かつては手が届いた国産スポーツの名車が今や高嶺の花にかつての国産スポーツカーは、高い走行性能と個性的なルックス、そしてなによりも若者でも手が届く価格だったことが大きな魅力でした。 現代のクルマにはない魅力をもったそれらのスポーツカーは、当時ならではの味わいがいまでも多くのファンを惹きつけています。 しかし、現在ではこうしたモデルは年々希少性を高めており、想像以上のプレミア価格で取引されるケースもめずらしくありません。 たとえば、1980年代後半から2000年代前半にかけて登場したトヨタ「スープラ」や日産「スカイラインGT-R」、ホンダ「NSX」といったモデルは、当時の新車価格を大きく上回る水準で中古市場に並んでいます。 なかでも、R34型のスカイラインGT-Rは当時の販売価格の10倍以上へと相場が高騰しており、高値の個体だと5000万円をゆうに超える価格で取引されています。 また、A80型のスープラも状態の良い個体であれば、オークションで2000万円を超えるケースがあるようです。 なぜ、それほどまでに当時の国産スポーツカーが高騰しているのでしょうか? >>「スープラ」「スカイラインGT-R」ほか今や庶民では買えない激レア国産スポーツカーをせめて画像で楽しむ \あわせて読みたい/ アメリカの「25年ルール」が国産スポーツカー高騰のカギに当時の国産スポーツカーの高騰を支えているのは、アメリカのいわゆる「25年ルール」の存在です。 アメリカでは、各種法規制の関係から、日本で販売されているクルマで公道を走行することは容易ではありません。原則、右ハンドルのクルマを輸入することはできないからです。 しかし、製造から25年を経過したクルマであれば、クラシックカーとして登録できるようになるため、比較的簡単に公道を走らせることが可能です。 それにより、2010年代以降に、1980年代から1990年代の国産スポーツカーの輸出先としてアメリカが加わることとなりました。 さらに、文化的な影響も密接に関係していると考えられます。 2000年代の大ヒットカーアクション映画「ワイルド・スピード」シリーズでは、数々の国産スポーツカーが象徴的な存在として登場しました。 それにより、スカイラインGT-Rやスープラといった劇中で活躍する国産スポーツカーがこれまで以上に注目されるようになりました。 >>「スープラ」「スカイラインGT-R」ほか今や庶民では買えない激レア国産スポーツカーをせめて画像で楽しむ また、InstagramやYouTubeといったSNSの普及によって、個人が所有する国産車を世界中のユーザーが手軽に目にする機会が増えたことも関係していると言われています。 つまり、これまでは日本をはじめとする一部の国にしか需要がなかった当時の国産スポーツカーが、アメリカという巨大市場からの需要を得たことが、近年の相場高騰の最大の要因と考えられます。 \あわせて読みたい/ では現行の国産スポーツカーも将来相場が高騰するのか?では、現在販売されている国産スポーツカーも、将来的にはより高値で取引されるようになるのでしょうか? ある業界関係者は次のように話します。 「たとえば、トヨタ『GR86』やマツダ『ロードスター』といったスポーツカーの場合、今後価値が大きく上昇する可能性は低いと思います。というのも、これらは世界各国で販売されているモデルであり、海外のユーザーにとっては、日本仕様をあえて輸入するメリットが少ないためです。 もちろん、レクサス『LFA』のように、そもそもの生産台数が少ないスポーツカーであれば、相場がどんどん高騰していくことは間違いないでしょう。実際、LFAはすでに1億円以上が相場となっており、個体によっては2億円を超える値がついたものもあります。 ただ、最近では日本国内専用モデルが少ないことから、今後極端に相場が高騰するモデルは皆無かもしれません。しいて言えば、例えばホンダ『S660』のような、日本国内でしか販売されておらず、なおかつすでに生産終了しているスポーツカーは今後多少の値上がりが期待できるかもしれません」 国産スポーツカーのあまりの相場高騰に、インターネット上では「あの時買っておけばよかった…」という声も数多く見られます。 >>「スープラ」「スカイラインGT-R」ほか今や庶民では買えない激レア国産スポーツカーをせめて画像で楽しむ ただ、実際には将来高騰するクルマを見極めることは簡単ではないようです。 (終わり) (写真:トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、レクサス) \あわせて読みたい/ |
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