軽自動車マーケットを形作る3つのジャンルダイハツのハイトワゴン「ムーヴ」が、11年ぶりにフルモデルチェンジを迎えました。新型モデルは6月5日より発売されており、その特徴や走りをレポートしていきます。 現在の軽自動車市場は、大きく3つのジャンルに分類できます。 もっとも販売台数が多いのは、全高が高く、スライドドアを備えた「スーパーハイトワゴン」です。代表格はホンダ「N-BOX」で、スズキ「スペーシア」やダイハツ「タント」などがあります。 続くのが、スーパーハイトワゴンよりやや背が低い「ハイトワゴン」です。かつてはこちらが主流でしたが、現在ではスーパーハイトワゴンに人気の座を奪われています。 このカテゴリーに属するのが、今回試乗したムーヴです。ライバルとしては、スズキ「ワゴンR」、日産「デイズ」、三菱「eKワゴン」、ホンダ「N-WGN」などがあり、各社ともモデルをラインナップしています。 そして最後が、もっとも背が低く歴史も古い「セダンタイプ」です。こちらには、ダイハツ「ミライース」やスズキ「アルト」などが該当します。 >>【スライドドア化】した新型「ムーヴ」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: 初のスライドドア化。“カスタム”を廃止した背景とはムーヴは1995年登場の初代から、2014年登場の6代目まで、いずれも4ドアのヒンジ式ドアを採用してきました。 ところが現在では、スライドドア付きのスーパーハイトワゴンが圧倒的なシェアを占めています。実際、軽乗用車の6割以上がスライドドア装着車という状況になっています。 こうした市場の変化を受けて、7代目となる新型ムーヴでは、ついにスライドドアを採用することになりました。これは今回のフルモデルチェンジにおける最大のトピックと言えるでしょう。 また、新型ムーヴでは、これまで用意されていた「カスタム」グレードが設定されていません。これは近年、ダイハツの車種ラインナップが多様化し、いわゆる“カスタム系”のエアロスタイルを求めるニーズが減少してきているためだそうです。 「コペン」や「タフト」など、個性的なモデルが増えた今、カスタム志向のユーザーにはパッケージオプションで対応するというのがダイハツの戦略です。 なお、かつて1990年代のムーヴは、若年層や子育て世代がユーザーの7割以上を占めていましたが、その中心が60代を含む高齢層へと移行しています。新型ムーヴのメインターゲットは、「新人類」世代とも呼ばれるアクティブな60代とのことです。 >>【スライドドア化】した新型「ムーヴ」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: 「DNGA」採用でしっかりとした走りを実現メカニズム面でも、新型ムーヴは大きな進化を遂げています。 採用されているのは、2019年から導入が始まった新世代の「DNGA」プラットフォームです。パワートレインも刷新され、走りの質が大きく向上しています。 デザインは「動く姿が美しい、端正で凛々しい」がコンセプトになっています。先にデビューしている姉妹車「ムーヴキャンバス」がキュートな路線なのに対し、新型ムーヴは“カッコよさ”を強調したキャラクターです。 最初に試乗したのは、自然吸気エンジン(最高出力52ps、最大トルク60Nm)を搭載した149万500円の「X」グレードです。走り出してすぐに感じたのは、加速の力強さでした。 スライドドア化により車重は約40kg増えていますが、それをまったく感じさせない加速感があります。個人的には、もう少しリニアなアクセルレスポンスのほうが好みですが、近年はこの加速感が市場で高評価を得ていると、開発陣は話していました。 高速走行時にもその力強さは変わりません。スピードが上がるにつれてハンドルの手応えが増し、安心感のある走行性能を感じました。 スーパーハイトワゴンよりも全高は低く、ハイトワゴンよりも重いためか、重心が低く、走りの安定感も増しているように感じました。段差などのショック吸収性も高く、フラットな姿勢を維持しながら快適に走ることができました。 続いて試乗したのは、ターボエンジン(最高出力64ps、最大トルク100Nm)を搭載した189万7500円の「RS」グレードです。こちらは、タコメーター付きの2眼メーターやアダプティブクルーズコントロール(ACC)、電動パーキングブレーキなど、装備も充実しています。 当然ながら加速力はXグレードよりも上で、高速道路でも余裕のある走りを楽しむことができました。自然吸気モデルの良さに、パワーの“ゆとり”が加わる印象です。 こうした走行性能の高さは、やはり新しいプラットフォームとパワートレインの恩恵と言えるでしょう。デザインに込められた「凛々しさ」にふさわしい、しっかりとした走りを体感できました。 >>【スライドドア化】した新型「ムーヴ」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: スライドドア化のネガはほぼナシ今回の試乗で印象的だったのは、「スライドドア化によるネガ」がほとんど感じられなかった点です。車両重量が増したにもかかわらず、走りは軽快で、燃費も先代比で約10%向上しています。 スライドドアの利便性は、言うまでもなく大きな魅力です。この走りと燃費、そして実用性を備えた新型ムーヴは、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となるでしょう。 さらに、かわいらしいスタイルのムーヴキャンバスとの併売によって、より幅広いニーズをカバーできる点も大きな強みです。ヒンジ式ドアのライバルたちは、今後シェアを落とすことになるかもしれません。 いまや「スーパーハイトワゴンに限らず、軽自動車もスライドドアじゃないと勝てない」時代です。そんな中で登場した新型ムーヴは、軽市場に一石を投じる存在となる可能性を秘めている1台と言えるでしょう。 (終わり) >>【スライドドア化】した新型「ムーヴ」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: (写真:鈴木ケンイチ、ダイハツ) |
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