最新モデルに見る照明装備の進化コネクティッドや自動運転など、「CASE」に象徴される技術革新が加速する自動車業界。ハンドリングやエキゾースト音に一喜一憂していた従来のクルマ好きにとっては、「正直、ついていくのがやっと」と感じる時代になりつつある。 だが、もっと身近で直感的に変化を感じられる部分が、最新モデルには数多く存在している。それは、クルマの「光る部分」がかつてないほど増えているという事実である。今回は「えっ、そこまで光るのか」と驚かされる、最新モデルならではの照明装備を紹介する。 まず機能面で重要なのは、LEDを使ったデイタイムランニングライトである。今やヘッドライト周囲に凝ったデザインのLEDを配するのは常識となり、10数年前まで真昼にライトを点ける乗用車をほとんど見かけなかったのが嘘のようだ。 普及によって視認性が向上したのは確かだが、最近ではトヨタの「ハンマーヘッド」やプジョーの「牙」のように、生き物を思わせるデザインも増えており、やや過剰な印象を受ける人もいるかもしれない。 ウインカーの進化も目覚ましい。トヨタの「シグナルロードプロジェクション」のように、進行方向を路面に映し出す最先端装備は安全性の面で効果が高いが、普及はこれからである。 #アンビエントライト #LED #シーケンシャルウインカー #ハンマーヘッド #デイライト 流れるウインカーは当たり前に。次に来るのは光るグリル?一方、海外で「シーケンシャルウインカー」と呼ばれる流れるウインカーは爆発的に広がり、かつてはデコトラ(80年代を中心に広まった、トラックを派手に電飾する日本のカスタムカー文化)の専売特許だった光の演出が、今ではプレミアムブランドからコンパクトカーにまで浸透している。ただし、リーズナブルなモデルではLED数を節約しているためか、光の流れがやや粗く見えることもある。 ドアを開けた際に路面を照らすドアカーテシーライトも進化している。以前は足元を明るくして怪我を防ぐ程度の役割だったが、今ではトヨタやアウディのようにブランドロゴを映し出す仕様が普及している。さらに一部の高級車、例えばベントレーなどでは、カスタマイズプログラムによってオーナーのイニシャルなどを自由にデザイン変更できる仕様も存在する。 機能性を離れ、完全にデザイン性を目的とした光り物も増えている。その代表が増殖中の光るグリルである。フォルクスワーゲンのように左右のライトをライン状のLEDでつなぎワイド感を強調するものから、BMWのようにグリル全周を発光させるものまでさまざまだが、極めつけは開発中の新型メルセデス「Vクラス」のようにグリル全体が光るタイプであろう。 さらにロールスロイスでは、著名なマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」に発光仕様が用意されている。機能的な意味合いは薄いものの、夜間の存在感は抜群であり、高額モデルのオーナーにとっては大きな魅力となっている。
室内はクラブさながら。アンビエントライトの進化も止まらない室内でも光の演出は広がっている。アンビエントライトと呼ばれる装飾照明は、インパネやドアパネルに埋め込まれたLEDが多彩な色に光るもので、多くのモデルで好みに合わせてカラーを選択できる。中にはメルセデスのように音楽に合わせて明滅し、クラブのような空間を演出できるものもある。 このように、ここ10数年でクルマは驚くほど「光る」ようになった。LEDの普及を背景に広がるこれらの装備は、今後もさらに拡大していくはずである。2030年代のモデルはいったいどれほど光っているのか。その未来の夜景が楽しみである。 (終わり) (写真:トヨタ、アウディ、メルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン、プジョー、ロールスロイス) |
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