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テスラ・モデルS 最強の「P85D」に試乗。より洗練された“狂気”

2016-1-18 11:25| post: biteme| view: 976| コメント: 0|著者: 文:塩見 智/写真:篠原 晃一

摘要: 「オートパイロット機能」をアップデート 先日、テスラ・モデルSの「P85D」というモデルに試乗した。テスラ初の4WDモデル。大容量バッテリーを積むEVだからこその大トルクを効率よく路面に伝えるのに2WDよりも4WDの ...

テスラ・モデルS 最強の「P85D」に試乗。より洗練された“狂気”

「オートパイロット機能」をアップデート

先日、テスラ・モデルSの「P85D」というモデルに試乗した。テスラ初の4WDモデル。大容量バッテリーを積むEVだからこその大トルクを効率よく路面に伝えるのに2WDよりも4WDの方が有利なのは自明。期待して試乗した。

そのリポートをほぼ書き終えたタイミングの1月15日、テスラがモデルSオーナーに対し、3G回線もしくはWi-Fiを通じたアップデートの提供を開始した。アップデート内容は「オートパイロット機能」の充実などという。北米で開始され話題を呼んでいるほぼ自動運転のアレか? というわけで、まずはアップデートに関するリポートから始めたい。

モデルSのオートパイロット機能を作動させるには、走行中、前方に車両か道路の白線を認識している時にステアリングポストから生えるクルーズ・コントロールのレバーを2回手前に引けばいい。その内容は現在日本で売られる前車追従型のクルーズコントロールとほぼ同じだ。

車間の設定は7段階ある。北米ではこの状態でステアリングから手を離すことができるが、日本仕様は法規上、ステアリングに手を添えていないと(時々入力しないと)キャンセルされる……はずなのだが、かなり長時間手を離しても追従を続けた。

日本初の自動運転車はテスラ?

カメラで道路脇の速度制限表示を認識したり、あらかじめ地図データに入っている情報によって車両が速度制限を認識している場合、追従できる速度が制限速度+10~20km/hに限られる。このため、前方車両が制限速度よりも速く走行した場合、追従を諦め、置いていかれることがあった。実際の交通の流れが制限速度を上回っていることはよくあること。制限速度を超えた状態で追従することを推奨するつもりはないが、ドライバーの責任において任意の速度で追従できるよう、この点は得意のアップデートで改善してほしい。道路の制限速度を認識していなければ、仕様としては144km/hまで追従するとのことだ。

追従中、ウインカーを作動させると、斜め後方に車両がいなければ自動的に車線変更もしてくれる(オートレーンチェンジ)。ステアリングが勝手に変更方向へ動くというよりも、EPSが変更方向に軽くなり、車線変更を促されるような印象。このほか、自動で縦列駐車や車庫入れをしてくれる機能も付いた。

今回の日本仕様のアップデートは、北米でバージョン7.1として提供されているものに準じた内容。テスラが追従機能に「オートパイロット」という名前をつけているせいか、一部インターネット上に「日本初の自動運転車はテスラ」などと、ついに自動運転が始まったかのような報道が見られるが、今回のテスラのアップデートの内容は、日本で売られる高級車に備わるそれとほぼ同じ。それも当然で、ほかの多くのメーカーはもっと早くからより攻めた“自動化”を盛り込みたくてしかたないのに法規に阻まれている状態(国が慎重になるのも当然)。テスラにだけ特別な内容を許すはずはない。この種の機能がグッと踏み込む場合には、各社一斉というかたちになるはずだ。

刺激的な反面、物足りなさもあった

さて、ここからが通常のリポート。シリコンバレーのEVメーカー「テスラ・モーターズ」。CEOのイーロン・マスクは、NASAの業務を請け負う民間ロケット打ち上げ会社「スペースX」の経営者でもあり、テスラと同じかそれ以上に有名だ。

別の社員が2003年に立ち上げたテスラで、開発途中だったロータス・エリーゼをベースとしたEVスポーツのロードスターを知ったマスクが将来性を感じて650万ドルを出資、筆頭株主および会長となってから、この会社は浮き沈みありながらも急成長した。

とはいえ、08年から12年にかけてロードスターを販売していた頃のテスラは、多くの投資家やクルマ好きから、いつまで続くかなと懐疑的に見られていた。それが一変したのは、12年にリチウムイオン・バッテリーをフロア一面に敷き詰めた4ドアサルーンの「モデルS」を発売してから。同年夏、元NUMMIのテスラ工場周辺でモデルSをドライブする機会があったのだが、メルセデス・ベンツSクラス並みに大きなクルマが音もなく強烈に加速するのを体験した瞬間、自分の中にあったEVに対する印象が一気に上書きされた。

ただし、刺激的な加速やEV特有の静粛性に慣れた後、冷静にチェックすると、走行中、どこかのパーツとパーツが干渉しているようなキシミ音が聞こえてきたし、足まわりは常に突っ張った印象で、不整路面だとドタバタした。インテリアの組み立て精度も、何百万円もする高価格車であることを考えると、物足りなかった。

先進的なインターフェースと自在のアップデート

発売からおよそ3年半。その間にモデルSは、物理的に手が加えられたいわゆるマイナーチェンジから、3G回線経由のソフトウェア・アップデートまで、何度も改良が加えられた。パソコンや携帯電話のように、買った後からもクルマが進化するのだ。これまでに何度か試乗したが、乗るたびに進化を感じさせた。

そして昨秋、「P85D」という最強モデルが追加された。「P」はパフォーマンス、「85」はバッテリー容量(kWh)を意味する。「D」はデュアルモーター、つまり前後アクスルにそれぞれモーターが備わる4WDということだ。すでに日本でも予約が始まっている第3のモデル「モデルX」はSUVだから4WDが求められるし、テスラは今や本社工場のみならず、オランダにも工場をもち、グローバル展開していることからも、4WDの開発は早晩避けられなかったのだろう。

キーをポケットに入れたままテスト車に近づき、自動的にせり出してくるドアノブに手をかけてドアを開け、乗り込む。シートベルトをしたらセレクターをDに入れ、アクセルを踏む。アンロックしてから走り始めるまでの手順はこれだけ。ほとんどの操作をセンターパネルにある17インチのタッチスクリーンで行うのだが、それも今やこなれた日本語表記でわかりやすい。3G回線が備わっているので、スクリーンにグーグルマップを表示させ、カーナビとして使うことができる。

「インセインモード」はまさに狂気!

「P85D」のスペックを簡単に紹介すると、モーターの最高出力はフロントが193kW、リアが375kW(足して568kW=761ps!)、システムとしての最大トルクは967Nmという途方もないパワースペックを誇る。

これだけのパワーがあると車両重量2230kgなんてまったく気にならない。前後重量配分は50.6:49.4と理想的。エンジンが存在せず、バッテリーを床に薄く広く敷き詰め、前後にモーターを配置するのだから理想の配分にするのは難しくないのだろう。航続距離はNEDC(欧州の走行モード)で491km。

4WDになっても、モデルSは相変わらず圧倒的に速い。というか4WDになってさらに速くなった。今回、一般的にパフォーマンスモードかスポーツモードに相当する「インセインモード(※insane=正気でない、狂気の意)」が加わった。

この言葉遣いはどうかと思うが、ともあれインセインモードにしてアクセルペダルを深く踏み込むと、脳みそが置いていかれ、気持ち悪くなるほど鋭くダッシュする。床まで踏めば発進と同時に967Nmのトルクが立ち上がるため、2WDではアンチスピン・デバイスが作動するばかりでとても路面にすべてのトルクを伝えきれないが、4WDだと伝わってしまう、その結果、どこに負担がかかるかといえば乗員だ。

計測すれば、もっと鋭い加速を体験できる内燃機関のクルマもあるはずだが、モデルSの場合、ほとんど音を伴わない不気味さも手伝って、実際以上にうすら速く感じてしまうのだ。

紳士的な身のこなしにも磨きがかけられた

何度試乗しても最初はこの加速の鋭さに気を取られてしまうのだが、当然ながら緩やかに踏めば緩やかに加速するわけで、そうした時のモデルSはジェントルなサルーンだ。ステアリングのアシストは軽すぎず重すぎず、ステアフィールも良好。大きな車体を感じさせず、思い通りに扱うことができる。

足まわりのチューニングも煮詰められ、過去に乗ったどのモデルSよりも乗り心地は快適だった。ただし、これは前席に限った印象で、後席では少し硬さが気になった。大きなクルマでも前席優先というアメリカ車の特徴をモデルSもしっかり受け継いでいる。

他の多くのクルマ同様、通常の走行ではドライバーが4WDであることを感じることはない。詳しい前後トルク配分のロジックは明らかになっていないが、資料を見る限り、低負荷時にはリアモーターを休ませているようだ。

これは検証できていないのでなんとも言えないが、同じバッテリー容量の場合、カタログ上はシングルモーターよりもデュアルモーターの方が効率が高く、航続距離が長い。低回転時から大トルクを発揮するEVの場合、4輪に分散して路面にトルクを伝える方が有利なのだろうか……。

バッテリーモンスターからハイパフォーマンスカーへ

繰り返しになるが、市街地、高速道路、ワインディングロードとひと通りの状況を走らせて感じたのは、モデルSが初期モデルとは見違えるほど洗練されたクルマになっていたということ。

EVはモーターの回生によって、内燃機関のクルマよりもアクセルオフで強く減速する。慣れるとこれが便利で、アクセルペダルのオン/オフで加減速をコントロールでき、ブレーキペダルの使用頻度を減らすことができる。初期モデルよりもペダル操作による加減速がコントローラブルになり、運転しやすさがぐっとアップした。

いち充電でカタログ値どおり500km近く走行するのは難しいが、街中で気にせず楽しんでも350kmは走ることができるので、EV使用時の最大の気がかりである電欠に対する不安からは解放される。また、国産メーカーの努力の結果、充電施設もそれなりに増えた。自宅か職場に充電施設がある限り、モデルSだけで我慢のいらないカーライフを送ることもできそうだ。

モデルSはバッテリーモンスターからハイパフォーマンスカーへと成長したと思う。とはいえ、車両価格は「P85D」が1369万円、ベーシックグレードの「70D」でも988万6000円。現状では、我慢のいらないEVライフにはそれ相応のイニシャルコストが必要だ。

スペック

【 モデルS P85D 】
全長×全幅×全高=4970mm×1950mm×1435mm
ホイールベース=2960mm
車両重量=2230kg
駆動方式=AWD
モーター最高出力=761ps(フロント:258ps+リア:503ps)
モーター最大トルク=967Nm/0-5100rpm
駆動用バッテリー=リチウムイオン(85kWh)
0-100km/h加速=3.3秒(ルーディクラスでは3.0秒)
最高速度=250km/h
最長航続距離(NEDC)=491km
サスペンション=前:ダブルウィッシュボーン式
        後:マルチリンク式
タイヤサイズ=前後:245/45R19(245/35R21をオプション設定)
車両本体価格=1369万円


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