2029年、ホンダが八重洲に本社を移転2025年8月29日、ホンダは2029年をめどに東京都中央区の八重洲地区に本社を移転させると発表しました。 1985年より東京都港区のホンダ青山ビルを本社としてきたホンダですが、同ビルの建て替えにより、2025年4月をもって港区虎ノ門の虎ノ門アルセアタワーおよび埼玉県和光市のホンダ和光ビルに本社機能を移設していました。 ホンダの新たな本社となるのは、八重洲地区の再開発エリアに建設される43階建ての複合ビルです。 同エリアは、1960年から1974年にかけての本社機能が置かれていたホンダ八重洲ビルの跡地もふくまれており、ホンダゆかりの場所でもあります。 ホンダは、八重洲地区について「東京駅に近接しており、国内外からの交通利便性に加え、最先端の技術や情報が集積するグローバルでも有数のオフィス街」と述べています。 #八重洲 #ホンダ #本社移転 #青山 #計画変更 南青山ビル建て替えではスペースが足りない!これまでホンダは、建て替えられるホンダ青山ビルを新たな本社とする計画でした。 しかし、今回の発表では、ホンダ青山ビルの権利の一部を三井不動産レジデンシャルが取得し、両社が共同で建て替え事業をおこなうことも明らかにされています。 ホンダは、青山ではなく八重洲を新本社に選んだ理由のひとつとして「ワイガヤ」を挙げています。 「ワイガヤ」は、個人が役割を超えて徹底的にお互いの意見をぶつけ合うというホンダ独自のコミュニケーション文化です。 「ワイガヤ」を促進するためには、フロア数ができるかぎり少ないほうが好ましいことから、1フロアあたりの面積をより多く確保できる八重洲の再開発エリアに白羽の矢が立ったといいます。 実際、八重洲の再開発エリアに本社を移転した場合、1フロアあたりの面積はホンダ青山ビルのおよそ6.8倍にもおよぶと試算されています。 ホンダ青山ビルが抱える「課題」一方、ホンダの本社移転計画が変更となった理由について、ある業界関係者は次のように指摘します。 「ホンダは『ワイガヤ』をその理由に挙げていますが、言い方を変えれば、それはホンダ青山ビルのスペースに課題があるということだと思います。 実際、ホンダ青山ビルの延べ床面積は約4万平米しかなく、約9万2000平米ある日産のグローバル本社と比べてかなり手狭です。 限られた土地で延べ床面積を確保するためには、階数を増やすしかありません。しかし、ホンダ青山ビルの向かいには赤坂御所がある関係から、高層化には一定の限界があります。 また、近年のオフィスビルは、延べ床面積の最大化を図るために敷地面積いっぱいに建築することが一般的です。 ただ、ホンダの創業者である本田宗一郎氏は震災時における歩行者の安全性確保を重視したことから、ホンダ青山ビルでは路面からセットバックした上、(地震などで飛散したガラスを受ける)バルコニーまで設けられたという逸話があります。 スペース効率を重視するのであれば、こうした本田宗一郎氏の思想は無視せざるを得ませんが、社内外からのネガティブな反応は避けられません。 一方、八重洲の再開発エリアであれば、十分なスペースを確保できることにくわえて、ホンダにゆかりのある地ということもあり、本田宗一郎氏の想いを引き継ぐこともできます。 そういった意味で、八重洲の再開発エリアへの移転は、ホンダにとって一石二鳥ということなのかもしれません」 移転計画の変更は「経営上の問題」ではなさそう2025年8月には、経営再建を進める日産が、神奈川県横浜市にあるグローバル本社ビルを売却し、賃貸契約として入居を続けることが報じられました。 では、今回のホンダの本社移転計画の変更も、経営上の問題が根底にあるのでしょうか? 前出のある業界関係者は次のように話します。 「所有している不動産を売却し賃貸として利用し続けるという方法は『リースバック』と呼ばれ、現金の確保が必要な場合などにしばしば用いられます。 一方、ホンダの財務状況には、現状深刻な問題は見られません。また、ホンダと三井不動産レジデンシャルは、八重洲の再開発エリアの一部とホンダ青山ビルの一部の所有権を譲渡し合っており、そもそも『リースバック』というかたちではありません。 そのため、今回の本社移転計画変更は、純粋にスペース効率の課題を解消するためであると考えられます」 近年では企業のブランディングや採用活動にも貢献することから、本社の立地の重要性はさらに増しています。八重洲へと本社を移転することで、ホンダにどのような変化が起こるのかに注目が集まっています。 (終わり) (写真:ホンダ) |
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