豪雨のなかワイスピ・オマージュのフェスが開幕富士スピードウェイで2025年8月11日、「FUELFEST JAPAN2025(フューエルフェスト2025)」が開催されました。ハイパーカーやチューニングドカーなど、多彩なクルマの展示やアクティビティが行われるイベントに、ラリーの最高峰のWRC(世界ラリー選手権)で活躍する勝田貴元選手らが登場。2000台以上のクルマが集結するクルマ好きのお祭りを盛り上げた、TOYOTA GAZOO Racingのパフォーマンスを中心にフェスをレポート! 「フューエルフェスト」とは、“ワイスピ”ことハリウッド映画『ワイルド・スピード』シリーズの主人公のひとり、ブライアン・オコナーを演じた故ポール・ウォーカーによって設立された災害支援団体「Reach Out World Wide」のサポートのため、弟であるコディ・ウォーカーらによって運営されている世界最大級のカーフェスのこと。 日本では今年で4回目の開催となりますが、例年来日するコディにくわえ今回はワイスピ第1作から出演している“レティ”ことレティシア・オルティスを演じたミシェル・ロドリゲスもゲストで登場しました。 富士スピードウェイには前日から嵐のような豪雨が降り続くにもかかわらず、この日を待ちわびたファンたちが駆けつけるなか雨天決行。ミシェルやコディも参加するメインコースのオープニングランでイベントは幕を開けました。 豪雨のため開始時間は遅れたものの、コディのドライブするトヨタのA80スープラをはじめ、作中の愛車であるシルビアの助手席にミシェルが搭乗し、詰めかけたファンの前でチューンドカーをパトカーが追いかけるという、「ワイルド・スピード」そのままの世界観を再現しました。 伝説のラリー一家の親子がGRヤリスで対決200メートルの直線コースを2台で競うドラッグレースの模擬戦などが行われた後、午後にはついに、勝田貴元選手&勝田範彦選手の親子によるデモランが始まりました。 現役のWRCドライバーである貴元選手は2022年のFIAレギュレーションに準拠して開発されたRally1マシンを、過去全日本ラリー選手権で9度のチャンピオンを獲得した範彦選手はRally2での走行となります。 範彦選手の父である勝田照夫氏は日本人初のWRC参戦ドライバーで、勝田家は3世代にわたりラリー界を牽引してきたいわば伝説のラリー一家。本物のラリーマシンによる勝田ファミリーの初バトルが見られるとあって、グランドスタンド前は熱気に包まれています。 ピットロードからグランドスタンドに入った2台のGRヤリスは、フューエルフェストのオフィシャルガールである「神ガール」の合図でスタート! ドラッグレーススタイルの背中合わせでスタートした両車は、猛烈に加速すると何度もターンを決めては度肝を抜く走りで観客を魅了。いつのまにかバトルそっちのけで見事なドーナツターンを決めるたびに、見守るファンからは大きな声援が上がっていました。 勝田親子の対決につづいてなんと、モリゾウ選手こと豊田章男トヨタ会長と豊田大輔選手が飛び入り参加。“トヨタ親子の対決”に会場は驚きに包まれました。 モリゾウ選手も大輔選手も、つい先日ドイツで行われたニュルブルクリンク24時間耐久レースを完走。新型ミッションのDATを搭載したGRヤリスでみごとクラス優勝を決めた実力を、富士スピードウェイでもいかんなく発揮しました。 貴元選手の「異次元の走り」宣言も飛び出したトークショー雨脚は依然として降ったり止んだりと不安定ですが、イベントもいよいよ佳境に。グランドスタンド前に用意されたステージカーによるスペシャルトークショーには、コディやミシェル、そしてラリーのデモランで魅了してくれた4人のドライバーが登壇したスペシャルトークショーが行われました。 これまですべてのフェスに参加してきたコディは「雨で驚いたけど、これだけたくさんのみんなが集まってくれたことに感激している。過去のフューエルフェストで時間を過ごしてきた自分にとって日本は特別な場所。いっしょにイベントを作り上げることができて感謝しています。これだけ土砂降りのなか成功させたんだから、来年は絶対に晴れそうだね」と開場を沸かせていました。 そうこうしているとミシェルが、ゲレンデバーゲンのサンルーフから手を振りながら登場。映画さながらの魅力を振りまき、「ニューヨークでもロサンゼルスでもそうだけど、アメリカのチューニングカーカルチャーは日本をお手本にしてきた。その本場のフェスにジョインできたのは素晴らしい体験だった」とコメントしてくれました。 主催者であるカミワザジャパンの一樂智也CEOが、イベントの感想について豊田章男会長に尋ねると、「フューエルフェストファミリーと共に、我々GRのファミリーも一緒に参加できたことを嬉しく思います」とコメント。燃料を燃やし音を出して走るクルマが好きなドライバーが肩身の狭い思いをしないで済むような、様々なクルマの選択肢を提供し続けたいとも話してくれました。 それを受けて大輔選手は「Rally2マシンには初めて乗りましたが運転がしやすかった。興味をもってくれたのなら、ぜひ購入を検討してほしい」とGRヤリスをインプレッションしてくれました。 全日本ラリー選手権で総合トップを走る範彦選手は「ポイントリーダーといえどギリギリの崖っぷち。負けないようにがんばらないといけない」とコメント。 そして、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)は、8月のラリー・フィンランドで、歴史的な1-2-3-4-5フィニッシュを達成。勝田貴元選手は今シーズン2回目となる2位表彰台を獲得したのも記憶に新しいところ。 とくに今年2月のラリー・フィンランドではトップに3.8秒遅れと僅差で2位フィニッシュを決め、いよいよWRCでの頂点が見えてきた貴元選手は「ワイスピのドミニク・トレットになった気持ちで楽しめました。今日は見せる走りでしたけど、WRCでは初勝利を目指します。昨年に比べると次元の違う本気の走りをするのでぜひ観てほしいです」と、愛知と岐阜で11月に行われるラリージャパンを始めとするWRCへの抱負を語ってくれました。 そして、イベントの締めくくりはパレードラン。自分のクルマでサーキットを走れるという人気のプログラムで、主催者の発表によると、その数1000台以上という数のクルマがコースを埋め尽くし、ゆっくりと富士のメインコースを走り抜けイベントは終了。あいにくの雨が続いたイベントでしたが、参加者が発する完全燃焼した幸福な空気感が漂っていました。 |
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