不人気の理由はどっちつかずのエクステリア!?スライドドアを備えたダイハツの新型「ムーヴ」が登場し、ライバルのスズキ「ワゴンR」にもフルモデルチェンジの噂が広がるなど、軽トールワゴン市場がにわかに盛り上がってきた。 そんな中、存在感がやや薄れつつあるのがホンダ「N-WGN(Nワゴン)」である。かつてはベストセラーとして名を馳せたこのクルマだが、現在の“戦力”はいかがなものなのか。 まず直近2025年5月の販売台数を見ると、Nワゴンは2176台。対して、新型ムーヴは5413台、ワゴンRは5597台と、いずれもNワゴンの倍以上を売り上げている。 ムーヴには「ムーヴキャンバス」、ワゴンRには「ワゴンRスマイル」といった兄弟車の台数も含まれている点には注意が必要だが、それでもNワゴンが劣勢に立たされているのは事実である。 ネット上の声を見ると、販売が伸び悩んでいる理由としてよく挙げられているのが、エクステリアデザインだ。角ばっているがどこかファニーな見た目は、「かっこいい系」にも「かわいい系」にも振り切れておらず、ターゲット層を絞りにくいのかもしれない。 >【出来はいいのに…】装備もクオリティも上級「Nワゴン」の内外装デザインを見る |あわせて読みたい| ライバルを大幅に上回る軽トップクラスの豪華装備とはいえ、Nワゴンにはしっかりとした魅力がある。なかでも注目したいのが、全グレードに標準装備されている「電動パーキングブレーキ」と「オートブレーキホールド機能」、そして先進運転支援機能の「ACC」(アダプティブクルーズコントロール)だ。 これらの機能は軽自動車ではプレミアムなクラスに装備されるもので、新型ムーヴでも上位グレードのみに設定されており、ワゴンRではそもそも選択肢として用意されていない。装備面での優位性はNワゴンの大きな強みである。 同様にホンダらしいこだわりとして見逃せないのが、全グレードで「チルト&テレスコピックステアリング」が標準装備されている点だ。とくに、ハンドルの前後位置を調整できるテレスコピックステアリングは、軽自動車では珍しい装備である。 一方、新型ムーヴとワゴンRはチルトステアリングのみで、エントリーグレードにはチルト機能すら付かない。自分に合った運転姿勢をとれることは、安全面にも直結するため、こうした差は軽視できないところだ。 >【出来はいいのに…】装備もクオリティも上級「Nワゴン」の内外装デザインを見る |あわせて読みたい| 価格も割安。登録済未使用車はさらにすごい状況に軽自動車選びで重視される車両価格においても、Nワゴンは優位に立っている。代表的な軽ハイトワゴンの同等グレード(FF)で比較すると以下のとおり。 ・Nワゴン「L」:144万7600円 数万円の差ではあるし、新型「ムーヴ」が後席スライドドアを装備してきたことは考慮する必要があるが、もともとが低価格帯の軽自動車であること、Nワゴンの手抜きなしの装備を踏まえると、価格差のインパクトは小さくない。 >【出来はいいのに…】装備もクオリティも上級「Nワゴン」の内外装デザインを見る さらに、コスパを重視するなら「登録済未使用車」の存在も見逃せない。Nワゴンは2025年式の登録済未使用車も探せばすぐに見つけられるほど流通しており、FF車「L」グレードなら新車価格より約2割安い120万9000円から手に入る。 参考までに、ワゴンR(2025年式「ハイブリッド FX-S」)は5台で最安132万8000円、新型ムーヴに関しては発売直後のため、登録済未使用車自体がまだ出回っていない状況だ。 このように、Nワゴンは販売台数こそ劣っているものの、装備や価格、運転の快適性といった点で確かな魅力を備えている。軽トールワゴン市場における“隠れた実力派”として、今こそ再評価すべき一台かもしれない。 (終わり) (写真:ダイハツ、スズキ、ホンダ) |あわせて読みたい| |
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