五種競技チャンプは十種競技でもチャンピオン?なんと言うべきでしょうかねぇ? 陸上五種競技チャンプのスーパーアスリートが、満を持して十種競技もやってみたらやっぱり凄かった! というか、野球のイチローがロッククライミングもやってみたら凄かった…というようなある種、当然とも思える驚きでしょうか。ゴルフ オールトラック! 問答無用のコンパクトハッチ界の巨人であり王者でもあるVWゴルフのワゴン版たるヴァリアントをベースに、フルタイム4WD化を施し、全高+25mmのオフロード性を加えた足回りを持つ新クロスオーバーだが、これがほとんど不満のないどころか、ある意味、ベースのヴァリアントの欠点を多少なりとも覆い隠すというソツの無い手応え。 唯一感じたのは、見た目のデコレーションがもう少しハデでもよかったかな? と思える部分ぐらいで、実に欠点の少ない出来映えなのだ。 立体駐車場もOKの程よいサイズまずステキなのはそのサイズ感。全長×全幅×全高は4585×1800×1510mm。全長はノーマルのゴルフハッチより30cmちょい、ヴァリアントより1cmだけ長い適度なサイズを持ちながら4600mm以下に収まり、全高も25mm上がっていながら1550mm以下を楽勝でクリア。立体駐車場も全然OKだ。 そうでありながらオフロードへの対応力もそれなりに上がっていて、アプローチアングルが14.5度、ディパーチャーアングルが17.3度。ジープ系に比べると正直大したことはないが、どちらも10度ちょい程度の普通のセダン&ワゴンに比べればやっぱりお気楽度高し。 さらに重要なのがタイヤサイズで、専用の17インチアルミホイールと組み合わされ、それなりの存在感。合わせてモダンな前後の専用デザインのバンパーやフェンダーモール、アルミ調ルーフレールも加わってクオリティは高い。 もうちょい迫力が欲しい見た目。「オフロード」モードは便利だが格別ワイルドかというとそれほどでもない。良くも悪くもシティ派のゴルフの延長線上で、そこは安心感にも繋がるが中途半端感もある。この当たりはイタリアンブランドだともっとド派手にやったかもなぁと。 一方、フルタイム4WDシステムには、ゴルフ系が得意とするハルデックスカップリングの5世代目を使用。路面状況によりほぼ100対0から0対100まで前後トルク配分を自動調整するが、古典的な4WDっぽい作動音は普段一切なく、普通に街中で使っている分には存在感は皆無。 ただし、モニター上で行う専用開発のモードスイッチがあって、これを「オフロード」に設定すると、急にエンジン回転数が上がって3000rpm前後をキープし、アイドルストップが止まる。制動距離をより短縮するためのABSの制御やヒルディセントアシスト、アクセルペダルの反応特性変更なども行われ、雪山に入ったらこのモードに入れっぱなしで良さそうだ。 マジメなゴルフ系唯一の1.8リッターエンジン肝心の走りだが、最大のポイントはゴルフ系ではこのオールトラックしか搭載しない直噴1.8リッターターボでしょう。他にはポロGTIに使われている新世代ユニットで、ピークパワー&トルクは180ps/280Nmとなかなか。 ベースのゴルフヴァリアントに比べると4WDシステムのせいか、車重1540kgと200kg前後も重くなっており、これくらいのパワーが必要と踏んだもよう。とはいえ普通にゆっくり走る分には特別速い!! ということもなく、緩い登り坂を2000回転程度の低回転でグイグイ登っていくのが印象的。おそらく本領を発揮するのは大人5人で荷物満載! なんてシーンであり、つくづくマジメな出来映えなのであーる。 なにしろトルク容量もあってかギアボックスは6速DSG。結果、JC08モード燃費は14.7km/Lと4WDワゴンとしては悪くないけど、20km/L前後のノーマルヴァリアントと比べると割りと落ちる。ここは見た目の数値よりも実際の走りを取ったのでしょう。ちなみに世界的にみても、ゴルフ系でこの1.8リッターエンジンをチョイスしたのはオールトラックだけ。 ステアリングフィールだが、ベースのヴァリアントに比べて若干甘いかな? 程度。車高が高い分、ロールを多少するがティグアンほどじゃなく、それ以上に乗り心地の良さが格別。空荷でちょっと硬さを感じたノーマルヴァリアント。オールトラックの乗り味のほうが個人的には好きかもしれない。 え、実はヴァリアントの1.4リッターモデルより安い!?ってわけで見た目的にもうちょっとワイルドだといいな…と唯一不満に思ったオールトラックだが値段を見て納得。なんとベーシックモデルで350万円切りの税込347万円! しかもロゴ入り専用シートや外見のアンダーガードやサイドシル・フェンダーモール込みの値段なのだ。それも安全装備は、レーンキープアシスト以外のプリクラッシュブレーキシステムやプロアクティブ・オキュパント・プロテクション、ポストコリジョンブレーキシステム、ドライバー疲労検知システムとハイテクものを全域で標準装備。そして当然のことながら最低でも605リッターの巨大ラゲッジはそっくりそのままヴァリアントと同じ。 こうなると1.4リッターのTSIハイラインが348万7000円から始まるヴァリアントと変わりないどころか、逆にお得感すら感じるくらいで、もはやどちらもファッション感覚の違いだけで選んじゃうことができる。つまり、特別にアウトドア好きに用意したスペシャル・ヴァリアントではないわけですよ。 ホント、こんな風に使えてカッコいい新ラインが追加されちゃうだなんて、最新ゴルフシリーズ、もはやちょっと反則気味ですってば(笑)。 存在感ありまくりのRヴァリアントにも試乗一方、4WDモデルの乗り比べということで同時に試乗できたゴルフRヴァリアントだけど、こちらは“R”の名の通り、露骨に硬派で足は硬めだわ、シート着座位置は低いわ、形状も埋もれるようなバケットタイプだわ、エンジンノイズも発進からゴロゴロ言いっ放しで、存在感ありまくり。 とはいえ本気で長時間走るとツラくなるほどの硬さではなく、こちらもほどほどの万能感。合わせて今後のゴルフワールド、一体どこまで選択肢が広がっちゃうんだ? という作りではありましたね。 ゴルフ オールトラック スペック【 TSI 4モーション アップグレードパッケージ 】 ゴルフ R ヴァリアント スペック【 ゴルフ R ヴァリアント 】 |
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