3バリエーションでハスラー対抗?なるほど! ここまでヤリますか、ダイハツ・キャスト。一応、去年からバカ売れで想定外の軽、スズキ・ハスラー対抗って説もありますけど、聞けば聞くほど戦略が違う。 ハスラーがSUVスタイルのクロスオーバー1本なのに対し、キャストは同じくSUVの「アクティバ」、都会派の「スタイル」、後に発売の走りの「スポーツ」と3バリエーション。しかも基本丸目の同一ボディとはいえ、車高は違うわ、グリル形状も2パターンあって、ビックリするほど手がかかってる。 もちろん鉄板部分は変えてないし、一部ルーフなんかにラッピング素材を使って上手にイメチェンしてるとはいえ、まさかここまでヤルとは! やっぱり大阪だけに欲張りやん(笑)実はそこにはチーフエンジニア・片山英則氏の思惑があって、「個性的な軽が作りたいと思いまして、アクティバはテリオスキッド、スタイルはミラジーノ、スポーツはムーヴのお客さんも見込めるんです。私が要求しました」と、独自のコンセプトを吐露した。 片山さん、欲張りですよね(笑)…と続けたところ否定せずに苦笑い。さすがは大阪を本拠地とするダイハツ。単なるハスラー対抗に留まらずに、これで軽の個性派ワイルド&オシャレ&スポーツ需要をイッキに取ろうという超欲張りコンセプトなのだ。 それか着せ替えコンセプトで話題を集めたオープンモデル、コペンの韻を踏んだのかもしれないんですが… この欲張りぶり、どっちに転がる?とはいえまだわからないところがあって、それはある種の中途ハンパさであり、欲張りコンセプトゆえの両方取りだ。 ライバルたるハスラーが、ほぼベースのワゴンR同様の車内の高さを持ち、可愛いアウトドア向けデザインとユーティリティを持ったがゆえに今までにない“遊びグルマ”となったのに対し、キャストの元になったのは実は都会派「スタイル」。 デザイナーが最初に出したのはこの案で、コイツの全高は1600mmとさほど高くない。ベースモデルは評判が高い新型ムーヴだが、室内はムーブに比べて明らかに狭い。室内もリア席ヒザ前はさほど気にならないが、ヘッドルームの高さは最新トールワゴンほどはない。ムーヴはムダにノッポだという見方はあるし、その分カッコ可愛くなったとはいえ…これは両刃の剣かもしれない。 ベースのムーヴとは味が違うまずは都会派の「スタイル」に乗ってみた。エンジンはムーヴ譲りの直3ノンターボとターボの2種類だが、今回乗ったのはノンターボの52ps仕様。ギアボックスはCVTだ。 走り出すなり気づくのはベースとなったムーヴほどには剛性感を感じず、ステアリングも甘めなこと。ムーヴはボディ骨格だけでなく外板にも高張力鋼板を使い、オキテ破りの「表面剛性アップ」でボディを強化。キャストもそのテクノロジーを応用しているが、恩恵をさほど感じない。 その分、足はしなやかで乗り心地は悪くなく、セッティングの差が出たようだ。タイヤサイズも細めの15インチと控えめ。 ひとクラス上のいいモノ感アリとはいえクオリティの高さはなかなか。ぶっちゃけBMWミニを意識した風の丸目フェイスだが、グリルは「スタイル」と「スポーツ」専用の正台形フォルム。シルバーのメッシュ模様のクオリティが高く、ラッピングを使ったホワイトルーフも可愛い。ドアハンドルもメッキ仕様だ。 インテリアもカラーにもよるがボディ色と連動した樹脂パネルが凝ってる。完全に普通のムーヴよりひとクラス上のいいモノ感。ついでにグレードによっては最新のハイテク安全、「スマートアシストII」も付いている。 シートも特別座り心地がいいわけではないけど、淡いホワイトと水色のツートーン。正直、小沢は乗る気になれないが、可愛いっちゃ可愛い。 見た目からしてヤル気マンマン一方、個人的に期待してたのが「アクティバ」だ。聞けば現状の販売比率は「五分五分でちょっとアクティバの方が多い」程度らしいが、見た目からしてヤル気マンマン。 それは「スタイル」とは逆の逆台形グリルもそうだし、バンパー下のライトの樹脂カバーやアルミ風アンダーガードがいかにも4WD風。正直ライバルのハスラーよりオモチャっぽいと思ったが、これはこれで面白い。 乗ると気づくのはインテリアのイメージが「スタイル」と結構違う事で、メーター回りやインパネの基本デザインは同じだが、全体カラーが違うし、助手席前が物入れになってる。これまた結構がんばって違いを出してるわけだ。 商売上手ぶりにちょっと脱帽それと走り。「アクティバ」にはFFと4WD仕様があり、今回は4WDの64psターボに乗ったのだが、明らかに足が硬めで締まってる。タイヤも「スタイル」と同じ15インチでも少し太くてデカいもので、ステアリングの手応えもしっかり。これぞしっかり感で名を馳せたムーヴ譲りでしょ! 一方、エンジンはさほどガツンとくるパワー感はないが、全体にトルクが太めで安心して走れる。これくらいあれば深めの雪道でもOKだろう。 ってなわけで個人的には「アクティバ」が気になった新型キャストだが、そうは言ってもハスラーとどっちを買うか? というと厳しい。デザインの面白さではハスラーだし、キャストは計算づくのところがオザワ的には鼻に付く。 とはいえ結局は好き好き。このデザイン、クオリティが気に入ったら買いでしょう。値段もアクティバ、スタイルともに廉価版のFFは122万400円からと趣味性を高めたモデルにしてはこなれていて、これまた片山エンジニアの戦略で「3バリエーション作れば台数が出るから、安く出来る。そこも狙いました」とか。つくづく商売上手なダイハツ・キャスト。ちょっと脱帽気味ですわ。 スペック例【 キャスト スタイル X“SA II” 】 スペック例【 キャスト アクティバ Gターボ“SA II”(4WD) 】 |
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