実は多い「全幅1840mmのクルマ」現在販売されているクルマのボディサイズを見ると、自動車メーカーやボディタイプを問わず、全幅が1840mmとなっているものが多いことに気づきます。 たとえば、トヨタ「クラウン クロスオーバー」や日産「エクストレイル」、マツダ「CX-5」、レクサス「IS」、ホンダ「ZR-V」といったモデルが全幅1840mmとなっています。 その理由について、「機械式駐車場に収まるようにするため」と説明されることがしばしばあります。実際、日本の機械式駐車場の多くが全幅1850mmを上限としており、全幅1840mmのクルマであれば問題なく駐車することが可能です。 全幅1840mmとしているモデルの多くが日本車であることを考えても、この説明は妥当であるように思われます。 #クラウンクロスオーバー #エクストレイル #CX-5 #ZR-V #IS 1840mmは北米でも「ちょうどいいサイズ」一方、「全幅1840mm」にはほかの理由もあるようです。ある業界関係者は次のように話します。 「全幅1840mmを採用しているモデルの多くはグローバルモデルであり、特にアメリカでの販売台数が多いモデルです。 アメリカにおいて、全幅1840mmのクルマは極めて平均的なサイズとされており、あらゆるシーンで対応可能です。 たとえば、アメリカの駐車場の多くは、駐車スペースの幅を8.5〜9フィート(約2.6〜約2.7m)としています。アメリカでは駐車時にミラーをたたむ習慣がありませんが、全幅1840mmのクルマであれば、ミラーをたたまない状態でも余裕をもって駐車することができます。 また、全幅1840mmはおよそ6フィートであり、ヤード・ポンド法を用いるアメリカ人が感覚的に理解しやすい数字でもあります。 つまり、全幅1840mmというのは、日本のユーザー以上に、アメリカのユーザーにとってちょうどよいサイズであるということができます」 「1840mm」は大きな制約ではない?一方、前出のある業界関係者は「自動車メーカーは必ずしも『全幅1840mm』にこだわっているわけではない」と指摘します。 「誤解をおそれずに言えば、自動車メーカーの開発者の多くは、『クルマの全幅は基本的に大きいほうがいい』と考えていると思います。 全幅を大きくすることで、クルマのデザインの理想形とされる『ワイド&ロー』により近づけることができますし、走行安定性や側面衝突強度の面でも有利となります。 もちろん、実際の使い勝手との兼ね合いを考えると、際限なく全幅を拡大することはできません。そういった意味で、『全幅1840mm』という数字は自動車メーカー側の都合とユーザーのニーズを両立させた結果ということができます。 逆に言えば、『1840mm』という数字は、法律上の制限などによって決められているものではありません。 実際、トヨタ『RAV4』はアメリカでもっとも売れているミドルクラスSUVのひとつですが、全幅は1855mmとライバルと比べてややワイドです。 このように、それ以上のメリットがあれば『全幅1840mm』を超えるケースもあるというのが、実際のところのようです」 今後は「全幅1900mm」が主流に?近年では、ほとんどのモデルがフルモデルチェンジの際に全幅を拡大しています。では、今後クルマの全幅はどこまで大きくなっていくのでしょうか? 日本の場合、公道を走行できるクルマの全幅は法律で2500mm以下に制限されていることから、この数字が事実上の上限となりそうです。 ただし、ほとんどの駐車場が全幅1900mm以下という制限を設けていることから、1900mmを超えると実用上の不便が生じると考えられます。 とはいえ、大型SUVなどではすでに全幅1900mmを超えるものもめずらしくありません。マツダ「CX-60」のように、国産車でもこれに近い全幅を持つモデルが登場しています。 このように考えると、今後はミドルクラス以上のモデルかつグローバルで販売されるモデルは、全幅1900mm前後まで拡大していくことが予想されます。 (終わり) (写真:トヨタ、日産、マツダ、レクサス、ホンダ) |
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