鍛錬も必要だ。

ドライブモードをクワイエットモード>スポーツモード>スポーツプラスモード>トラックモードと変更するにつれ、操作に対するクルマ全ての反応がドライバーの感覚に近づいてくる味付けは見事。特にエンジンと9速トランスミッションの味付けが劇的に変わる。パドルでマニュアル操作しないATシフトのままでも、官能的なエンジンの吹け上がりと排気音を味わえるようになり、さらにシフトダウンまで適切なタイミングで素早くウォンウォンと行われる。結果として、速さだけを求めるならATモードでドライバーはハンドル操作に集中した方が良いと思えてくる。

またブレーキはストッピングパワーだけでなく、ブレーキ踏力に正確かつ素直な反応を示し、回生ブレーキの制御などを含めてハイブリッドカーであることを忘れるほどコントロール性がいい。ちなみに排気音が気持ちいいこともあり街中走行でもハイブリッドを意識する場面は少ない。逆にハイブリッドの象徴となるEV走行は、アクセルをうまく操作しても20km/h以下でないと使えないようなセッティングだ。言い換えれば、NSXの電気モーターは安定して官能的に速く走るためのものといえるかもしれない。

SH-AWDは理想型か、諸刃の剣か?

最後にNSXの要、ベクタリング効果を生み出すSH-AWDに注目していこう。実は限界を引き出すには、相応の運転技術とコツが必要だ。通常のクルマならコーナーへの進入でフロントタイヤが滑って曲がらない時にはハンドルを切り戻すが、NSXではさらに切り込む。すると前輪のベクタリングが威力を発揮するとともに、リアの内輪にブレーキが掛かりさらに曲がり込む。コーナー出口で通常ならフロントが外に逃げてしまう場面でアクセルを踏んでも、オンザレールのまま豪快に加速する。

3ページ後半で触れた上級者向けの忠告は、こうしたNSX独特の限界特性や操作のコツがあるので、攻めるならまずクセをつかんだ方がいい、というものだ。SH-AWDの制御は人間が引き出せないクルマの性能を電子制御で引き出すことができる。しかし、タイヤのグリップ力を高める魔法ではないから(SH-AWDでもタイヤの物理限界は変わらない)、コーナー進入でハンドルを切り過ぎれば曲がらない領域はあるし、出口でアクセルを開けるのが早すぎれば、V6ターボエンジン+モーターで駆動するリアが暴君になる時もある。誰もが手軽にかなりの速さで走れるのだが、逆に限界域ではSH-AWD専用の操作やタイミングが求められる。そのタイミングをつかむには走り込んで慣れるしかない。

理想はどんな制御だろうが、ハンドルからの手応え(情報)と相談して、直感的にクルマの限界をつかみ、操作調整できることだ。あえて重箱の隅を突くと、NSXの唯一の弱点が独特の特性と、ハンドルから伝わるグリップ感などの情報が少ないことだ。これは1725kg前後の車両重量を、573psの大パワーを発生するエンジンとモーターによって電子制御ベクタリングで意のままに走らせるために、犠牲になった要素なのかもしれない。

というわけで、個人的には車重の根本的な軽量化を図り、サスペンションやベクタリング制御や排気音などを好みに調整できるようにして、気持ち良さなどの官能性能と速さを追求した“タイプR”の登場にも期待をしてしまう。何はともあれ、北米市場が大事なのも解るが、一日も早く日本市場で発表発売してもらいたい。

スペック

【 NSX 】
全長×全幅×全高=4470mm×1940mm×1215mm
ホイールベース=2630mm
車両重量=1725kg
駆動方式=4WD(SH-AWD)
エンジン=3.5リッターV型6気筒DOHC・直噴ツインターボ・ドライサンプ
最高出力=500ps/6500-7500rpm
最大トルク=550Nm/2000-6000rpm
トランスミッション=9速デュアルクラッチ
フロントモーター出力(2基)=36ps+36ps/4000rpm
フロントモータートルク(2基)=73Nm+73Nm/0-2000rpm
リアモーター出力=47ps/3000rpm
リアモータートルク=148Nm/500-2000rpm
システム合計出力=573ps
システム合計トルク=645Nm
最高速度=307km/h
使用燃料=プレミアムガソリン
サスペンション=前:ダブルウィッシュボーン式/後:マルチリンク式
タイヤサイズ=前:245/35ZR19/後:305/30ZR20

※数値はアキュラ版


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