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新型アルト ラパンに試乗。誰にでも優しくフィットするクルマ

2015-6-26 18:05| post: biteme| view: 485| コメント: 0|著者: 文:藤島 知子/写真:望月 浩彦

摘要: “かわいい”を形にする徹底的なコダワリ 「あれ、こんな所にもウサギを発見しましたよ!」何だか嬉しそうに語りかけてくれたのは若い女性ではなく、撮影をしている時にそばにいた男性スタッフ。3代目となって生まれ ...

新型アルト ラパンに試乗。誰にでも優しくフィットするクルマ

“かわいい”を形にする徹底的なコダワリ

「あれ、こんな所にもウサギを発見しましたよ!」

何だか嬉しそうに語りかけてくれたのは若い女性ではなく、撮影をしている時にそばにいた男性スタッフ。3代目となって生まれ変わった新型ラパンは、先代同様にメーターの文字盤やランプの中、ボディパネルやリヤウィンドウの熱線など、あちらこちらにラパン(Lapin)=ウサギのマークが隠れているのである。

「アルト ラパン」は2002年の登場から、すでに64万台が販売されたスズキの軽自動車。どこか雑貨的で愛着がわくキャラクターが女性のハートをつかみ、20代~30代の女性オーナーの割合はなんと9割を占めていた。際立つ個性をもったモデルを市場に送りだすには、メーカーとしてはそれ相応の覚悟もいるはずだが、そのあたりは軽乗用車のスタンダードを磨き上げたアルトが幅広いニーズをフォローしている。「アルト ラパン」は女性に共感してもらえるクルマづくりに徹することができるというワケだ。

3代目ラパンは“かわいい”と感じるニュアンスを形にすることに徹底的なコダワリをみせている。先行開発担当者をはじめ、内外装のデザイナー、カラーデザイナーなど、女性チームが中心となって積極的にアイディアを出し合い、男性を含む開発陣がそれをフォロー。それは、男性独自の解釈を通してしまうことで曖昧な商品になってしまわぬように細部まで気遣われたことを意味する。

考えてみれば、女性の端くれである筆者も「カワイイ!」という言葉を頻繁に口にするが、便利な言葉でありながら、じつに多くの意味を含んでいるように思う。つまり、ラパンの開発は「カワイイの正体は一体何なのか?」を紐解くことがテーマになったはずだ。それにしても、女性向けといいながら、男性スタッフにも好印象のラパン。気さくな存在ではあるが甘過ぎず、何かすごく大切なモノが詰め込まれているクルマに映る。先ずはそのデザインに注目してみよう。

甘すぎない絶妙な落としどころ

どこかレトロで、見る人の気持ちをホッコリさせるエクステリアのデザイン。ラパンといえば、垂直方向に立てたフロントウィンドウや四角いボディ形状がトレードマークだが、全体的に丸みが増した優しいフォルムになったことが3代目としての新しさ。こなれたカジュアル感を演出しながらもチープな雰囲気を漂わせないヒミツは計算されたバランス感覚にありそうだ。

経済性が求められる軽自動車のライト類は、コストをかけないシンプルな造形が一般的だが、ラパンの場合は最も目につく重要度の高いパーツと位置づけてしっかりと作り込んでいる。上級仕様となるXとSグレードに設定されるディスチャージヘッドランプは立体的な構造で、内部には「Lapin」のロゴが。ウィンカーのオレンジがチョコンと乗っていることでキラキラと輝く指輪を思わせる。

テールランプはボディとバックドアをまたぐ2分割式を採用。さらに、人の身体でいえば耳にあたるドアミラーまで丸みをもたせた形状になっていることで、全体的にまとまり感のあるスタイリッシュな印象を手にしている。「女性は『カワイイ』といいながらも、オモチャっぽさや子供っぽいものを好む人は少ないようです」と、チーフデザイナーの松島氏は説明してくれたが、甘すぎていないところをみても、確かに絶妙な落としどころだ。

巧みなカラーリング設定、2トーン仕様も新鮮

また、デザインと同じくらい、女性はカラーにも敏感である。ボディカラーの設定も巧みで、カスタードクリームを思わせる「シフォンアイボリーメタリック」のほかに、子供っぽくなりすぎない「コフレピンクパールメタリック」、さらには野ウサギからインスピレーションを得た「フォーンベージュメタリック」など、どれを選んでも浮き足だってしまうほど素敵なカラーリング。

ホワイトの2トーンカラー仕様はルーフからリヤのクォーターパネルのショルダーラインまで塗り込まれているのも新鮮だ。さらに、明るいカラーをまとったボディを膨張して見せない工夫がボディ下部を縁取るフェンダーアーチモールやスプラッシュガード。普通であれば黒一色で統一されそうなものだが、「女性に似合う軽快なイメージに仕立てたかった」というラパンはボディ色に合わせてブラウンとネイビーの2色を設定してコーディネート。モールは材料自体に着色されているタイプなので、万が一、壁に擦ってしまっても傷が目立ちにくいのも嬉しい。

ボディパネルなど、随所にあしらわれたウサギのマークを見て、「こんなに特別なことをやってコストはかからないのですか?」という問いに「手間をかけてもお金はかけていません。デザイナーと設計者が常に顔を付き合わせるクロスセクションを実現したことで、カラーコーディネートからデザインを進めたりしたこともあったんです。アイディアを出し合い、みんなが楽しみながら作り上げることができました」と嬉しそうに語ってくれた。

それぞれのセクションが個々の仕事に励んでも、全体の調和が取れていなければ心に響く商品にはなりにくい。画期的な提案をするためには、まずは既成概念を崩すことが組織にとっては重要なのかも知れない。

ホッと一息つきたくなる車内の空間

車内に乗り込むと、まるで自分の部屋に帰ってきたようにホッと一息つきたくなる空間が。低めに留めたダッシュパネルには女性が好むスモーキーなグレージュのカラーリングが施され、カフェのカウンターをイメージしたという木目調のテーブルは、先端の形状にマチをつけた人に優しい造形になっている。幾層にも重ねた造形が前方視界に開放感を与え、居心地の良さと見晴らしのいい視界を確保してくれる。

ダッシュパネルはグレードによって2つのタイプが設定されているが、垂直面にあしらわれたパネルは温もりを感じるホワイト系のカラーを採用し、オプションのアクセサリーパーツを選べばホワイトカーボン調やソリッドミントなどのパネルに差し替える楽しみもある。助手席側にはグローブボックスの上部にクルマには珍しい引きだし式の収納が設けられ、オプションで植毛加工を施したアクセサリーボックスが用意されているというのも、乙女心がくすぐられる。

特筆すべきはフォトフレームを思わせるナビゲーションパネル。最近ありがちなタブレットタイプと違って、ナビ自体は好みや予算に応じていくつかの2DINサイズのものが組み合わせられるように配慮されている。

運転席の正面にあるメーターは置き時計がモチーフ。速度計の文字が宙に浮かぶユニークな処理が施され、夜間には文字盤全体が白く灯され、目盛りは宝石を散りばめたように輝く。メーター内のディスプレイは状況に応じてウサギのアニメーションが登場するものになっている。

選べるシート柄&女性に嬉しい快適装備がいろいろ

驚いたのは、シートのバリエーションが豊富であること。基本的にはナチュラルなベージュが全グレードに設定されているが、最上級仕様のXはシートのふちにパイピングを施したキルティング仕立てのキャメルや上質感のあるシックなチェック柄を設定し、ブラウンを合わせた3タイプから選択できる。

私が試乗したXのキャメルのシートは座り心地にコシがあって、比較的フラットなベンチシートでありながら体圧を面で支えてくれるもので、郊外に足を伸ばしても疲れにくいものに仕上がっていると感じた。

ドライブ中に快適な環境を与えてくれるのが日焼けや暑さに対する対策。ラパンには日焼けやシミの原因となる紫外線(UV)を約99%カットし、太陽の熱がジリジリと照りつける赤外線(IR)をカットする「プレミアムUV&IRカットガラス」が採用されている。

さらに、お肌や髪に潤いを与える「ナノイー」搭載のフルオートエアコンがXに装備されていて、運転席側の吹出口からは常時微粒子イオンが放出されるので運転しながら美容に気を配れるというのが素晴らしい。

キャラと燃費面をバランスさせた仕立て

ラパンは8代目アルトで評価を得ている新プラットフォームがベースとなっている。デザイン的な幅を持たせたラパンはアルトよりも車重が30kg程度重くなるものの、先代と比べて120kgの軽量化を実現している。

さらに、スズキの低燃費技術を支える柱となるエネチャージやアイドリングストップなどを採用。最新の低燃費技術を採用した改良型のR06Aエンジンを搭載することで、JC08モードは2WDのCVT車で35.6km/Lの低燃費を実現している。

Xに乗り込んで走り出すと、走行中のエンジン音やロードノイズは軽量に仕立てたクルマの割に静かだと感じる。全く音が入らないワケではないが、アクセルを踏み込むシーンでは、CVTにありがちな速度よりもエンジン音が先行するような不快感を与えず、耳障りで安っぽい音を上手に抑えることで、ドライバーに走っている実感を与えながら快適性を保っている。

街乗りでアクセルを抜いて、また加速してという動作を頻繁に繰り返す場面では、エンジンの動力を伝える段階でわずかに前後に揺すられてしまう場面があるが、流れに乗るとそうした動きは気にならなくなってくる。ブレーキについてはペダルを踏んでから狙った車速に落ちるまでラグがあるので、自然なフィーリングを実現させる上では今後の進化で改善されることを願いたい。

今回のラインナップでは、エンジンはノンターボのみを設定。高速道路で流れをリードするほど速いワケではないが、後席に乗員を乗せてもゆったり流すには十分な力を発揮する。上り坂も違和感なく登っていけるレベルだし、このクルマのキャラクターと燃費面のバランスを考えたら、これくらいで充分だ。

予防安全機能も充実。誰にでも優しくフィットするクルマ

また、運転に不慣れなドライバーをフォローする機能も充実させている。もともと、ラパンの四角いボディはクルマの車幅感覚をつかみやすく、フロントウインドウを支える柱がドライバー側に引かれているので死角が少ない。

その上、車庫入れの際に心強いのは、4つのカメラ画像を重ねてクルマを真上から見ているような俯瞰映像をモニター上に映し出し、自車周辺の障害物を把握できる全方位モニターの採用。カメラ画像は2画面で表示され、車両の前方、後方、サイドの映像もチェックできる。

そして、いまクルマを買うなら付けておきたい予防安全機能が設定されている点も見逃せないポイントだ。時速5km~30kmで走行中に自車のレーダーが前方車両を検知している時、クルマが衝突する危険性があると判断すると自動緊急ブレーキを作動させて衝突被害を軽減する「レーダーブレーキサポート」や、ペダルの踏み間違い事故を抑制する「誤発進抑制機能」を全車に標準装備してきたというのは軽自動車界にとって大きなニュースとなった。

このように、ラパンのクルマづくりは20代~30代の女性をターゲットに進められたと言われているが、フタを開けてみれば、誰にとっても嬉しい要素が散りばめられている。ホッコリ和み系のキャラクターながら志を高くもつクルマづくりは懐が深く、実は誰にでも優しくフィットするクルマといえるのではないだろうか。

スペック例

【 X 】
全長×全幅×全高=3395mm×1475mm×1525mm
ホイールベース=2460mm
駆動方式=FF
車両重量=680kg
エンジン=658cc 直列3気筒DOHC
最高出力=38kW(52ps)/6500rpm
最大トルク=63Nm(6.4kg-m)/4000rpm
トランスミッション=CVT
サスペンション=前:マクファーソンストラット
        後:トーションビーム
タイヤサイズ=155/65R14
JC08モード燃費=35.6km/L
使用燃料=レギュラーガソリン
車両本体価格=138万9960円


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