V6が帰ってきた!レクサス「IS350」再登場25年7月25日、レクサスは「IS」の特別仕様車「Fスポーツ モードブラック4(Mode Black IV)」を発表しました。 今回の商品改良は単なる特別仕様車の追加にとどまらず、注目すべきポイントがあります。すでにSNSなどで「V6エンジンが帰ってきた」と話題になっているように、商品改良に合わせて3.5L V6エンジンを搭載する「IS350」グレードが復活したのです。 筆者個人もISと3.5L V6エンジン、そしてIS350というグレード名が復活したことに“熱い”思いを抱いています。なぜなら、このエンジンとグレード名は、日本におけるレクサスの原点といえる存在だからです。 日本でトヨタが上級ブランドとして「レクサス」を展開しはじめたのは2005年のこと。 初期段階で登場したのはセダンのISと「GS」、そして4シーターオープンの「SC」でした。SCは実質的にトヨタ「ソアラ」の改名版だったため、新生レクサスの象徴的存在となったのはGSとISという2台の4ドアセダンでした。 とくにISは、コンパクトなスポーツセダンであり、初期レクサスのエントリーモデル、さらにアイコン的存在として市場に認識されていました。その理由は、初代ISのトップグレード「IS350」にありました。 初代IS350に搭載されていたのは、トヨタ渾身のV6 3.5L「2GR-FSE」エンジン。直噴とポート噴射を併用するD-4Sテクノロジーを採用し、最高出力318馬力、最大トルク380Nmを誇っていました。 (次のページへ続く) #一部改良 #IS350 #IS300h #V6 #レクサス #特別仕様車 #2GR 「IS350」は消滅と再登場、そして再び消える2GR-FSEエンジンは、レクサスGSや当時マイナーチェンジを受けた「クラウン」(12代目・通称ゼロクラウン)にも搭載されていましたが、GSやクラウンの仕様は315馬力止まりでした。当時のレクサスSCはV8 4.3L「3UZ-FE」エンジンを搭載していましたが、その最高出力は280馬力にとどまっていました。 つまり、IS350は初期レクサスの中で“最もパワフルなモデル”だったのです。 その後、最高出力423馬力のV8 5.0L「2UR-GSE」エンジンを積む「IS F」が登場するなど、パフォーマンスのインフレが進む中で、IS350の存在感は徐々に薄れていったのも事実です。 そして最近では、25年1月の商品改良を機に、特にアナウンスもなくIS350がラインナップから姿を消したこともありました。もはやブランドとして、IS350に惜別の念を表す必要もないのか…と寂しい気持ちになったのは、IS350というグレード名をレクサスの象徴と捉えていた筆者だけではないはずです。 しかし、冒頭で紹介した特別仕様車の登場に合わせて、IS350は見事に復活。 そして、復活を喜ぶ間もなく、レクサスは25年7月末にIS 350、「IS 300」、「IS 300h(4WD)」、「IS 500」の生産を25年11月で終了すると発表しました。残されるのは「IS 300h(2WD)」のみで、V6エンジンを搭載したIS350を新車で購入できるのは、まさに今しかないのです。 あわせて、ISシリーズと同じパワートレインを採用するクーペモデル、「RC 300」「RC 300h」「RC 350」「RC F」も同時期に生産を終了する予定です。長らくラインアップを支えてきた後輪駆動モデルの多くが姿を消すことになり、レクサスにとって一つの大きな転換点を迎えることになりそうです。 (次のページへ続く) 復活したIS350が購入可能な残り時間はわずかIS350はその心臓部に「2GR-FKS」型エンジンを搭載しています。「2GR」というエンジン型式からもわかるとおり、これは初代IS350が積んでいたV6 3.5L(2GR-FSE)エンジンの正常進化形といえるもので、ボア×ストローク(94mm×83mm)、総排気量3456ccといった諸元も共通しています。 ポート噴射と直噴を使い分けるD-4Sや、吸排気タイミングを幅広く可変させるDual VVT-iなどの技術を採用し、熱効率に優れるアトキンソンサイクル(高膨張比)を実現したV6エンジン2GR-FKSは、2015年秋に登場。 今回復活したIS350も、最高出力318馬力、最大トルク380Nmという基本スペックは変わっていません。最高出力の発生回転数こそ若干異なりますが、最大トルクの発生回転数は初代IS350と同じく4800rpmです。車両重量も、初代IS350が1600kg、最新のIS350が1660kgとほとんど変わっていません。 トランスミッションこそ、初代IS350が6速AT、新型IS350が8速ATという違いはありますが、20年前に始まった“ニッポンのレクサスのルーツ”ともいえるレジェンドなグレードであるIS350を手に入れるチャンスが戻ってきたのです。この絶好の機会を狙っているオーナー予備軍は、案外多いのではないでしょうか? (終わり) |
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