ダイハツのOEM車がトップ3に2台もランクイン2025年5月期の登録車新車販売の車名別ランキングを見て、驚いたクルマ好きも多いのではないだろうか。 第2位にトヨタ「ライズ」、第3位にトヨタ「ルーミー」と、ダイハツからOEM供給を受けるトヨタの2モデルがトップ3にランクインしたのである。 トップ3常連のトヨタ「カローラ」やトヨタ「シエンタ」が商品改良前で販売台数をやや落としていたとはいえ、OEM車が2台もトップ3に位置するのは珍しい。また、翌6月もライズが第2位をキープし、ルーミーは第4位だった。 日本語で「相手先ブランド製造」を意味する「Original Equipment Manufacturer」の頭文字を付けたOEMという製造および販売手法は、1960年代にアメリカのコンピュータ業界から始まったとされており、間もなく自動車業界でも“OEM車”の呼称で導入されるようになる。 日本の自動車市場では、同一ブランドの販売チャンネル別生産車も含め、兄弟車や姉妹車、バッジエンジニアリング車などとも呼ばれ、1970年代から市場に流通するようになった。 #ランディ #OEM #ジャスティ #ルーミー #トール 軽自動車のOEM車は主に“ダイハツ系”と“スズキ系”では、現在ラインアップしているOEM車の概要を紹介していこう。 まず軽自動車のOEM車は、ダイハツ系とスズキ系の大きく2タイプに分類でき、主にブランドエンブレムや車名エンブレム、そしてグレード展開などでオリジナル車との違いを打ち出している。 トヨタは以下のモデルをラインアップする。コペンGR SPORTはダイハツと同じ名称で販売しているのも特徴だ。 軽乗用車「ピクシスエポック」・・・ダイハツ「ミライース」ベース
多彩なOEM車をラインアップするのがマツダだ。 軽乗用車「キャロル」・・・スズキ「アルト」ベース
スバルは、コアなファンが存在する「サンバー」がOEMに切り替わったことでも話題となった。 軽乗用車「プレオプラス」・・・ダイハツ「ミライース」ベース
独自の軽を作る日産・三菱連合もOEM車を活用三菱との合弁会社を組み独自の軽自動車もラインアップする日産は、三菱系のモデルもラインアップしているのが特徴だ。 軽キャブオーバーワゴン「クリッパーリオ」・・・スズキ「エブリイワゴン」ベース
同じく「デリカミニ」など独自モデルもラインナップする三菱は、3モデルがOEM車。全てスズキ系となる。 軽キャブオーバーワゴン「タウンボックス」・・・スズキ「エブリイワゴン」ベース
なお、スズキ、ダイハツ、トヨタはタッグを組んで商用軽バンの電気自動車を開発し、2025年度中の導入を計画。生産はダイハツが担当し、各メーカーに供給する予定である。 OEM車は今後も増殖する可能性登録車のOEM車は、コンパクトカーや商用バン、トラックが主流となる。 トヨタはコンパクトハイトワゴンのルーミー(ダイハツ「トール」がベース)、コンパクトSUVのライズ(ダイハツ「ロッキー」がベース)となっている。 なお商用キャブオーバーバンの「タウンエースバン」と商用キャブオーバートラック「タウンエーストラック」は、アストラ・ダイハツ・モーター(インドネシア生産)のダイハツ「グランマックス・カーゴ/グランマックス・トラック」がベースとなっており、さらに、1t積系および2t積系トラックの「ダイナ」(日野「デュトロ」ベース)などをラインアップする。 さらにマツダは、キャブオーバーバンの「ボンゴブローニイバン」(トヨタ「ハイエース」ベース)、商用キャブオーバーバンの「ボンゴ」と商用キャブオーバートラックの「ボンゴトラック」は(同ダイハツ「グランマックス・カーゴ/「グランマックス・トラック」ベース)、小型バンの「ファミリアバン」(トヨタ「プロボックス」ベース)、1t積系および2t積系トラックの「タイタン」(いすゞ「エルフ」ベース)などを設定する。 スバルはコンパクトハイトワゴンの「ジャスティ」(ダイハツ「トール」ベース)やコンパクトSUVの「レックス」(ダイハツ「ロッキー」ベース)などをリリース。 三菱自動車はハイトワゴンの「デリカD:2」(スズキ「ソリオ」ベース)を、スズキはミニバンの「ランディ」(トヨタ「ノア」ベース)を、いすゞ自動車は「コモ」(日産「キャラバン」ベース)を、日野自動車はマイクロバスの「リエッセII」(トヨタ「コースター」ベース)を販売している。 OEM車の設定理由としては、開発コストの削減や車種ラインアップの拡充、生産効率の向上などが挙げられる。 スバルやマツダなど、オリジナルの軽自動車の開発・生産を中止したメーカーは、OEM車を導入して既存の軽ユーザーのニーズに対応しているのだが、ユーザーにとっては、馴染みのディーラーで買えるクルマの選択肢が増えるという利点が生まれる。 OEM車の車両価格はオリジナル車に比べて若干高額になる場合が多いが、海外メーカーとの競争が一段と激しくなる自動車メーカーにとって、国内向けモデルのリソースは限られていることから、OEM車は今後も増えることが予想される。 (終わり) (写真:トヨタ、日産、マツダ、スズキ、スバル) |
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