今年上半期、「アルファード」は「ノート」よりも売れている軽自動車をのぞいた登録車の販売(2025年1月〜6月)においては、「ヤリス」「カローラ(シリーズ)」「シエンタ」といったトヨタ車が人気トップ3を独占しています。トヨタの商品ラインナップが日本の自動車市場にマッチしていることは疑いようがありません。 しかも、比較的安価なファミリー向けモデルが売れているだけではないのです。車両価格が500万円を超える高額なモデルにおいても、トヨタ車は売れに売れています。自販連の発表している通称名別販売データから、トヨタの高額モデルがどれほど好調なのか、数字で確認してみましょう。 ■2025年上半期、トヨタの高額モデル販売実績
ランキングを見ると驚きますが、「アルファード」は日産「ノート」(4万3308台、同8位)より、「ハリアー」はスズキ「ソリオ」(2万9121台、同16位)より売れています。 「クラウン」の下には「ステップワゴン」(2万8850台、同18位)や「フィット」(2万4712台、同19位)といったホンダ車がいて、「ランドクルーザー(シリーズ)」はスズキ「ジムニー(シエラとノマドの合算)」(2万115台、同21位)より売れています。 また「アルファード」と「ヴェルファイア」を合計すると6万台を超え、これはランキング3位のシエンタ(5万6882台)の販売実績を凌駕します。 一般論として高額なモデルは利益率も高いとされています。500万円を楽に超えるような高価格モデルが、これほど好調なのですから、SNSなどで「トヨタはウハウハに違いない」といった指摘をする声が多いことも納得です。 <次のページへ続く> #トヨタ #アルファード #ヴェルファイア #ハリアー #ランドクルーザー 高額モデルは、車両価格も高いがリセールバリューも高いとはいえ、一方的にトヨタがユーザーから搾取して、儲けているというわけではありません。アルファードやランドクルーザーのリセールバリューが非常に高いことは、クルマ好きの皆さんであればご存知でしょう。 リセールバリューが高いということは、そのクルマを下取りなどに出して、次のクルマに乗り換えるときの金銭的負担が少なくなることを意味しています。 ユーザーにとって、車両価格は高くてもリセールバリューも高いトヨタ車を選ぶことは、結果的にトータルコストの抑制につながります。高額なトヨタ車を選ぶことは経済合理性に即した判断ともいえるのです。 このような、メーカーとオーナーにとってWin-Winの時代は永遠に続くのでしょうか。はたして、トヨタのビジネスモデルに死角はないのでしょうか。 ここでキーワードとして注目したいのは、やはり「リセールバリュー」でしょう。 現在、トヨタ車のリセールバリューが優れているのは、商品が市場にマッチしているからです。それはパッケージであり、スタイリングであり、そしてハイブリッドによる燃費性能であるでしょう。 そして、そこで気になるのは、ハイブリッドによる環境性能です。 たしかに、二酸化炭素の排出量を生産・運用・廃棄といったライフサイクルで考えると、ハイブリッドに分があり、より適切なソリューションであるのは事実でしょう。 しかし、そこには「現時点において」という条件がつきます。 <次のページへ続く> 20年後にはハイブリッド車の価値が下落する?日本政府として2050年のカーボンニュートラルを目指していくという方針が変わらない限り、遅くとも2050年までには化石燃料を自家用車が使える時代は終わりを告げているはずです。 中古車のリセールバリューというのは、そうした時代変化を先読みして織り込んでいく部分もあります。 2040年代には、ハイブリッドカーであっても化石燃料を使う自動車の将来価値は小さくなると考えられる可能性が非常に高いでしょう。つまり、ハイブリッドカーのリセールバリューが優れているという状況が、未来永劫続くとは考えづらいのです。 いまのトヨタの好調ぶりは、化石燃料を使いながら二酸化炭素排出量を減らすという状況にマッチしているからであって、化石燃料の使用が禁じられた時代にも通用するソリューションではないはずです。 また、エンジン車の価値が落ちるからといって、BEV(電気自動車)のリセールバリューが高まっていくという単純な話でもないでしょう。そもそもクルマは所有するものからシェアするものへと、自動車のビジネスモデルが大きく変わる可能性もあります。 はたして、カーボンニュートラル時代の自動車社会において勝者となるのは、どんなビジネスモデルになるのでしょうか。 もちろん、人と財が豊富なトヨタですから、次世代が求める自動車社会をリードする可能性は大きいですし、それだけの危機感をもってトヨタは未来を描いていると思います。 予想もしないプレーヤーが登場する可能性もあるでしょう。トヨタに死角があるとまでは言えなくとも、未来において“盤石”ということなどあり得ません。 カーボンニュートラルという社会目標が、自動車社会をどのように変えていくか、ユーザーとしても変化をキャッチしておくべきといえるでしょう。 (終わり) (写真:トヨタ、日産、ホンダ、スズキ) |
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