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マクラーレン新シリーズの先兵、「570S」にポルトガルで乗った

2015-11-9 16:25| post: biteme| view: 474| コメント: 0|著者: 文:吉田 匠/写真:マクラーレン・オートモーティブ

摘要: 911の高性能モデルなどがライバル マクラーレンの市販車部門、マクラーレン・オートモーティブ。そこが造るスポーツカーはこれまで、「650S」やその高性能版たる「675LT」からなる3000~5000万円クラスのスーパーシ ...

マクラーレン新シリーズの先兵、「570S」にポルトガルで乗った

911の高性能モデルなどがライバル

マクラーレンの市販車部門、マクラーレン・オートモーティブ。そこが造るスポーツカーはこれまで、「650S」やその高性能版たる「675LT」からなる3000~5000万円クラスのスーパーシリーズと、ハイブリッドの「P1」が属する1億円クラスのアルティメットシリーズの2本立てだった。つまり、完璧なスーパーカーブランドだったわけだ。

ところがマクラーレンは今年そこに、新たなプライスゾーンに属する意欲的なモデルを投入してきた。「570Sクーペ」と「540Cクーペ」からなるスポーツシリーズがそれで、日本におけるプライスは前者が2556万円、後者が2188万円というもの。

つまり、フェラーリやランボルギーニの中~上級モデルに相当する価格帯のプロダクツしか持たなかったマクラーレンが、911ターボやターボS、それにGT3RSといったポルシェ911の高性能モデル、あるいはアウディR8の上級仕様といったクルマが収まるプライスゾーンに、スポーツシリーズを送り込んできたというわけだ。

基本構成はスーパーシリーズと同じ

そのスポーツシリーズはどのような成り立ちを持つのかというと、実はスーパーシリーズの650Sと基本構成は変わらない。まずその骨格には、1980年代以降のマクラーレンのお家芸ともいえるカーボンファイバー製モノコック、カーボンモノセルを採用している。

ただしカーボンモノセルIIと呼ばれるスポーツシリーズ用は、スーパーシリーズやアルティメットシリーズが使うものとは別の新開発品で、コクピットへの乗降性に配慮してサイドシル部分を80mm低くし落とし込んだデザインを採用している。だがそれにもかかわらず、80kg弱という軽量と、スーパーシリーズ用と同等の剛性を確保しているという。

そのモノセルIIのミドシップに縦置きされるパワーユニットは、3.8リッターV8ツインターボと、これも基本はスーパーシリーズと同じものだ。ただし、パワー的にはデチューンされて、車名のとおり570S用が570psを、540C用が540psを発生する。

それらのエンジンと組み合わせられて後輪にトルクを送り込むトランスミッションも、基本的にスーパーシリーズと同じ2ペダルの7段ツインクラッチ、マクラーレンの呼称でSSG=シームレス・シフト・ギアボックスと組み合わせられる。

ロープライスはどのように実現したのか?

となると、650Sに対して650万円ほど低いプライスをどうやって実現したのか、という疑問が浮かぶが、そのファクターのひとつはサスペンションにある。

スーパーシリーズとアルティメットシリーズは、4輪ダブルウィッシュボーンの各ダンパーを油圧で接続して制御し、アクティブなスタビライザー効果を得るプロアクティブシャシーコントロールを採用しているが、スポーツシリーズではそのシステムが省かれる。

その代わりスポーツシリーズには、4輪ダブルウィッシュボーンに電子制御アダプティブダンパーを装備し、その前後にスタビライザーを備えるという、高性能スポーツカーとして一般的な脚が与えられた。

一方ブレーキは、570Sではフロントに6ピストンの、リアに4ピストンのキャリパーを備えるカーボンセラミックディスクが標準装備される、という万全の態勢を採る。ちなみに540Cではスチールローターが標準になり、カーボンセラミックがオプションとなる。

デザインの深化とアルミによる軽量化

ボディに関しては、全長4.5m強、ミラーを含む全幅2.1m弱というサイズと、コックピット部分が小さく引き締まったフォルムはスーパーシリーズとほとんど変わっていないが、そのデザインには明らかな進化が見られる。

例えば、ボディに沿って流れる気流の制御を突き詰めたというキャビン周辺や、エンジンルームに空気を導く左右ドア部分のえぐり、凹面形状のリアウインドーを備えるエンジンルーム上方の処理、それにLEDを並べた曲線で構成したテールランプなど、スポーツシリーズ独特の見どころは少なくない。

と同時に、カーボンファイバーが主体だったスーパーシリーズと異なり、ボディ外板の多くの部分にアルミパネルを採用しているのも、スポーツシリーズの特徴のひとつだ。

それらの結果、車重は軽量オプションを装着した状態の乾燥重量で1313kgに収まっているというから、同カテゴリーのスポーツカーのなかではかなり軽い部類だといえる。

使い勝手の良さは上級モデルを凌ぐ

コックピットもスーパーシリーズの雰囲気を継承しつつ、室内空間が広くなると同時に、デザインのフェイズが新しくなった。なかでもコンソールが上下2分割になり、ダッシュと一体化されたのが新鮮だが、その上部に仕込まれた縦長のナビも実に視認しやすい。

シートは電動リクライニング付きのスポーツシートが標準だが、バックレスト固定式のレーシングバケットも選択可能で、表皮の材質もレザーやアルカンターラから選ぶことができる。

さらに、シートの後方上部にはけっこう使える棚がセットされて、手荷物のバッグやジャケットを置いておけるし、ドア内側にはミネラルウォーターのペットボトルも収まるポケットが新設された。さらに、ダッシュ下にはグローブボックスが備わり、左右のサンバイザーにはバニティミラーも仕込まれた。

実は、これらはすべてスポーツシリーズで初めて装備されたもので、3000万円から上のスーパーシリーズやアルティメットシリーズには備わっていなかったというから、驚く。

望外の乗り心地を味わえる

この570S、ポルトガルの公道とサーキットを舞台にした国際試乗会が開かれたが、ホテルからサーキットまでの道がその最初の試乗のステージだった。そこで乗ったオレンジ色のクルマはバケットシート装着車で、着座位置はかなり低いが、マクラーレンの例にもれず低いダッシュと下まで広がったフロントウインドーの恩恵で、前方視界は素晴らしくいい。

バケットシートは僕の個人的な好みからいうともう少しバックレストを寝かせたいところだったが、その点を除けば運転姿勢はヤル気なポジションに気持ちよく決まり、まずはホテル周辺の舗装の粗い道路を走り出す。すると、マクラーレンの完璧ともいえるロードカーとしての適性を、すぐさま実感することになった。

最も印象的だったのは、アバタを繋ぎ合わせたようなラフな路面にもかかわらず、クルマがその影響をまったく感じさせないことで、ステアリングに不快なキックバックを感じることなく、570Sは真っ直ぐに走っていく。タイヤはフロントが19インチ、リアが20インチのピレリPゼロ“コルサ”という、過激な奴を履いているにもかかわらず、である。

それに加えて、乗り心地も素晴らしくいい。プロアクティブシャシーコントロールを装備していないため、記憶にある650Sと比べるとやや硬めに感じられるものの、330km/h級のスーパースポーツとしては、かなり快適な乗り心地だといっていい。

超高速域でマクラーレンの完璧主義を見た

1313kgの車重に対して、エンジンは570ps/7400rpmのパワーと600Nm/5000-6500rpmのトルクを発生、0-100km/hを3.2秒、0-200km/hを9.5秒で加速し、最高速328km/hに達するというクルマだから当然だが、動力性能も鮮烈である。

3.8リッターV8ツインターボは、適正なギアに入ってさえいれば踏み込むと同時に素早く反応し、7400rpmでピークパワーを絞り出すトップエンドに向けて一気に吹け上がって、8300rpmまで回り切る。もちろんエンジンは回転が高まるにつれて快音を奏でるが、ある種のライバルと違って暴力的な爆音を発しないところも、好ましく思えた。

発進から9.5秒で200km/hに達するというクルマだから、空いたポルトガルの高速道路でアウトバーン的速度域に入るのは簡単なことだったが、そういったスピードに至っても真っ直ぐに突き進む直進性を維持するところに、これまでのブリティッシュスポーツの多くとは趣の異なる、いわばマクラーレンの完璧主義を見た気がした。

7段SSGもそういった高性能に貢献しているが、パドルによるマニュアルシフトの反応が素早いのに加えて、オートモードでの自動的なシフトもなかなか適切なものだった。

最大の見せ場はやはりコーナリング

とはいえマクラーレンの例にもれず、570S最大の見せ場はそのコーナリングにあった。強烈なアップダウンのあるアルガルヴェサーキットでも、ストレートにおける高度なスタビリティや、ハイスピードコーナーにおける安定した挙動を垣間見ることができた。

けれども僕にとっては、そこからホテルに戻るルートの一部に設定されていた、適度なアップダウンと変化に飛んだコーナーが続く空いたワインディングロードこそ、570Sドライビングのハイライトだった。

他のマクラーレンと同じく、570Sにもパワートレーンとハンドリングの双方にノーマル、スポーツ、トラックの3モードを選べる切り替えスイッチがあり、そのワインディングでは途中からハンドリングのそれをトラックにセットして走ったが、その際のシャキッと締まった身のこなしは、「気持ちいい」の一語だった。

信頼関係の深まりとともに愉しさが増す

比較的タイトなコーナーに向けて減速しながら、650Sよりレシオが5%ほど速められたというクイックにして繊細なステアリングを切り込むと、前輪が狙ったとおりのラインに滑り込んで、コーナリングが開始される。となると、あとは向きの変わり方を見計らってスロットルを踏み込むことになるが、クルマとの信頼関係が深まってくると、踏み込むタイミングを早めることができるのが愉しい。

そこで、ボディの向きが充分に変わったと思うところでスロットルを深く踏み込むと、背中の後ろでツインターボV8が唸りを上げると同時に、570Sは後輪を微かにアウトに張り出しながら猛然とコーナーを立ち上がっていくのだから、嗚呼、堪らない!

カーボンセラミックローターを標準装備するブレーキも、絶対的な制動力、コントロール性とも、素晴らしいレベルにある。ただし、僕の好みからするとペダルの踏力が若干重い印象で、もう少しサーボ感のある効き方が個人的には好ましいと思った。

2556万円に見合う価値があるか?

さて、マクラーレンが送り出したスポーツシリーズの先兵570Sは、2556万円というプライスに見合う価値があるのか? ここまで読んでくれた読者諸兄はもうお分かりと思うけれど、570Sにはそれだけの価値が充分にあると僕は思った。

ワインディングロードにおけるドライビングのクオリティと、日常的用途における快適さや使い勝手のよさを、マクラーレン570Sほど高いレベルで両立させているクルマは、同様のプライスゾーンに属するスーパースポーツのなかにも、多くはないと思うからだ。

しかも来年には、570Sに新しいボディバリエーションが登場するというし、2188万円というプライスタグがつけられたスポーツシリーズのベーシックモデル、540Cの出来も気になる。だから、高性能にしてシャープなスーパースポーツに熱い興味をお持ちのエンスージアスト諸兄は、しばらくマクラーレンから目が離せないはずである。


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