「キャプチャーマイルドハイブリッド」はどんなクルマかとある自動車サイトで「マイルドハイブリッド」を探してみたら、現在日本では約160車種(カウント方法は色々ありますが)ほど販売されていると検索結果が表示されました。 スズキ「アルト」から「マイバッハGLS」、さらには「レンジローバー」やポルシェ「911」にも搭載車種があるようです。 しかし、フルハイブリッドを売りにするトヨタやホンダ、シリーズハイブリッドといえるe-POWER推しの日産などには現状、販売車種はありません。 そんなことを調べてみたのは、ルノー「キャプチャー」に、マイナーチェンジのタイミングでマイルドハイブリッドが追加され試乗する機会を得たから。日本のマーケットにおいて、どんなポジションか。国産車で言えば「このクルマに近い」と判断できるのではないか、と思ったわけです。 さて、ルノー「キャプチャー」は、BセグメントのコンパクトSUVです。ルノーの中でも屋台骨を支えるような量販モデルでもあります。 今回試乗したのは、ルノー「キャプチャー エスプリ アルピーヌ マイルドハイブリッド」。 マイナーチェンジにより、顔付きが大幅に変わりました。どうもプジョーのような顔だと思ったら、元プジョーのデザイナーであるジル・ヴィダル氏がルノーに移って、デザインディレクターを務めていたからのようです。デザイナーの個性が分かりやすく出た例ですね。 その外観は、顔つきがスタイリッシュになっただけでなく、エスプリ アルピーヌでは、225/45R19(同じパワートレインの別グレード「テクノ」は215/55R18)のタイヤが踏ん張り感を演出してくれます。 タイヤは、ミシュラン「eプライマシー2」。ミシュラン最新の電動車両向けの省燃費、低転がり抵抗、プレミアムコンフォートタイヤです。 ちなみに、フルハイブリッドのエスプリアルピーヌE-TECHにも同サイズ、同銘柄が装着されています。 あらゆるシーンで接地感がわかりやすく、ドライでもウェットでも安定したグリップを伝えてくれる安心感があり、空走時には低転がり抵抗であることも実感できました。 <次のページへ続く> #ルノー #キャプチャー #マイルドハイブリッド #マツダ #CX-30 マイルドハイブリッド版も「国産車とは違う」プレミアム感キャプチャーのボディサイズは、全長4240mm×全幅1795mm×全高1590mm。コンパクトと言えども幅はほぼ1.8mありますが、実際に乗ってもそれほど幅広感は感じませんし、取り回しに苦労するようなシーンはありませんでした。むしろ、試乗車に乗り終えた後にスペックを調べてみて、「意外と幅広かったのね」と思ったほどです。 グレードにある「エスプリアルピーヌ」は、タイヤサイズや一部外装の他に、主に内装に特徴があります。 そもそも「アルピーヌ」とは、今年ちょうど70周年を迎える1955年に誕生したメーカー。ルノーディーラーを経営するジャン・レデレ氏が、ルノー車をベースにモータースポーツにチャレンジして好成績を残しながらオリジナル車両を開発するようになったブランドです。 現在では、ルノーグループの電動化、プレミアムブランドとなっており、そのイメージを落とし込んだグレードがエスプリアルピーヌなのです。 近づくだけで解錠するルノー特有のスマートキーでロックを解除し、アルピーヌのエスプリをふんだんに盛り込んだ内装を見てみます。 アルピーヌのイメージカラーであるブルーのラインが入ったシートベルトや、Aエンブレムが刺繍されたキルティング模様のレザーシート、フランス国旗のトリコロールが随所に見られ、華美ではないけれどオシャレな内装が、「国産車とは違うな」と感じさせます。 今回のマイナーチェンジで大幅に電気系がブラッシュアップされたそうで、縦置きの10.4インチモニターは、タッチパネルで視認性も操作性も良く、もちろんApple CarPlay、Android Autoにも対応しています。 後席スペースも前後、高さ方向含め、必要十分な印象。ラゲッジスペースは2段になっているほか、後席をスライドさせて前後方向を広げることも可能です。 このあたりに、ヨーロッパのコンパクトカーによく見られる「ナリは小さくても荷物はしっかり積みたいんだ!」というこだわりを感じます。 <次のページへ続く> コーナーでの走りはフルハイブリッドと共通の楽しさ手触り良く柔らかなキルティング表皮の電動合皮シートに体を収め、ブレーキを踏んでプッシュスイッチを押し、116kW(158ps)/270Nm(27.5kgm)の1.3リッターエンジンに3.6kW(5ps)/19.2Nm(2.0kgm)の補助モーターが組み合わされた、マイルドハイブリッドのパワートレインを始動します。 走り出しは、モーターのアシストもあり、一般的な純ガソリン車より力強い加速を得られます。このアシストは、高速の追い越しや、ワインディングの上りなどでも非常に有効で、「もうちょっと力がほしいなぁ」と思わせる運転のストレスをほぼ解消してくれます。 そしてなにより、このキャプチャーの美味しさは、コーナーでの身のこなしにあると思います。 以前乗った「キャプチャーE-TECHフルハイブリッド」と共通する気持ちよさではあるものの、90kgも軽い1330kgの車両重量がその良さをさらに引き出してくれる印象です。 実は今回、まっすぐのバイパスが完成した道を通ったほうが速いのはわかってるけど、あえて回り道して峠道を選んで走ったほどです。 久々にFFの軽快で楽しいコンパクトハッチに乗れたな、と懐かしさを感じつつ、思い通りにクルマを操るプリミティブな歓びに触れた気がします。 当初、bty編集部のMさんと「わかりやすく日本車と比較するカタチで記事にしましょうか」と打ち合わせしてたんですが、どうも自分の経験上「アレに似てるな」と思える国産車は見当たりませんでした。 それでも強いて挙げるなら、マツダ「CX-30」かもしれません。同じくガソリンマイルドハイブリッドを搭載するコンパクトSUVで、走りの楽しさを重視している点も共通すると思います。 では、その違いはと言えば、走りの楽しさの方向性でしょう。 <次のページへ続く> MHEVの「CX-30」と乗り比べるとおもしろいかもマツダ車の走りの楽しさは、切ったら切っただけ、踏んだら踏んだだけクルマが反応してくれる、というのが基本にあると思います。それはそれで気持ち良く、よくできた道具として素晴らしいと感じます。 それに対しキャプチャーマイルドハイブリッドは、もうちょっと切ってもいいかな、もうちょっと踏んでみようかなと、欲張りたくなる、その気にさせるなにかがある気がします。 食べ物に例えるなら、噛めば噛むほど美味しい旨味があふれるコシヒカリとかの白ご飯と、噛んだ瞬間から口中に旨さが広がるバターたっぷりのクロワッサンみたいな感じでしょうか。 どちらが美味しいということではなく、両方の良さが捨てがたいといったところ。クルマも食事のように、その日の気分で選べるといいですね。 価格面では、CX-30のガソリンマイルドハイブリッドの20Sツーリング(2WD、本体価格301万9500円)に、レザーシートやボーズサウンドのセットオプション(20万9000円)、エスプリアルピーヌに相当するような外装のショップオプションのシグニチャースタイル(35万1731円)を装着すると380万円ほどで、キャプチャーマイルドハイブリッドの本体価格409万円にだいぶ近くなります。 絶対に予算ありきで選ぶのでないのなら、両車を比較検討するのは良いかもしれません。フレンチホットハッチの再来といえる軽い乗り味が楽しめる「キャプチャーマイルドハイブリッド」は車両重量1330kg。そして、「CX-30 20Sツーリング 2WD」の車両重量は1420kgと、期せずして「キャプチャーフルハイブリッド」と同じ重量。 「軽さは正義」といいますが、その違いを乗り比べて確かめるのも面白いでしょう。 クルマは選んでいるときが一番楽しいとも言います(というか僕はそう思ってます)。 ぜひ、いろんな国のいろんなメーカーに選択肢を広げて楽しんでみてはいかがでしょうか。 (終わり) (写真:小林和久 株式会社ヘンシュウシャ、マツダ) |
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